三部作の最終話です。
安心安全ポジティブな場
「安心安全ポジティブな場」のベースは、
- 前向きでポジティブな言葉
- 笑顔で否定せずに聞く
- 言動の一致
私は、娘に対して全然、
安心安全ポジティブではないことに
気づきました。
娘を励ましているようで、
実は否定して、
コントロールしようとしていたのです。
幼少期にも、
娘のいいところ、強みを
受け止めていませんでした。
娘の弱音に対しても、
そのままストレートに受け止めていれば、
否定することもなかったでしょう。
当然、
娘にとっては母親である私だけでなく、
学校もまた、
危険で不安でネガティブな環境でした。
娘は周りの状況や環境、
人の気持ちの変化を
人一倍敏感にキャッチする子です。
女子中学生特有の、
しかしどこにでもあるような
意地悪やからかいを、
とても大きく受け止めて
帰ってきます。
そして
「他の子が意地悪されているのを
見ていられない」
と感じながらも、
「他の子はいいけど、
自分は我慢しなきゃいけない」
と思い込んでいるので、
だんだん人と関わるのが
苦痛になっていきました。
子育てを通じて、
安全安全ポジティブな
コミュニケーションの大切さを
痛感しました。
受け取り方、伝え方、場の空気の力。
私は、
人と接するのは苦手ではないと
思っていました。
でも実は、
安全安全ポジティブな
コミュニケーションはできていなかった。
コミュニケーションを
良くするために
もっとも重要なことは、
学びです。
なぜならば、
コミュニケーションは
学問として教えてもらったり
学んだりする機会はほとんどなく、
私もそうですが、
誰もがほぼ自分の経験から
学び取る方法で身につけていきます。
いわば、独学です。
さらに私は、
小学校や中学校時代の先生に、
こんなことを教わってきました。
みんな(全員)と仲良くしなさい
みんな(全員)と同じように
平等に接しなさい
ケンカをしたら
「ごめんなさい」をしなさい
これが実は、
的確なコミュニケーションを
妨げているのです。
人は多様性を持っています。
それなのに、
対応やコミュニケーションの取り方が
同じであるはずがありません。
その人に合わせて、
心地いい距離感を保つことが
重要なのに、
全員と同じように
仲良くしなければいけないと
思い込んでしまっている。
自分も相手も違うのに、
同じように接するには
不都合も出てきます。
また、意見の交換もなしに
画一的に喧嘩両成敗では、
素直に聞いたり伝えたりが
できるようにはなりません。
これでは、
コミュニケーションを
難しく感じてしまうのは、
仕方がないことなのです。
コミュニケーション力を up するのに
重要なことは、学びです。
学んで実践すれば、
決して難しいものではないのです。
このことに気づき、
学んだ今、
会社員時代を振り返えると、
あのミスの原因は、
単なるルール違反だけでは
なかったということに気づきました。
検査室の同僚は
忙しい中でも、
私にダブルチェックのために
呼ばれることは、
迷惑ではなかったかもしれない。
私が的確にヘルプを出していたら、
あのミスは起こらなかったでしょう。
呼べなかっただけではなく、
検査依頼を受けてから
結果を報告するまでに、
いくつかのイレギュラーな
運用もありました。
仲良しであると同時に、
なあなあになっていたのだと
思います。
平等に意見を出し合って、
業務改善や運用に対する
共通の認識があれば、
検体が入れ替わることも
なかったでしょう。
そして、
周りの最大限のフォローを
正しく受け取っていれば、
私は怖い怖いと思わないで
医療業界から
ドロップアウトすることも
なかったのかもしれません。
私に起こった
これらの出来事は、
的確な受け取り方と伝え方
的確なコミュニケーションを
とっていれば、
防げたのではないか。
経験からの
視野の狭いコミュニケーションではなく、
知って学んで身につけていれば
防げたのではないか。
それは私だけでなく、
周りの人たちと同じ視点や
情報量であれば、
さらに確実だったのではないか。
それはつまり、
私が学んで得た情報を
広く知ってもらうことができたなら、
昔の私と同じような状況で
苦しんだりあきらめたりする人を
減らせるのではないか。
私の学びは、
自分のためだけではない。

シェアすることで、
私は人の役に立てると思いました。
このことに気づき、
学んだり、深く考えたりするように
なったことが、
これらの
ネガティブな事柄の起きた
意味なのだと思います。
現在の娘も、
思い込みを外して、
周りの状況を好意的に受け止め、
自分の思いを
素直に伝えることができれば、
こんなに苦悩することも
ないのかもしれません。
私は実際、
コミュニケーションについて学ぶように
なってから、
とても気持ちが楽になりました。
必要以上にイライラしたり
落ち込んだりすることもないし、
いい面でとらえるようになったことで、
より多くの幸せを感じられるように
なったと思います。
昔の私のように、
ミスがコミュニケーションで
防げることに気づいていない人は
たくさんいると思います。
そのために、
間違った対処法をして
ますます苦しくなってしまう。
会社員時代の私は、
とても周りの人たちに
仲良くしてもらって過ごしていたので、
コミュニケーションは
良好だと思っていました。
でも仕事をする上で、
ただの“仲良しクラブ”では
的確なコミュニケーションは
取れていなかったのです。
私は、
自分の経験や学びから得た
知識や情報を、
多くの人にシェアして役立てたい。
自分が身につけた
《的確なコミュニケーション》を
伝えることで、人に貢献したい。
かつての私のように、
人間関係から引き起こされる
ネガティブな事柄のために、
日々の暮らしの中で
悩んだりあきらめたりする人を
なくしたい。
安心安全ポジティブな場で、
的確なコミュニケーションで
結ばれた世界は、
きっとのびのびと強みを発揮して、
幸せを感じられる人で
あふれていると思います。
そうして私は、
医療・介護業界向けの
研修をはじめました。
安心安全ポジティブな職場を作り、
正しく意見を出し合い、
不安やミスのない現場にするための
業務改善をするという、
『のびやか職場創生プログラム』
を作りました。
医療・介護の現場で
働く人たちの《心の平安》を第一に、
従業員満足度を上げていきたいです。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。