【 三〇年もたてばそうなる。最初のドミノさえ倒れたら、もっと速く変化するかもしれない 】

【 いま、その時機が来たのだ 】


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 新しい霊性とは、それを意識して行うことだ。意識を拡大しようという呼びかけだ。意識的な創造への招待だ。進化のプロセスのつぎのステップだよ。

 それによって、あなたがたの地球で革命が起こるだろう。それは暴力的ではない革命、革命のなかでも最も革命的な革命だ。なぜならそれは、進化の革命だから。

 《明日の神P73》
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 古い信念はもう役に立たないと思うひとたちが増えている。

 その数は急激に、臨界量に達しようとしている。あなたにできるのは、それを助けることだ。

 全体の五パーセント未満であっても、ひとつの方向へ動き出せば、臨界量になりうる。

 言い換えれば、たったひとつのドミノが倒れれば、残りのドミノは次つぎに倒れていく。

 《新しき啓示P363》(一部略)
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ニール:それじゃ、地上のものごとが良い方向に向かうくらいプロセスが進行するのは、いつなんですか?

神:まもなくだよ。もうじきだ。

 あなたが生きているあいだにも起こりうる。三〇年もたてばそうなる。最初のドミノさえ倒れたら、もっと速く変化するかもしれない。

 《明日の神P29》(一部略)
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 いま、その時機が来たのだ。

 《神との対話4-P16》
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┏━あらすじ━━

(1)社会改革

・高度に発達した科学技術は、今や、人間のコントロール能力を超えようとしている。

・人間が「霊性」の復興なしにこのまま行けば、自滅の道を行く危険がある。

・温暖化など近年の地球環境の激変は、地球を破壊し続ける人類を拒絶しようとしている、地球自体の適応現象だ。

・人類の進化の程度は、まだほんの序の口だ。

・人類は歴史上で、一度、進歩に失敗したことがある。再び失敗する危険も大いにある。

・社会の目指す方向が人間の魂の成長にあるとするなら、現代社会の価値観は目指すところには連れて行ってくれない。

・細胞レベルに組み込まれた神性への人間の衝動は、いくら抑え込んでも、抑えられない。

・それを無理矢理排除しようとする政府や国家は、結局、それが不可能だと分かる。

・人間には、生まれもった独特な個性や個別性があり、同じ人間は一人だにいない。

・全ての人間は、「平等」ではなく「公平」であるべきで、社会システムもそれを保証するものであるべきだ。

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(2)政治改革

・「政治」は、人間の「霊性」の現れである。それは、政治の中に、霊性が反映されているということを意味する。

・「霊性」とは、既成宗教のことではなく、魂レベルの意識活動をいう。

・現代社会では、既成宗教の教えが機能しなくなっていて、その教えによっては解決できない社会問題が、山積している。

・新しい霊性を生み出す新しい神学が必要とされ、それにもとづく政治の構築が求められている。

・『神との対話』で提起される「新しい民主主義システム」の要項は以下のとおり。

①透明性が政治プロセスの一部になる。

②代表(議員)を選んで議会に送る。

③議員の仕事は、その領域の課題を考え、種々の解決策を徹底的に比較検討し、どの解決策を法律として国民投票にかけるかについてコンセンサスをつくり上げること。

④国民投票が行われて、人々は、議員の提示した各法案の賛否を直接投票をする。

⑤国民投票の決定には三分の二の多数が必要。

⑥オンラインで投票し、コンピュータで票を集計すれば、投票終了直後に結果がわかる。

・世界を統治するために創設すべき実際の機関は以下のとおり。

①「世界統一政府」

②国際紛争を解決する強力な「世界裁判所」

③自らを統治するために選んだ法律に強制力を与える「平和維持軍」

④地球上の全国家から二人ずつ代表が集まる「世界上院議会」

⑤各国の人口に比例した数の代表が集まる「世界下院議会」

・自由こそ神の本質、魂の本質であるから、国家社会の政治体制は、人間の自由を保障するものでなければならない。独裁政治は終わるだろう。政府が独裁的になって自由を抑圧すれば、世界中で同じことが起こるだろう。

