相続した実家、兄弟4人で持ち分共有のまま…
それ、すでに「競売リスク」が始まっています

「兄弟で揉めてはいないけど、話が進まない」
「一人だけ連絡が取れない」
「売るかどうか、誰も決断できていない」
相続不動産のご相談で、私たちが最も多く耳にする言葉です。
そして、正直にお伝えすると——この「膠着状態」が一番危険です。
なぜなら、共有不動産は何もしない時間が長いほど、選択肢が消え、資産価値が毀損していくからです。
今回は、実際に私たちが解決した事例を元に、
「なぜ弁護士だけでも解決できなかったのか」
「どうやって競売を回避したのか」、
その舞台裏を公開します。
3年間、誰も使わなかった鎌倉の実家
以前、神奈川県鎌倉市にある旧家についてご相談を受けました。
敷地は100坪超。市場評価はおよそ約1億5,000万円。
誰が見ても素晴らしい資産ですが、3年間放置され、老朽化が進んでいました。
相続人は4人兄弟。権利は4分の1ずつ。
決して仲が悪いわけではありませんでしたが、「状況」が複雑でした。
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長男: 「本家を守る」と売却拒否(だが買い取る金はない)
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三男: 長男に従うのみ
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長女: 子供の学費のため、早期の現金化を希望
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次男: 数年前から音信不通(どこに住んでいるかも不明)
一見すると「よくある相続の話」です。
しかし、この時点ですでに「数千万円の損失リスク」が静かに進行していました。
「裁判をすれば何とかなる」という誤解
共有不動産の相談で、よく聞く言葉があります。
「最終的には裁判をすれば、裁判所がうまく分けてくれるんですよね?」
残念ですが、現実はそう簡単ではありません。
裁判所が共有不動産を分ける際、
法律(民法258条)上、検討できる方法には明確な順序があります。
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現物分割: 土地を物理的に分ける(建物があるため不可)
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代償分割: 誰かが他の共有者分を現金を払って買い取る(長男に1億円の資力がないため不可)
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換価分割: 競売にかけて、安くなった現金を分ける
この鎌倉のケースでは、1と2が物理的・経済的に不可能なため、
裁判になった瞬間、「競売」以外の選択肢が消える構造だったのです。
同じ不動産でも、選択一つで「1,500万円以上」の差が出る
では、数字で見るとどうなるのか。
シミュレーションをご覧ください。
【A:裁判になり、競売で処分された場合】
市場価格の6〜7割までおそらく下落します。
一人あたりの手取り:約2,000万円前後
【B:全員で協力して、市場価格で売却した場合】
適正な相場で売却できます。一人あたりの手取り:約3,500万円以上
その差額は、一人あたり約1,500万円以上です。
これは「運」の差ではありません。「競売を回避できたかどうか」、
ただそれだけの差です。
なぜ、弁護士だけでは止まってしまったのか
この案件には、当初、優秀な弁護士の先生がついていました。
先生はもう一人状況が行き詰った場合に相談する相手がいます、
この案件を共同で最後まで担当したのが、当社の担当 佐藤 さんです。
佐藤さんは、法律家ではありません。不動産の専門家です。
共有不動産や相続案件で「話が止まってしまった現場」に、何度も立ち会ってきました。
弁護士の先生からこの案件を引き継いだ際、佐藤さんが最初に言った言葉は、こうでした。
「法律は先生がご対応したのならもう十二分に理解し検討されています。
問題は“制度”ではなく、“人”ですね」
誰が悪いのか、誰が正しいのか。
その議論を始めた瞬間、この案件は確実に競売へ近づく。
佐藤はそう判断しました。
2023年の法改正で新設された「所在等不明共有者の持分譲渡(民法262条の3)」という、行方不明者がいても売却できる新制度の利用を検討したのです。
しかし、そこには実務上の高い壁がありました。
「供託金」です。
この制度を使うには、申立人(長女)が、不明者(次男)の持分相当額である「約3,500万円前後」の現金を、
事前に裁判所へ預け入れなければなりません。
「お金が必要だから売りたい」のに、
「売るために数千万円を用意しろ」というのは、現実的に不可能です。
ここで、法的手続きはストップしてしまいました。
「法律の正解」が、必ずしも「現実の解決策」ではない——これが共有不動産の難しさです。
誤解しないでいただきたいのですが、
これは弁護士さんの能力の問題では全くありません。
法律には制度があります。ただし、その多くは
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数千万円単位の供託金が必要だったり
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住所は分かっても本人が動かなかったり
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書面では恐怖心が先に立ってしまったり
「理屈としては正しいが、現実では動かない」という壁が存在します。
共有不動産では、法律と現場のあいだに大きな隙間があるのです。
行方不明だった共有者を、どうやって見つけたか
そこで、私たち仲介業者の出番となりました。
机上の書類ではなく、「現場の痕跡」と「実務ルート」を使った調査です。
