タケカワ ユキヒデ(本名:武川 行秀/1952年10月22日~)は、日本のシンガーソングライター、作家。ゴダイゴのメインヴォーカルであり、ほとんどのシングル曲の作曲者。

 

 

1952年、埼玉県浦和市(現:さいたま市浦和区)に生まれる。

母方の曽祖父が国産ヴァイオリンメーカー「鈴木バイオリン製造」創業者の鈴木政吉。母方の大叔父に、ヴァイオリン教育の「スズキ・メソード」で名高い鈴木鎮一がいる。

父方の祖父は裁判官をしていた。父は、『「第九」のすべて』(芸術現代社)などの著作があり、ベートーヴェン研究家、音楽評論家として著名な武川寛海という音楽家の家系。

 

5歳からヴァイオリンを、10歳から作曲を始める。

 

ビートルズに衝撃を受け、中学2年の時にバンド活動を始める。

中学の文化祭で演奏しようとしたところ、その前に教師たちの前で演奏することに。だが、意外なことに教師たちからは拍手喝采される。

今でもビートルズを敬愛しており、芸能界一のビートルズ・フリークとしても知られる。

 

埼玉県立浦和高等学校卒業。

 

1972年、東京外国語大学外国語学部英米語学科入学。

休学・復学を繰り返し、11年間かけて卒業。在学中に結婚。

 

1975年1月1日、日本コロムビアからタケカワユキヒデの1stシングル“PASSING PICTURES (走り去るロマン)”(作詞:奈良橋陽子/作・編曲:タケカワユキヒデ)を先行リリースし、デビュー。「竹川行秀」と書かれることが多いので「タケカワユキヒデ」と表記している。

同年1月25日、全曲英詞のアルバム『走り去るロマン/PASSING PICTURES』をリリース。以降、基本的に英語詞の作詞は奈良橋陽子、作曲はタケカワ、編曲についてはゴダイゴ結成以降ほとんどの楽曲をミッキー吉野が担当した。

 

同年、ミッキー吉野(Key)とスティーヴ・フォックス(B)が在籍していたバンド「ミッキー吉野グループ」がタケカワのアルバムのレコーディングに参加したことをきっかけに、他のバンドで活動していた浅野孝已(G)と原田裕臣(Ds)を誘い「ゴダイゴ」(GODIEGO)を結成。このアルバムは当初タケカワのソロアルバムとして制作が進んでいたが、ゴダイゴ結成に伴い、バンドのファーストアルバムに変更された。

そのアルバムのレコーディング中にドラマーの原田が脱退。

 

グループ名の由来の一つに後醍醐天皇がある。リーダーのミッキー吉野は自分の姓「吉野」から吉野朝廷 → 後醍醐天皇と連想でき、子どもの頃から好きだったからと語っている。

英語では「GODIEGO」と表記するが、「DAI」ではなく「DIE」という表記を思い付いたのはスティーヴである。「生きて、死んで、また生きる」つまり不死鳥、復権した後醍醐天皇、七転び八起き、あるいは輪廻転生がイメージできることからミッキー吉野も同意したという。また「GOD」「I」「EGO」と分けると、「神」「自分」「エゴ」という意味にもなる。

 

1976年7月25日、アルバム『GODIEGO (組曲:新創世紀)』でデビュー。本アルバムは、

日本発売で日本のレーベルからリリースされたアルバムとしては初の全曲英文歌詞の

作品となる。フラワー・トラベリン・バンドの『SATORI』等、日本人が英語の歌詞を歌い

発売したアルバムはあるが、それらは海外発売であり日本向けではない。

 

12月、原田の後任として、浅野孝已の実弟、浅野良治(Ds)が加入。

同年、NHKのテレビドラマ『男たちの旅路』の音楽を担当。

同年、カネボウ化粧品のCMに“僕のサラダガール”を提供。

 

 

1977年初頭、浅野良治が脱退。

2月12日、NHKのテレビドラマ『男たちの旅路』第二部第二話「冬の樹」が放送。熱狂的なファンがいるロックバンド「ゴダイゴ」として出演・演奏。

3月14日、浅野良治の後任としてトミー・スナイダーが来日し、加入。

11月25日、アルバム『DEAD END』を発表。

 

この頃、日本のTVドラマ『水滸伝』(中村敦夫主演)がイギリスBBCを始め海外数カ国で放映されたが、ゴダイゴが演奏した英語版のテーマソング“WATER MARGIN”がヒット、日本のグループとしては初めて全英チャート37位にランクされる。なお、同曲のヴォーカルはタケカワではなく、トミー・スナイダーが担当している。

 

同年12月11日開催の「ミラージュボウル」のテーマ曲として“ミラージュのテーマ”を提供。

 

 

1978年1月25日、ゴダイゴが携わったCMソングを集めたアルバム『CMソング・グラフィティ・ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ』をリリース。

 