・宇宙には、地球外生命体の文明は多数存在し、その多くは、地球文明よりはるかに進化している。(それを highly evolved being 高度に進化した存在:HEB  と呼んでいる。)精神が高度に進化しているHEBは、自分の成長には小さなコミュニティが最適だと判断し、その集団で生活している。したがって、HEBの世界の政治は、小規模のコミュニティの中での自治、つまり自分たちで自分たちを統治するというシンプルな制度しかない。

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(3)経済改革

・資本主義システムと制度は、金持ちと権力者がつくったものだ。支えているのも、金持ちと権力者だ。

・社会の目指す方向が、人間の魂のより高位への成長にあるとすれば、現代社会の商業主義的な価値観はおかしい。

・ごくわずかな人びとが世界のお金と資源の大半を支配する時代は終わる。

・天然資源は全人類の共有財産で、全人類が全人類の最高の利益のために活用すべきだ。

・所有という言葉や概念はなくなるだろう。つまり「自分の土地、財産」というような「所有」という考えは、社会からなくなる。

・地球上の人間が、「すべては一体である」という新しい福音を受け入れ、そのように生きれば、生存競争は必要なくなる。

・これからの経済システムは、「透明性」を確保すべきだ。つまり新しい経済システムのキーワードは、「見える」という性質だ。

・富とは所有することではなく、アクセスつまりみんなが利用可能なことだ。

・所得に下限があるように、上限も設けられるだろう。

・経済は地方化するだろう。経済も、コミュニティを基本にして、小さな経済圏を創るべきだ。

・すべてがはっきりと見え、記録をたどることができて、数字を確認できる、オープンな国際通貨制度をつくるべきだ。

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 (4)教育改革

・「教育」のあり方へのアドバイスが次のように書かれている。

①産む人間と育てる人間が同じでなくてもいい。

②知識ではなく智恵を教える。

③霊性を教え育てる。

④シュタイナー教育は教育のあるべき姿を示唆している。

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(5)新しい霊性をもたらすマスターとメッセンジャー

・かつて人類は、現代の地球文明よりももっと高度に進歩した文明(アトランティス)を持っていたが、開発した科学技術をどう扱うべきかを知らなかったために、自滅してしまった。

