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生命の教育研究所

生命を大切にして 人として生きるとは どういうことなのか
このことは 教育によって 伝えることができると 思います

各学校の教育目標を立てるとき

今は 多くの学校で

自己肯定感を高める とか

失敗を成長の糧とする

とかが 必要だろうと 思います

 

たとえば 宿題は

自己肯定感を高めることに

効果があるのか ないのか

 

ここで 宿題が

必要か必要でないかを 考え始めますと

「二択の思い込み」におちいって

どちらかが 正解だと錯覚します

 

そうでは ありません

どんなときにどのような宿題が

自己肯定感を高めることになるのか

ということを 考えるのです

 

その効果が認められないなら

その宿題を なくしても

かまわないと 私は思います

 

また 定期考査は どうでしょう

得点が低いのは

理解できていないところが

多いということだから

そこを もう一度見直そう

というので あれば

失敗を糧とすることができ

成長することができれば

自己肯定感も高まるでしょう

 

けれども 現実は

再チャレンジする考査が あるわけでもなく

見直しても見直さなくても

状況は とくに変わりません

 

その後の 授業に

ついていけないのも 同じです

 

というのであれば

定期考査の低得点は

やっぱり 私はダメなんだ

ということを 確認させるだけのことで

自己肯定感を 下げる効果がある

ということに なります

 

通信簿等の評価も そうです

その評価のしかた 通知のしかたは

生徒のために なっているのでしょうか

 

絶対評価に なっているのに

他人との比較に なっていないでしょうか

 

なにより 生徒自身が

他人との比較による

劣等感や優越感を得るのではなく

自分の成長を実感できるように

なっているのでしょうか

 

また

服装頭髪検査は どうでしょうか

ルールだからと ただ守らせることが

自己肯定感を 高めることに

なるのでしょうか

 

私は 定時制高校に勤務していました

そこには 30代 40代

ときには60代の生徒が いました

 

化粧やピアスや染髪は禁止

などという 校則はありません

もちろん それは

中学を卒業したばかりの

新入生にも適用されます

 

いわゆる 頭髪服装に関する

多くの学校における

生徒指導の わずらわしさは

ありませんでした

 

ふつう 頭髪服装指導をすると

反発する生徒が でてきます

それを さらに コントロールしようと

先生は 叱ります

 

そこで 生徒との信頼関係が

生まれるとは 思われません

 

服装頭髪指導を しなければ

先生は 生徒に

やさしく話しかけることが できます

 

染髪することが

今の時代 これからの時代を

生きる生徒にとって

どのような意味となるのか

というようなことを 問うことができるのです

 

そのうえで 染髪するかしないかは

生徒の判断になります

 

金髪で 学校に来ていたのに

アルバイトを始めたら

黒髪に染めていた

ということは 普通にあります

 

化粧や染髪をしないと

学校に来られない生徒も います

 

それは ギリギリのところで

頑張っている 生徒だったりするのです

 

生徒自身の人生です

生徒の成長のために

先生は どのようなサポートが

できるでしょうか

 

ルールだからと 理由もなく

守らせることが

生徒の自己肯定感を高め

幸せな人生をおくることに

なるのでしょうか

 

私は 別に

頭髪服装検査を なくせ

といっているわけでは ありません

 

各学校において 教育目標に照らして

その教育活動に

どのような効果があるのかを

考えなくては ならない

と 思っているのです

 

時代の価値観は 変化します

アンラーニング(価値観の再構築)が

必要です

 

今までこうしてきたから

という思考停止は 避けたいところです

 

どのように 生徒をサポートするか

卒業時に 生徒は どう成長しているのか

そのとき 生徒や先生は 何を感じるのか

 

校長は 自分の言葉で

夢を熱く語らなくては なりません

ズルいことをしたり

他人を傷つけたりして

目的を達成させるひとは

 

あいつは目的達成のためには

手段を選ばないヤツだ

 

と言われたりします

 

誉め言葉では ありません

 

どうして目的を達成したのに

誉められないのでしょうか

 

それは

ズルいことをしない とか

他人を傷つけない

ということが 暗黙の了解だからです

 

けれども

文化がことなれば

暗黙の了解などというものは

存在しません

 

ですから

目的達成のために

このような手段を もちいてはいけない

ということを 事前に

納得させておくべきなのです

 

別の言い方をしますと

目的に ズルいことをしない

他人を傷つけない

ということを あげておくべきなのです

 