7月10日、映画『キタキツネ物語』のサウンドトラックアルバム『キタキツネ物語』を発表。ゴダイゴは、キタキツネの子どもたちのテーマソングを担当した他、主題歌“赤い狩人”(歌:町田義人)など担当曲以外の曲も手掛けている(作曲および演奏)。

 

10月1日、テレビ番組『西遊記』(出演:堺正章、夏目雅子、西田敏行 他)が放送開始(1979年4月1日まで)。エンディングテーマ“ガンダーラ”およびオープニングテーマ“モンキー・マジック”を提供。“モンキー・マジック”も前作“ガンダーラ”同様2位止まりであった。しかし翌1979年にはこの2曲がランキング上位を占めるなど、結果的にヒットとなった。

10月25日、テレビ番組のサントラ盤であると同時にゴダイゴのオリジナルアルバムでもある『MAGIC MONKEY(西遊記)』を発表。彼らにとって最も売れたアルバムとなった。

 

1979年、前年発売の“ガンダーラ”と“モンキー・マジック”が2/12付~19付で同時にTOP3チャートインの記録を打ち立てる。“ガンダーラ”は1979年の年間第6位となり、彼らのシングル作品としては最多の160万枚(オリコンは85万枚)以上を売り上げた。

3月からは全国43ヵ所を回る「セレブレーション・ツアー」を開始。

4月1日、ユニセフ国際児童年協賛曲である“ビューティフル・ネーム”を発表した。

 

8月4日、アニメ映画『銀河鉄道999』が公開。同名主題歌“銀河鉄道999”はシングルとして7月1日に発売。

 

11月11日、『西遊記II』放送開始(1980年5月4日まで)。エンディングテーマ“ホーリー&ブライト”を提供した。

 

同年、“ビューティフル・ネーム”、タケカワのソロ名義である“ハピネス”、“はるかな旅へ”、“銀河鉄道999”の4曲が同時にトップ20にランクインするなど、ヒットを連発した。

 

同年、サントリービールのCMに“ハピネス”を、タケダ・ベンザエースのCM曲“マジック・カプセル”を提供した。

 

1980年1月、イギリスにてSATRILより、ゴダイゴにとってキャリア初となるベスト・アルバム『LONDON CELEBRATION』が発売。後に日本に逆輸入された。

同年、朝日放送のTVスペシャル『アフリカの黒い太陽』への出演とテーマソング“リターントゥ・アフリカ”の提供が決定、

2月7日にはカトマンズのネパール王立競技場で6万人の観客の前でコンサートを開く。

3月30日、ベーシストのスティーヴ・フォックスが宣教師になるために脱退。

5月1日、翌1981年に開催予定であった神戸の国際博覧会「ポートピア'81」のためにシングル“ポートピア”をリリース。ポートピアのPRキャンペーンを展開。

 

7月29日、吉澤洋治(G、B)が加入。

10月にはロサンジェルスにて市制200周年を記念したシビックシアターでのイベント「ストリート・シーン」に出演。

10月22・23日には中国天津市、天津第一工人文化宮で開催された「第一回中日友好音楽祭」に出演し新曲“プロミス・イン・テンシン”を発表。中国での初のロックコンサートになる。このライヴの模様はライヴアルバム『中国后醍醐』に収められている。

12月31日、第31回NHK紅白歌合戦に出場、“ポートピア”を歌唱した。

 

1981年2月、ローマ法王歓迎コンサートに出演。

9月、アルバム『M.O.R』を発表。

 

1982年6月、アルバム『CMソンググラフィティーVol.2』を発表。

この頃からメンバーのソロ活動が目立ちはじめる。

 

1984年1月21日、アルバム『フラワー』を発表。

 

9月21日、ライヴアルバム『平和組曲』を発表。

11月21日、アルバム『ONE DIMENSION MAN』を発表。

 

1985年、ファイナルツアーを敢行。

4月21日東京厚生年金会館を最後に活動に終止符を打つ。

当時、公式には「インターミッション(活動休止)」と呼称しており、

後にミッキー吉野は「当時[解散]が流行っていたので使いたくなかった」と語っている。

 

解散後、ミッキー吉野はゴダイゴの精神を引き継いだアルバムを2枚発表した。これらのアルバムには浅野孝已やスティーヴ・フォックスも参加している。

タケカワはゴダイゴ活動休止後、中森明菜、酒井法子、松田聖子、光GENJIなど、他のアーティストへの楽曲提供やプロデュースでヒットメーカーとしての地位を確立し、2枚のアルバム、1枚のサントラ盤もリリース。

同年、高倉健主演映画『夜叉』の主題歌の作曲を手がけた。

 

1989年、タケカワはアルバム『I LOVE YOU』を発表し、本格的にソロ活動を再開。

 

1990年代に入り、作曲家、音楽プロデューサー、ライヴ活動の他、講演、テレビ・ラジオ番組の司会・コメンテーター、文筆活動など、マルチアーティストとして幅広く活動を展開していく。