 技術が人間のコントロール能力を超えて発達すると、その社会は自滅する。

 今や、高度に発達した科学技術は、人間のコントロール能力を超えようとしている。

 人間の「霊性」の復興なしに、このまま技術の発展が続けば、遠からず地球文明は自滅の道を行く危険がある。

 世界は新しい霊性を生み出すために、いまのやり方ではうまくいかないことを認めなければならない。

 古い霊性によって築かれた社会構造がうまくいっていないのなら、新しい神学的な考えや概念、新しい霊的なモデルを適用しなければならない。

・古い考えは、現代社会にはもう役立たないと思うひとたちが増えている。

 たったひとつのドミノが倒れれば、残りのドミノは次つぎに倒れていく。

 最初のドミノになるよう、神は私たちを誘っている。

・マスター(大いなる師)は、自分の人生を通じて、他者が真実の自分を思い出すという課題に仕えるために、現世に戻ってくる。

 意識には、超意識、意識、潜在意識の三つがあり、マスターは超絶意識(三つが一体になった意識)を持っている。

 マスターは色々な所にいる。時にはホームレスやコメディアンの姿をしたマスターもいる。

 マスターがいつ自分の目の前に現れ、 導いてくれるかは分からないので、いつも人との出会いに注意を払っていなければならない。

 真のマスターは、弟子をマスターのレベルに教え育てる者だ。

 自分を「救世主」とか「真の親」とか大げさなことを言う者からは、さっさと逃げなさい。

・メッセンジャーとは、究極の真実、真理を世の中に伝える使命を持った者をいう。

 新しい霊性を必要としている世界には、これからしばらくの間、神の言葉を伝えるたくさんのメッセンジャーが必要とされている。

 メッセンジャーには本人の意志しだいで誰でもなれる。

・HEB(highly evolved being:進化した地球外生命体)は現在、地球上に多数存在していて、黒子に徹して陰で地球人の進化を助けている。

 近い将来、地球人の意識が向上し、HEBを迎え入れる準備が出来たら、彼らは姿を現す。

・『神との対話』に書かれたメッセージを、世界中に伝えなさい。

 インターネット、携帯電話、ファックス、Eメール、自製のビデオやCDなどいままでなかったツールによって、全世界は結ばれている。

 これらのテクノロジーを使って、世界的なコミュニケーションをとりなさい。

 

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(6)地球外生命体(宇宙人)の地球への支援

・進化した地球外生命体(HEB)は現在、地球上に多数存在していて、地球人の進化を助けている。

・HEBは、自由意志の尊重という宇宙のルールを順守し、地球人の進化を助けるのみだ。

・近い将来、地球人の意識が向上し、HEBを迎え入れる準備が出来たら、彼らは姿を現す。

・地球外生命体(宇宙人)すべてが親切で、いつでも地球人を支援するというわけではなく、一部は暴力的な宇宙人もいる。

・HEBの地球支援の方法は、①地球に転生して地球人に宿る ②「純粋な存在の領域」にいる存在による支援 ③HEBの持つアイデアを、地球人の集合的無意識の流れに投げ込む。

 

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(5) 堕落・原罪・地獄

 

┏━あらすじ━━

・キリスト教では、人間始祖のアダム(男)とイヴ(女)が、神から「取って食べてはならない」と言われた善悪を知る木の実を、ヘビの誘惑によって食べるという罪を犯し堕落したため、それ以後の子孫は、生まれながらに原罪を負っている、と説いている。

・霊界には、天国と地獄の場所があり、その中間に、煉獄、リンボーがある。

・『神との対話』では、人間始祖が善悪を知る木の実を食べたということは、人間がその自由意志によって相対的世界の体験を始めた、という神の最初の祝福を表現し、人間始祖の堕落はなく、人間に原罪はない、としている。

・霊的世界には天国のみがあり、場所としての地獄はない。地獄は、低位の魂が自分自身で創り出し、経験するものだ。

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1) アダムとイヴの行為は原罪ではなく、じつは最初の祝福だった

 

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 アダムとイヴはこれは単に、最初の男と最初の女にあなたがたの神話が与えた名だが人類の経験の父と母である。

 アダムの堕落と説明されているものは、じつは向上だった。人類の歴史で最も偉大な出来事だった。

 それがなければ、相対性の世界は存在しなかっただろう。アダムとイヴの行為は原罪ではなく、じつは最初の祝福だったのだ。

 《神との対話1-P80》
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 『旧約聖書』の創世記第3章には、人間の始祖であるアダム(男)とイヴ(女)の失楽園の物語が書かれています。

 それを要約すると、

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 アダムとイヴは、エデンの園で、神から取って食べてはならないと言われた『善悪を知る木の実』を、ヘビの誘惑によって食べてしまうという罪を犯すことによって堕落し、神によってエデンの園(地上天国)から追放された。

 ヘビ(天使を象徴している)は堕落して悪魔となり、堕落したアダムとイヴの子孫 (すなわち全人類)は、神の戒めを破ったという罪すなわち原罪を、生まれながらにして負っている。
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となります。

 キリスト教カトリック教義では、神の創造した宇宙は地上界と霊界から成り、人間は、地上界の人生を通して人格を完成して地上天国を築き、死んだ後、霊界に天上天国を築くように創造されたとなっています。