アパートの管理会社は当然個人情報保護法で口を閉ざしますが、
「元勤務先」は違います。
企業には退職者へ源泉徴収票を送る法的義務があるため、人事部は「住民票上の住所」ではなく「実際に住んでいる最新の住所」をおそらく把握しているはずです。
私たちは弁護士と連携し、正当な法的手続き(23条照会)を用いて、
次男の居場所(静岡県)を特定しました。
しかし、住所が分かっても、弁護士からの手紙は無視され続けました。
「借金の督促か」「親族の争いか」と警戒されていたのです。
だからこそ、私が直接現地へ赴きました。
インターホン越しに伝えたのは、難しい法律用語ではありません。
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「トラブルの話ではありません」
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「あなたに必要な相続により兄弟平等に資産を受け継ぐ手続きです」
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「もし個人的なご事情により他の兄弟と顔を合わせる必要はありません」
恐怖を「安心」へ、リスクを「メリット」へ翻訳して伝える。
その結果、固く閉ざされていたドアが開き、合意を得ることができました。
佐藤さんが、書類より先に「足」を使った理由
次男の居場所が静岡県だと判明した後も、問題は解決していませんでした。
弁護士からの通知には、一切の反応がなかったからです。
「怖くて開けていない可能性が高いですね」
そう弁護士に伝えたのは、佐藤さんでした。
過去の経験から、佐藤さんは知っていました。
音信不通の共有者の多くは、
・争いに巻き込まれるのが怖い
・責められると思っている
・何が起きているのか理解できないからめんどくさい
・自分が“悪者”にされると感じている
・いつまでも当事者として理解できない
だからこそ、書面や法律用語は、時に逆効果になります。
佐藤は一人で静岡へ向かいました。
アポもなく、強制でもありません。
インターホン越しに、佐藤が最初に伝えた言葉は、こうです。
「責める話ではありません。
あなたの相続分を、きちんと受け取ってもらうための話です」
「全く難しい話ではありません、私が理解して頂けるまでわかるようにご説明させて頂きます。」
もちろん難しい説明は一切しませんでした。
争点も、責任論も持ち出しませんでした。
「顔を合わせなくても手続きできます」
「嫌なら途中でやめても構いません」
そう伝えたとき、長く閉ざされていた扉が、静かに開きました。
「全員を集めない」という判断
次男の同意が得られたあとも、佐藤さんは慎重でした。
兄弟4人を一堂に集めれば、感情が再燃する。
その一瞬の衝突で、すべてが白紙になる可能性があるからです。
そこで佐藤が選んだのが、持ち回り契約でした。
佐藤自身が契約書を持ち、
それぞれの自宅を一軒ずつ回り、
必要な説明だけを、淡々と、丁寧に行う。
誰も責めず、誰の味方もしない。
ただ「全員が一番損をしない形」だけを共有する。
時間も手間もかかる方法です。
しかし、佐藤さんは迷いませんでした。
「この案件は、効率よりも“無事に終わること”が大事ですから」
結果として、競売は回避できました
最終的に、兄弟全員を一堂に集めることはせず、佐藤さんが契約書を持って各家を回る「持ち回り契約」を行いました。
これにより、顔を合わせることなく、不動産は市場価格で売却され、全員が公平な現金を受け取りました。
特別な裏技を使ったわけではありません。
「法律の限界」を「現場の調査力」で補い、競売になる前に手を打っただけです。
「もっと簡単に売却できる方法」は本当にあるのか(現実整理)
結論から言えば、「誰でも・すぐに・安く」解決できる魔法の方法はありません。
ただし、選択肢を正しく知り、順番を間違えなければ、競売を回避できる可能性は十分にあります。
ここで、実務で実際に使われる方法を整理します。
共有持分不動産|売却方法の比較一覧
共有持分不動産|売却方法の比較一覧
【方法】全員合意での通常売却
・進めやすさ:◎
・費用負担:低
・時間:短
・売却価格:市場価格
・現実性:★★★★★
【方法】直接交渉による合意形成
・進めやすさ:○
・費用負担:低
・時間:中
・売却価格:市場価格
・現実性:★★★★☆
【方法】不在者財産管理人選任
・進めやすさ:△
・費用負担:中
・時間:中〜長
・売却価格:市場価格
・現実性:★★★☆☆
【方法】所在等不明共有者持分譲渡(民法262条の3)
・進めやすさ:×
・費用負担:非常に高(供託金)
・時間:長
・売却価格:市場価格
・現実性:★★☆☆☆
【方法】共有持分のみ第三者売却
・進めやすさ:○
・費用負担:低
・時間:短
・売却価格:大幅減額
・現実性:★★☆☆☆
【方法】競売
・進めやすさ:◎(強制)
・費用負担:なし
・時間:長
・売却価格:大幅減額
・現実性:★☆☆☆☆
※「進めやすさ」は申立人(売却を進めたい側)から見た実務上の難易度です。
※「現実性」は一般的な相続・共有トラブルにおいて、実際に選択されやすいかを基準にしています。
なぜ現場対応が最優先になるのか
法律制度は、合意が取れなかった場合の最終手段として設計されています。
一方で、共有不動産の多くは、
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感情の行き違い
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誤解や不安
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連絡を避けているだけ
という理由で止まっています。
この段階で裁判に進むと、選択肢は一気に「競売寄り」になります。
だからこそ、「法律を使う前に、人を動かす」。
この順番が極めて重要なのです。
ケース別|最適な進め方フロー
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STEP1|現状把握
