井口理(いぐち さとる/1993年10月5日~)は、日本の歌手、キーボーディスト、俳優。

ロックバンド「King Gnu」(キング・ヌー)のヴォーカル、キーボード担当として知られる。

 

 

長野県伊那市出身。

三男一女の4人兄弟の末っ子で、次兄は声楽家(バリトン)の井口達。

理本人はテノールである。

 

最も好きなミュージシャンは、七尾旅人。他には、親の影響から井上陽水、チューリップ、

オフコース、布施明、尾崎紀世彦、ポルノグラフィティ、aikoなどを聴いていた。

特にポルノグラフィティは、ラジオで勝手に20周年記念企画として

、自身がカラオケで歌うだけの企画を行ったほどである。

 

バンドメンバーの常田大希とは小学校、中学校が同じで幼馴染という間柄である。

伊那市立東部中学校時代は合唱部に所属し、

1学年上で野球部から転部してきた常田とともに、

NHK全国学校音楽コンクールの全国大会に出場した。

 

高校は長野県伊那弥生ヶ丘高校に進学し、音楽部(合唱部)に入部。

また、高校時代はブルーハーツなどのコピーバンドでも活動した。

 

井口は高校卒業後、東京藝術大学音楽学部声楽科に入学。だが、自分はクラシックや声楽には向いてないと考え、高校時代にバンド経験もあったことから、何か人前に出られればいいと模索。劇団に足を運んだり、ミュージカルや演劇に役者として出演したりしていた。

 

一方、井口の幼馴染、常田は長野県伊那北高等学校を卒業後、東京藝術大学音楽学部

器楽科チェロ専攻に進学したが、「社会と結びついた音楽をしたい」という理由で中途退学。

 

2013年、常田は中退後に、同級生である石若駿、WONKの江﨑文武らと東京藝術大学の

学園祭「藝祭」にバンド出演のため訪れたところ、声楽科の出店であるワッフル店の

店長として客引きのために歌っていた井口と奇跡的に再会。それがきっかけで常田から

「曲をレコーディングするからコーラスをやってくれない?」と誘われ、常田が中心になって

同年に結成されたバンド「Srv.Vinci」(サーヴァ・ヴィンチ)に井口が参加する。

 

こうして現在のKingGnuと同じメンバーでのバンド編成となり、

音楽性もGing Gnuにつながるものへと変化していった。

なお、現在に至るメンバーは、

常田 大希(つねた だいき/1992年5月15日~/長野県伊那市出身/G、Vo、Cello、Pf、作詞作曲)、勢喜 遊(せき ゆう/1992年9月2日~/徳島県阿南市出身/Ds、Cho、Sampler)、新井 和輝(あらい かずき/1992年10月29日~/東京都福生市出身/B、Cho)、井口 理(いぐち さとる/1993年10月5日~/長野県伊那市出身/Vo、Key)の4人。

 

ミュージックビデオの制作や、ロゴタイプをはじめとするビジュアルデザインは、

常田が立ち上げたクリエイティブチーム「PERIMETRON」(ペリメトロン)が担っている。

 

2015年9月16日、Srv.Vinciは全国流通盤となる1stアルバム『Mad me more softly』を発売。

 

2016年4月1日に“ロウラヴ”、5月5日に“都”が、それぞれ期間限定で配信。

“ロウラヴ”のミュージック・ビデオは、常田が7年間、祖母と2人暮らしをしていた

祖母の家で行われている。

 

7月20日に、常田のソロプロジェクト・DTMP(Daiki Tsuneta Millennium Parade)名義での

ファーストアルバム『http://』が発売された。

9月14日、Srv.Vinciのミニ・アルバム『トーキョー・カオティック』をタワーレコード限定で発売。King Gnuのプロトタイプともいえる作品である。それに伴い9月2日渋谷WWWにて

先行リリースパーティー「Tokyo Chaotic Festival」を開催。

 

2017年3月、「サウス・バイ・サウスウエスト」(SXSW)に日本のガールズバンド「CHAI」らとともに参加、全米7カ所でのツアーを敢行。このツアー前後、2週間程度「Tokyo Chaotic」という

バンド名に変更されている。

 

5月、バンド名を「King Gnu」に改名。

バンド名は、由来である動物の「Gnu」(ヌー)が、春から少しずつ合流してやがて巨大な群れになる習性を持っており、自分たちも老若男女を巻き込み大きな群れになりたいという思いから名づけられた。なお、バンドの公式ファンクラブは「CLUB GNU」。