 ところが、エデンの園における人間始祖の堕落という出来事によって、天国への道は閉ざされたのです。

 人間始祖の堕落により原罪を負った人間が繁殖し、地上界を支配することにより、地上、天上ともに天国の実現が不可能となったのです。

 『神との対話』では、「エデンの園の神話」は、人間始祖の堕落ではなく、神の「最初の祝福」を意味しているといっています。

 魂が宿った人間は、現実世界の人生の中で様々な出来事に遭遇しながら、無数にある神性を体験していきます。

 アダムとイヴで象徴される最初の人間は、相対的な世界(現実世界)で、ゼロから神性の体験を始めたのです。

 聖書にある「善悪を知る木の実を食べた」という出来事は、相対的世界で、人間が善なることと悪なることを自らの自由意志で選択し経験し始めたという、祝福すべき船出を意味しているのです。

 従ってその行為は、神性を体験するという神の創造目的にかなったことであり、決して創造目的を毀損するという堕落を意味してはいないのです。

 人間始祖の堕落はありませんから、キリスト教教義で説かれる、「原罪」や「悪魔」、「地獄」は存在しないのです。

 

(4) 前世・現世・来世と輪廻(りんね)

 

┏━あらすじ━━

・魂は、宿った人間の人生を通じて神性を体験する。

・神性には、無数といえる側面があるが、一生の中で体験できる側面には限りがある。

・魂は、その人間で体験しうる課題が現世で完了すると、身体から離れて(死)、霊的世界(来世)に行く。

・神性の異なる側面を体験したいと魂が意図したとき、再び現世に戻って、別の人間に宿る(輪廻)。

・輪廻転生する場合、転生場所(地球や他の惑星文明)を選択することができる。

・因果応報といった懲罰的な意味合いでの「カルマの輪」はない。

・人生は何度でもある。

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1) 魂の最大の望みは、自分自身のさらに高い側面を経験することだ

 

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 魂の最大の望みは、自分自身のさらに高い側面を経験することだ。

 存在のすべてとの全的な一体化を経験するまで、決して下には向かわず、つねに進化の過程の上へ向かう。存在のすべて、つまりわたしと一体化するまで。

 魂が人間のかたちに戻るとしたら、それは、さらに進化するためだよ。

 ある者は何度も何百回も人生をやり直しながら、上に向かって進化していく。

 もし、輪廻転生がなく、物質的なかたちに戻れなければ、魂はなしとげたいと思うすべてを一生でなしとげなければならない。一生とは、宇宙の時計ではかれば、一瞬のそのまた10億分の1よりも短いのだよ。

 だから、もちろん輪廻転生はある。それが真実であり、目的にかなっており、完璧なのだ。

 《神との対話3-P170》(一部略)
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ニール:わたしは地上ではないべつの場所で生まれ変わることを選べるのですか?

神:そう、その選択肢もある。

  あなたの魂の旅の一環として、 知っているそれ自身のすべての側面を経験するという使命の一環として。まったく同じ理由で、あなたの魂はべつの文明を離れて、地上で身体に宿ったのかもしれないよ。

 《神との対話4-P193》(一部略)
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 魂は、宿った人間の人生(現世)を通じて神性を体験することによって、自己を成長させていきます。

 神性には、無数といえる側面があります。

 魂の宿る人間は、生まれもった個性や能力、生育歴、置かれた環境などの違いにより、人生における生活内容が異なります。さらに1人の人生は、80年間ほどの限られた期間です。したがって、その人生の中で体験できる神性の側面には限りがあります。