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(共有者は誰か/連絡不能者は何人か/売却に反対しているのはか)
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STEP2|直接アプローチ
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(書面だけでなく、電話・対話を試みる/「責める」ではなく「起きる事実」を共有/競売になった場合の数字を提示)
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STEP3|合意形成の可否判断
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(合意の可能性あり → 通常売却へ / 合意困難 → 次の手段へ)
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STEP4|法的手段の検討
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(不在者財産管理人の選任/持分売却による出口確保/条件が整えば262条の3検討)
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STEP5|最終局面
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(調整が失敗 → 競売 / 調整成功 → 市場売却)
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重要な事実
競売になる案件の多くは、「最初から競売しかなかった」わけではありません。
「相談が遅れた」「誤った制度に期待した」「誰にも全体像を整理してもらえなかった」。
この積み重ねの結果、競売という出口しか残らなくなるのです。
担当者・佐藤さんが大切にしていること
佐藤さんは、よくこう言います。
「不動産は、法律の問題である前に、人の問題です」
「困っている人がいるのなら、困っている人を助ける仕事が大好きです」
「ありがとう」 を直接頂けることが仕事をする理由です。
誰かが悪いわけではない。
ただ、誰も全体像を整理してくれる人がいなかっただけ。
感情と数字、法律と現場。
その“間”に立って、翻訳する役割が必要なのです。
私たちは、
・無理に売却を勧めません
・裁判を煽りません
・都合の悪い数字も隠しません
その代わり、
「このまま進んだらどうなるか」を、正直にお伝えします。
佐藤が担当する案件の多くが、
「もっと早く相談すればよかった」
「もっと高く売れると言われたから一度は他にも相談したけど、
最後はあなたに任せて良かった。」
という言葉で終わる理由です。
最後に
共有不動産は、「揉めてから」では遅いことが多々あります。
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話が止まっている
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誰かと連絡が取れない
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裁判をすべきか迷っている
もし今、少しでも当てはまるなら、一度状況を整理してみてください。
「売る」と決めていなくても構いません。
「このまま進むと競売になるのか、回避できるのか」。
それを知るだけでも、数千万円の資産を守ることに繋がります。
身内の関係がこじれる前に余裕を持った準備が必要なのです、
お金という魔物に取りつかれる前にご相談ください。
【無料相談窓口】共有不動産の個別相談 (相続・離婚 その他)
無理に売却を勧めることは一切ありません。
法的・実務的観点から、あなたの物件の「現在地」を診断します。
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競売リスクの有無判定
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連絡の取れない共有者の調査可否
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手残り金額のシミュレーション
状況を伺ったうえで、正直に、数字でお伝えします。秘密は厳守します。
▶ [ご相談はこちらから]
なるべく詳しく情報を頂けましたら回答が早いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. まだ兄弟と揉めているわけではないのですが、相談してもいいですか?
A. もちろんです。むしろ「揉める前」が解決の黄金期です。
一度感情的な対立(裁判など)が始まると、今回ご紹介したような「協力して高く売る」という選択肢が取れなくなることが多いです。「将来どうすべきか」という段階でのご相談が、最も資産を守れます。
Q2. 調査や弁護士への依頼費用が高そうで不安です。
A. 原則、相談は無料です。売却時の仲介手数料で調整可能です。
私たちは不動産仲介会社ですので、成功報酬(売却成立時の仲介手数料)がベースとなります。調査費用や連携する弁護士費用が発生する場合も、事前に「売却代金から精算する(持ち出し0円)」スキームをご提案できるケースがほとんどです。
Q3. 共有者がどこにいるか全く分かりません。それでも依頼できますか?
A. はい、それが私たちの専門分野です。
住民票等の公的調査だけでなく、今回のように「現場の痕跡」や「法的な照会ルート」を組み合わせ、所在を特定した実績が多数ございます。諦める前に一度詳細をお聞かせください。
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