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測定器の針 振り切れる【2】

(引用続き)

測定器の針 振り切れる

信じられない数値 思わず「怖い」


ジャーナリスト 豊田 直巳(とよだ・なおみ) 56年生まれ。イラク戦争、劣化ウラン弾問題などを取材。著書に「戦争を止めたいーフォトジャーナリストの見る世界」など




放射能汚染地帯の取材経験が一行の中で最も多い広河さんも信じられない様子。「これから子どもをつくろうと思っている人は、車から降りない方がいいかもしれない」と真顔で言った。

放射能は風向きや地形によっても異なる。もう少し調べようと海岸に向かったが、病院から数百㍍行った所で津波に運ばれたがれきと地震で陥没した道路に行く手を阻まれた。放射能汚染に気を取られ、しばし忘れていたが、紛れもなくここは巨大地震と大津波の被災地でもあった。

その被災地を五感では感知できない放射能が襲っている。

慌ただしく町中の取材を終え、汚染地帯を脱しようと急いで帰る途中、町方向に向かう軽トラックに出合う。車を止めて汚染状況を説明すると「避難所にいるんですが、牛を飼っているので餌やりに行かないと。だめですか」。私に許可を求めるような困った表情で年配の女性が間いてきた。「長い時間はこの辺にいない方がいいですよ。気を付けてください」。そうお願いするしかなかった。

町内の道路をまたぐアーチには「原子力 郷土の発展 豊かな未来」との標語が掲げられていた。しかし、現実には未来を奪いかねない放射能の脅威に町はさらされていた。


                    (引用終わり)