 その人間の個体で体験できる全ての内容(課題)が現世で完了すると、魂は身体から離れて(死)、霊的世界(来世)に行きます。

 魂には、現世での全ての体験が記憶されています。

 そして、さらに神性の違う側面を体験したいと魂が希望し意図したときに、再び現世に戻って、別の人間に宿るのです(輪廻)。

 仏教でいう輪廻を、この『神との対話』でも述べています。

 すなわち、魂は人間の個体が死んでから来世(霊的世界)に行きますが、魂に内在する概念としての神性が完全に体験しつくされるまでは、何度も現世に戻って、前の人間とは別の人間に宿り、それを完成するために、また新たな人生を歩むのです。

 これを繰り返すことを、「輪廻」というのです。

 『神との対話』では、輪廻によって物理的(物質的)世界に転生する場合、必要であれば、転生する場所(惑星文明)を変更して選択することができるといっています。

 地球文明に生きていた魂が、地球上ではないべつの場所、つまり宇宙の他の惑星の文明に転生することもできるといっているのです。

 ニール氏は、648回目の人生(現世)を、今、歩んでいます。すなわち、すでに647通りの前世を生きているというのです。

 時間軸を入れて考えてみると、現在生きている現実世界を「現世」、死後の霊的世界(究極の現実)を「来世」、以前に生きた現実世界を「前世」(過去世とも原著ではいっています)というのです。

 前世というのは、人間(魂-精神-身体)が過去に生きた現実世界(すなわち現世)ですから、実質的には「現世」と「来世」、すなわち物質的世界(現実世界)と、霊的世界(究極の現実)の2つの世界のみがあることになります。

 具体的にいうと、魂Xが現世のAという人間に宿り、Aの人生を終えて身体を離れて(死)、霊的世界(来世)に行きます。その魂Xが、再び物質的世界(現世)で生きたいと意図したときに、現世のBという人間に宿って、Bの人生を体験します。

 Bの前世とは、魂Xが過去に宿って生きたAの人生をいうのです。

 魂には、現世および過去世での人生体験が、すべて記憶されています。死後の世界では、魂が希望すれば、過去に宿った人間全ての姿に、いつでもなれると書いてあります。

 すなわち魂Xは、A、B両方の姿を内包しながら、Aの姿にもBの姿にも、希望すればいつでもなれるというのです。それが、〔3人生(3)生と死〕で紹介しました映画『奇跡の輝き』で描かれているのです。

 現世と来世における人生を何度も繰り返して、魂に概念として与えられたすべての神性の側面を、実体験して完了したとき、その魂は神に帰一し、一体化するのです。それがニルヴァーナ(涅槃)というのです。

 神と一体化した後、魂は再び高次の次元で分化します。すなわち、無限にこの分化と帰一が繰り返されるのです。これがいわば神の呼吸であるというのです。

 

 スピリチュアル系の書物には、「並行世界」、「多次元世界」という言葉が出てきます。『神との対話』にも、「代替現実」、「多次元世界」について書かれていますので、参考までにその文章を列記しておきます。

┌《神へ帰る P207》

 あなたは三次元しかない世界で生きていると思っているのかな?誰でもいいから量子物理学者に聞いてごらん。

 あなたは三次元の世界を経験するが、その世界に生きているわけではない。

 「究極の現実」は、あなたが想像できないほど複雑だという意味だよ。目に見える以上のことが進行しているという意味だ。

 いいかね、「すべての」可能性は、同時に存在する。

 あなたは限りない可能性のある多次元の場から、いま経験したいと思う可能性を選択する。そして、いまここで違う選択をする「あなた」も存在する。

└----------

┌《神へ帰る P423》

 前に代替現実の可能性について話したのを覚えているかな?

 あなたが「死んで」、そこから「戻る」というのは、じつは意識的な気づきをべつの代替現実に移行させるだけなのだよ。

 その現実のなかで、あなたはまた「死」の瞬間を経験するが、今度は死なずに生き延びる。「危機一髪」に見えることもあるだろう。驚異的に回復したとか、突然、快方に向かったと見えることもある。「時間の流れ」のなかで「死」の直前に何分間か何週間かが挿入され、それから転轍機が働いて分岐線に誘導されるようなものだね。

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┌《神との対話1-P273》

 無知から抜け出すには―ふたたび知りさえすればいい。

 それが可能になる方法も場所(次元)もたくさんある。

 いま、あなたはその次元のなかのひとつにいる。あなたがたの理解では、三次元と呼ばれているところだ。

 わたしの王国にはたくさんの館があると言わなかったか?