 

1992年、小説家デビューを果たす。

 

1994年5月、ダイワハウスのCMソング“僕たちの愛”を発表。

5月21日、ゴダイゴの代表曲の日本語版、英語版をそれぞれ集めた2枚のベストアルバム『GODIEGO GREAT BEST Vol.1 -Japanese Version-』と『GODIEGO GREAT BEST Vol.2 -English Version-』を発売。過去何作かベスト盤が出ているが、最多の売上を誇っている。

 

 

同年11月、自己のヒット曲をメドレーにしたシングル“ガンダーラ伝説”が、ゴダイゴを知らない世代で話題となり、ヒットチャートの上位にランクインされる。

12月7日、『ガンダーラ伝説/LEGEND OF GANDHARA』をリリース。

 

1995年、エッセイ集と絵本を発表する。

 

1996年、推理小説マネージャー探偵シリーズ「殺しは本番5分前」を発表。

 

1998年9月5日、「タケカワユキヒデ & T's COMPANY」名義で“ねぇマザー・テレサ” / 

“愛する地球のために”を 「マザー・テレサ追悼ソング」としてリリース。

タケカワユキヒデ & T's COMPANYは、タケカワと二人の娘、三女の基、四女の愛(武川アイ)とのユニットであり、このシングルがデビュー盤となる。

 

1999年、1男5女の父親であるタケカワはこの年の「ベストファザー賞」を受賞。

同年、外国籍メンバーの滞在ビザの関係もあり、3か月間限定でゴダイゴ再結成。ツアーも実施した。

10月21日、オリジナルアルバム『GODIEGO...WHAT A BEAUTIFUL NAME』を発表。国際児童年(1979年)から20周年記念ということで、“ビューティフル・ネーム”がライヴアレンジに近い形で再録音されている。

年末にはNHK紅白歌合戦に出場し、“ビューティフル・ネーム”を披露した。

 

2000年、前年のツアーで開催がなかった西日本エリアでライヴを行った。その後もテレビ番組やイベントの出演などで散発的に再結成したが、その際は外国籍メンバーの代役を他のミュージシャン(村上秀一など)が務めることもあった。

 

2001年、『娘を持つ父親のための本』を出版。

 

2002年10月10日、タケカワのソロアルバム『DOUBLE STANDARDS〜A BIG ROCK & ROLL STAR〜』と、タケカワユキヒデ & T'S COMPANYのアルバム『DOUBLE STANDARDS〜BE WITH YOU』をリリース。1997年以降にタケカワが手掛けた、シングル・社歌・イベント曲などを集めたアルバム。

 

2006年、ゴダイゴ結成30周年に当たるこの年、奈良・東大寺でオリジナルメンバーによるコンサートを行って恒久的な再始動を宣言した。

この年、マキシシングル2枚とDVD1枚をリリースした。

 

2007年3月16日、東京芸術劇場で、ゴダイゴを始めとする総勢80人のミュージシャンによる「2007 TOKYO 新創世紀」を催行。東京芸術劇場での初のロックライヴとなった。

7月18日、同年2月~5月にネット配信された、ビートルズのカヴァーアルバム2作を1枚にまとめた『CHRONICLE 1&2+2』をリリース。同シリーズは『CHRONICLE 3&4+2』(2009年2月18日)、『CHRONICLE 5&6+2』(2010年1月30日)と続く。

8月16日、神宮外苑花火大会にライヴ出演。1曲目から“モンキー・マジック”を披露し大歓声を浴びると、“ビューティフル・ネーム”、“ガンダーラ”、“銀河鉄道999”などのヒットナンバー全6曲を披露した。

 

2012年、帝京大学教育学部客員教授に就任。

 

2014年、スティーヴ・フォックスに代わり1980年から1985年にかけてベースを務めた吉澤洋治が正式メンバーとして復帰した。担当楽器はギターとベース。2006年のゴダイゴ再始動後もゲスト出演することはあったが、正式メンバーとして復帰するのはゴダイゴが活動休止となった1985年以来である。

 

2015年11月1日、中野サンプラザで行った『新制!ゴダイゴ プレミアムコンサート2015』では、1977年に脱退したドラマーの浅野良治が背広姿でステージに登場した。タケカワは「(浅野良治を含めて)7(ナナ)ダイゴ」と紹介した。

 

2017年、タケカワがNHKラジオ第二『短期集中3ヶ月英会話』でレギュラーを務める。

 

2020年5月12日12時3分、オリジナルメンバーのギタリスト、浅野孝已が虚血性心不全で逝去。享年68歳。

 

 

 

(参照)

Wikipedia「タケカワユキヒデ」「ゴダイゴ」

タケカワユキヒデオフィシャルホームページ

takekawayukihide.com

ゴダイゴ オフィシャルサイト

http://godiego.co.jp/godiego/index.html

日本コロムビア「ゴダイゴ」

https://columbia.jp/artist-info/godiego/