7月26日、「FUJI ROCK FESTIVAL '17 」に出演。

10月25日にKing Gnu名義では初となるアルバム『Tokyo Rendez-Vous』を発売。

収録曲“Vinyl”はパーソルテンプスタッフのブランド広告「HAKEN ROCK!!」に起用され、

翌年1月25日からCM映像が公開された。

同曲のMVには、ナイキのCMなどで知られるモデルのチバユカが出演している。

 

同月29日には、アルバム発売を記念したフリーライヴを、タワーレコード横浜ビブレ店店内で開催(横浜VIVRE前の特設ステージで開催予定だったが悪天候で中止に)。

米津玄師の楽曲“爱丽丝(ありす)”に常田が共同プロデュース・アレンジ・ギター、キーボードで元パスピエの矢尾拓也 (Ds)、八十八ヶ所巡礼のマーガレット廣井 (B)と参加。

11月1日に、同曲が収録された米津のアルバム『BOOTLEG』が発売された。

 

2018年1月28日、キャリア初のワンマンライヴ「Tokyo Rendez-Vous」を渋谷WWWで開催。

チケット即日ソールドアウトに伴い追加公演を渋谷WWW Xで開催。

同年7月、配信シングル“Flash!!!”をリリース。

 

9月19日、初のシングル“Prayer X”をリリース。

表題曲はフジテレビ系アニメ『BANANA FISH』のエンディングテーマに起用された。

 

2019年1月6日、同月19日からスタートする、日本テレビ系ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』の

主題歌として、新曲“白日”を書き下ろしたことを発表。バンド初のドラマタイアップとなる。

同楽曲は同年2月22日に配信限定でリリースされた。

 

1月16日、2ndアルバム『Sympa』(シンパ)をソニー・ミュージックレーベルズ内の

Ariola Japan(アリオラジャパン)からリリースして、メジャーデビューを果たす。

配信限定シングル“Flash!!!”や1stシングル“Prayer X”、“Sorrows”、“Slumberland”、

『Mステ』出演時に演奏して話題になった“The hole”など全13曲を収録。

新録曲“Slumberland”は発売に先駆けて配信された。

 

 

 

 

3月13日、井口がニッポン放送『オールナイトニッポン0』の木曜日パーソナリティーに就任。

7月15日、NHK総合『ひとモノガタリ』「ダウンタウンになれなかった男」で、

井口が「語り」を担当。

7月19日、プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手が出演するANAの国内版テレビCM

「ひとには翼がある」篇のCMソングとして、新曲“飛行艇”を提供。

8月9日、同楽曲が配信限定でリリースされた。

 

10月19日、配信限定シングル“傘”がリリース。

 

11月14日、同年末の『第70回NHK紅白歌合戦』に出場することが発表された。

11月16日、アルバム『Sympa』が「第61回日本レコード大賞」で優秀アルバム賞を受賞。

11月27日、『井上陽水トリビュート』がリリース、“飾りじゃないのよ涙は”を演奏。

12月31日、NHK総合ほかで放送された『第70回NHK紅白歌合戦』に白組として出場。

“白日”を歌唱した。

 

2020年1月15日、3rdアルバム『CEREMONY』(セレモニー)をリリース。

収録曲は、配信限定シングルとして先行リリースされていた“白日”、“飛行艇”、“傘”、

“Teenager Forever”や、映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』主題歌“どろん”

などを含む、全12曲。

オリコンチャートでは、同年1月21日付週間アルバムランキングおよび

デジタルアルバムランキングの2部門で初登場1位を獲得(初週23.8万枚、3.0万DL)。

Billboard JAPANでは、同年1月21日付の週間アルバム・セールス・チャートで、

CDセールス、ダウンロード、ルックアップの3冠(初動3日間で167,512枚、

当週244,976枚、29,377DL)を記録した。

 

 

 

3月24日、新曲“泡”(あぶく)が映画『太陽は動かない』の主題歌に起用された。

なお、“泡”は前身バンドSrv.Vinci時の楽曲“ABUKU”のリメイクであることが

常田のTwitterにて明かされた。

 

7月17日、お笑いタレントの又吉直樹による長編小説を原作とし、山﨑賢人主演で、

井口も出演した映画『劇場』が公開。

 

9月8日、日本人アーティストとしては初めて「レッドブル」と

パートナーシップ契約をした事を発表。

9月21日、“白日”のストリーミング再生総再生回数が3億回を突破した。

 

10月10日、主題歌に“三文小説”を書き下ろした、日本テレビ系「土曜ドラマ」枠の

柴咲コウ主演テレビドラマ『35歳の少女』が初回放送開始予定。

楽曲は初回放送で解禁の予定(2020年10月3日現在)。

 

 

 

(参照)

Wikipedia「井口理」「King Gnu」

King Gnu 公式ウェブサイト

kinggnu.jp