リーマンブラザーズの破綻で急落し、そのあおりを食った日本経済。
その一方で、野村証券のリーマンブラザーズのアジア、中東、欧州部門の
買収劇(中東、欧州は調整中だが)、三菱UFJのモルガン9000億円の出資による
筆頭株主へ躍り出る形となる。
他にも三井住友とゴールドマンサックスはいろいろな経緯から、
かなり親密な関係であったりする。
今回の件で、アメリカ主導の金融システムにほころびが見え始めたことは事実。
そうしたなかで、グローバル化にやや遅れ気味の日系金融企業が
その融合を足がかりに、次なる展開に働きかけようとする動きがうかがえる。
今回のことはいろいろな学びになるだろうが、
組織や人という切り口でもおもしろい。
ひとつは人と企業(システム)と所有者が明確に分かれてきていること。
会社が倒れても、残っても能力や魅力的なキャリアのある人間はびくともしない。
すぐれたノウハウやシステムを所有している企業は、誰かが欲し、再生する。
昔からの経営者と所有者と社員が一蓮托生という形は見当たらない。
当然、これがすべての企業に当てはまるわけではないが、
そうした企業が日本にも生まれてきていることは事実。
こうした出来事をきっかけに、今後、更なる人材交流が進み、
外資系のノウハウや考え方、文化が
良くも悪くも日本の経営やマネジメントに影響を与えるだろう。
意外と楽しみな未来かもしれない。