目的を チームメンバーが各自で

勝手な解釈を しては いけないのです

 

勝手な解釈ができないような

目的にするのです

 

 

たとえば

進学校で 東大合格者を増やす

というような

目標を立てたと します

 

3年間で 合格させるための

戦略や手段を 考えなければ なりません

 

そうなると

時間がもったいないから

数学の問題集は 解くな

という指導が よいでしょう

 

じつは

東大合格者の 多くは

数学の問題集を 解いていません

 

数学の問題集の 問題を読んで

解く方針を 考えます

で 解かずに

解答を見て確認するのです

 

方針が思いつかない難問なら

すぐに 解答を見ます

 

そうして

解き方のパターンを

記憶していくのです

 

近年の入試問題に対応できるかどうかは

わかりませんが

これまでは そのやり方で 効率よく

東大入試に対応できたのです

 

それは 勉強ではない

というのであれば

目標に そういうことを

組み込むほうが よいでしょう

 

 

時間は 無限にあるわけでは ありません

 

高等学校であるなら

3年間で 生徒の成長をどう支援するか

 

そういうことを考慮して

目標を立てるのです

 

 

伝統のある 学校であれば

地域社会の期待が あります

 

地域社会の支援を得るためには

その地域の期待も

目標作成に 織り込まなくては

ならないことも あるでしょう

 

教育目標は

学校ごとに ことなるものです

 

その目標に照らし合わせて

授業をどうするか

生徒指導をどうするか

学校行事をどうするか

ということが 話し合えるようになるのです

学校教育の目的として

つまり 北極星として

リーダーである校長も

教員も生徒も保護者も社会も

納得すべきことは

 

その学校を卒業した生徒が

自由に生きていける

 

ということでしょうが

すぐには 納得されないと思われます

 

もうすこし わかりやすくすると

自分らしく生きていける

ということに なります

 

けれども

この 自分らしく ということも

どういうことなのかを

徹底して 考えなくてはなりません

 

本校は 自分らしく生きていけるよう

教育を しています

というのは

本校の校訓は 自主自律です

というようなものです

 

まぁ 北極星としては

自主自律よりは よいように思いますが

 

 

各学校の教育の目的を

リーダーである校長が

情熱をもって 語ることができれば

よいのですが 現実的には

なかなか むずかしいと思います

 

目的地が わからないのに

歩き始めても 道に迷うだけですが

学校は 企業ではありません

 

今まで 教育の目的を 明確にせずとも

ほとんどのひとが 疑問にも 思わず

今日まで きました

 

ですから

北極星は 漠然としたものでも

しばらくは かまわないと思います

 

では

リーダーである校長が

語らなくては ならない

夢とは なにか

 

それは

目的である北極星ではなく

そこに到達する途中にある

目標やマイルストーンです

 

卒業時に 生徒が どうなっているのか

ということについて

校長は 夢を語り

職員も生徒も保護者も そのことを理解し

実施する授業や行事等すべてを

その目標に照らし合わせて

改善していくのです

 

校長が語る夢は だれもがありありと

思い浮かべることのできるもの

でなければ なりません

つまり ビジョンです

 

生徒は その学校で 学べば

卒業時には 自分はどうなっているのかを

思い描くことができ

先生は その教育をすれば

生徒が成長し 先生自身も成長できる

つまり

生徒も先生も

自分らしく生きることができる ようになると

心から納得できること

 

そうなれば

保護者や地域社会は 今以上に

学校の教育を 支援してくれる

 

卒業時には 生徒も先生も

保護者も地域社会も

みんなが 笑顔になっている

 

生徒は この学校で学べてよかった

と思い

先生は この学校で教育に携われてよかった

と思い

保護者や地域社会は この学校が

ここにあることを 誇りに思う

 

毎日 学校には笑顔があふれ

生徒も先生も 月曜日が待ち遠しくなる

 

夏休み等 長期休業明けは

成長した先生 成長した生徒が

笑顔で あつまってくる

 

 

こんなのは

夢物語でしょうか

 

そうです 夢物語です

 

夢を 実現するために努力すること

 

ひとは そうして成長するのだと

思います

 

リーダーである校長が 夢を追いかけずして

職員や生徒に

夢を追いかけて成長していくことを

示すことが できるでしょうか

 

リーダーである校長は

決して冷めない 情熱をもって

夢を語らなくては ならないのです