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┌《神との対話2-P99》(一部略)

 あなたは時空のすべてのレベルに同時に存在していることを、もう知ってもいいころだね。

 つまり、あなたの魂は、過去、現在、未来に、終わりのない世界に、つねに存在しているのだよ。

ニール:わたしは、複数の場に同時に「存在」しているんですか?

 もちろん!あなたはすべての場に-すべての時に存在している!

 あなたは聖なる存在で、同じ「時」に複数の経験をすることができる。自己というものを、自分が選んだだけの数の「自己」に分割することができる。あなたは「同じ生」を何度もくり返して、べつのやり方で生きることができる。それは、いま説明したとおりだ。それに、時空のなかで異なる「時」に、異なる「生」を生きることもできる。だから、いま、ここにいるあなたでありながら、ほかの「時」、ほかの「場」で、ほかの、「自己」になることができるし、実際にそうしてきたんだよ。

└----------
 

2) 「因果(カルマ)の輪」などは存在しない

 

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 「因果(カルマ)の輪」などは、存在しない。(あなたがたは*筆者注)過去の行動に対して代償を支払い、これ以上の債務を負わないようにがんばらなければならないと考えている。

 それが、あなたがたの言う「因果の輪」だ。

 わたしが説明した経験、「宇宙の車輪」と呼ぶものには、価値のないものなどなく、債務の償いもなく、懲罰も、「浄化」もない。

 《神との対話3-P78》(一部略)
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 『神との対話』には、「カルマ」について書かれています。

 カルマ(Karman、業)とはインド宗教用語で、もともとは「行為そのもの」を意味しています。

 それが歴史の変遷とともに、「前世における行為の結果として現在における幸不幸があり、現世における行為の結果として来世における幸不幸が生じる」という「因果応報」の意味に解釈されるようになったのです。

 『神との対話』では、現世と来世の生を繰り返す「輪廻りんね」を説いていますが、因果応報といった懲罰的な意味合いでの「カルマの輪」はないといっています。

 神性には無数の側面がありますが、一生の中で体験できる側面には限りがあります。それを「輪廻」というプロセス(宇宙の車輪)によって、無数に体験できるのです。

 全ての神性を体験するには、Aプラスという体験もAマイナスという体験も、どちらも必要であり、Aプラスの体験の因果応報によって、Aマイナスの体験があるわけではないと、『神との対話』ではいっているのです。

 

3) 人生は何度でもある

 

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 人生はめちゃくちゃだ、もうだめだと思ったら、考えなおしなさい。

 やり直したいと思うのなら、人生は何度でもあるから。

 《神との対話1-P127》
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 同じ状況や環境を何度も何度も、新たな自分自身を創造するまでくり返し呼び寄せている。

 《神とひとつになることP194》(一部略)
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 「人生は何度でもやり直せる」と、『神との対話』ではいっています。

 そのフレーズを、2つの意味合いで説明しています。

 1つは、巨視的に見たもので、「輪廻」という概念に結びつきます。

 もう1つは、同一の人生の中で、やり直せるチャンスは再びおとずれるという、微視的なものです。

 人生の中で、失敗した、 あるいは本当の自分を表現できなかったと思っている状況と同じようなシチュエイションが、いつかまた必ず出現します。

 その時、自分の思い描く最高のヴィジョン、最大のヴァージョンの自分を表現し、それを乗り越え、より高次の人間に成長して行くのです。

 このようにして人間は、1つの生涯あるいは複数の生涯をかけて、抱いた人生の課題を完了させていくのです。