プロローグ ─── 元ブッシュ財団フェローによる記事です。
執筆者：ゲイリー・G・コールズ医学博士について
元ブッシュ財団フェロー。ミネソタ州ダルースのかかりつけ医を引退。ファシズム、コーポラティズム、軍国主義、人種差別、飢餓、ビッグファーマとビッグワクチンのアジェンダなど、幅広い話題を代替メディアに提供している。
ブッシュ王朝
［Global Research］2018年12月5日 ゲイリー・G・コールズ医学博士
忘れてはならない歴史
1980年から1992年、私は平和、反戦、反アメリカ帝国主義の運動を行っていました。レーガン政権とブッシュ政権が最も恐しかった期間、アメリカは中南米のあらゆる国々で、数百万人に死と苦難をもたらしました。
左ジョージ・HW・ブッシュ、右ロナルド・W・レーガン。Wikipedia
卑劣な戦争屋である我が国のリーダーによって、多くの無実の人々がしばしば失踪し、戦争難民になり、飢え、そして死んでいったことを私は忘れません。謝罪すらしない戦争屋が死んだからといって、私は泣く気にはなれません。
彼らはウォール・ストリートのメンバーであり、何百万人の残忍な虐殺、暗殺、拷問、大量殺戮、飢餓、貧困に責任があります。平和に暮らしたかったであろう中南米の国々は、私がかつて愛した国によって搾取されています。
経済的、軍事的な残虐行為を行ってきたアメリカの歴史を私たちが忘れてしまったら、あるいは、現在の大統領のようにそもそも歴史を学んでいなかったら、私たちの国民と政治家は次の問題を理解できないでしょう。
1．ウォール街と戦争屋による世界の搾取
2．大企業が引き起こした地球温暖化
3．ウォール・ストリートが引き起こした経済格差・抑圧・難民
4．レーガン政権とブッシュ政権が始めた終わりのない戦争
5．核兵器、従来兵器による巨額の負債
読者の多くは、亡くなった第41代アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュへの果てしない称賛に飽き飽きしたことでしょう。私は耐えられずに5日間もテレビとラジオを消していました。
起草もせず、提案もせず、関わってもいない1990年のアメリカ障害者法にブッシュが署名したことまで賞賛していました。これは正しくありません。特に平和、戦争犯罪、戦争詐欺については、法に基づいて評価すべきです。
国家のリーダーが、戦争屋、嘘つき、反社会、ナルシスト、誇大妄想、強欲、裏切り者だったなら、むしろ軽蔑されるべきではないのでしょうか？
リンドン・ジョンソン、リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガンなど好戦的な大統領が賞賛されるのは、私にはゾッとします。死を悼む前に、戦争を企てた人々がなぜ悔い改めないのかを熟考すべきだと私は知っています。
もしも、1934年のビジネス・プロット（クーデター）の背後にいた悪党たちのことを知っていたなら、私はフランクリン・デラノ・ルーズベルトを追悼しなかったでしょう。
ブッシュ王朝と負の遺産
クーデターを企てた一人は、プレスコット・シェルダン・ブッシュです。ジョージ・HW・ブッシュの父であり、ジョージ・W・ブッシュの祖父である銀行家です。子孫たちは、プレスコットの反逆行為を自慢していました。
クーデターを企てたとき、プレスコットは、ドイツとアメリカのヒトラー支持者が共同所有するハンブルク・アメリカライン（航空会社）、1933年のアドルフ・ヒトラーの首相選挙にも関与しています。
プレスコットは、クーデター・グループとヒトラー政権の連絡係になる予定でしたが、共和党ハーバート・クラーク・フーヴァー大統領を再選させるには、民主党フランクリン・デラノ・ルーズベルトを敗北させる必要がありました。
実際、1940年の選挙キャンペーンにナチスが多額の資金を提供しています。プレスコット自身は、コネチカット州の上院議員になり、息子ジョージ・HW・ブッシュは太平洋戦争で英雄になっています。
詳しくは、『ブッシュ王朝、背後の巨大権力とアメリカへの影響』（ラス・ベイカー著、2008年）をご覧ください。
ジョージ・HW・ブッシュの隠された負の遺産
1．ジェラルド・フォード政権時代にCIA長官として行った数々の悪行。
2．レーガン政権時代に中南米の独裁政権に行った数々の支援。
3．コントラ事件から、ブッシュとCIAによりアメリカにクラック・コカインが蔓延、現在も流行。
4．イラン・コントラ事件に関与した元国防大臣キャスパー・W・ワインバーガー、エリオット・アブラムズ、他4人の高官を赦免。
5．パナマ侵攻（不正な理由、違法行為）。
6．デュカキス選挙でウィリー・ホートンを使った詐欺行為。
7．1990年の公民権法に対し拒否権を発動。
8．不必要なペルシャ湾岸戦争を開始。
9．1991年、イラクのハイウェイで数千人殺害への共犯。
10．バグダッドの防空壕を標的にし、400人以上のイラクの民間人を殺害。
11．クラレンス・トーマスを最高裁判所への任命。
12．その他の悪質な行為。
・ブラックイーグル作戦
・オリバー・ノース
・エルサルバドル
・ニカラグア
・ホンジュラス
・フェリックス・ロドリゲス
13．ブッシュが認めた少なくとも8人の若い女性に対するセクハラ行為。
イラン・コントラ事件
レーガン政権の副大統領時代に行った違法行為。議会に禁止されていたにも関わらず、イランにアメリカのミサイルを売り、そのお金をニカラグア、ホンジュラスなどの反政府勢力コントラに提供。
エクソン原油流出事故
民主党が圧倒的多数を占めていたときに発生した事故。巨大石油企業を所有するブッシュは、エクソンを不当に罰っしようとしたが、失敗。
パナマのノリエガを拘束
パナマの軍事独裁者マヌエル・ノリエガは、CIAの諜報員で、ブッシュがCIA長官だった時代の情報提供者。ブッシュはノリエガをアメリカの刑務所に投獄し、ただ沈黙した。作戦名は「Operation Just Cause（ただそうなった作戦）」。
エピローグ ─── 一つひとつの事件を調べてみると、日本でも似たような出来事が起こっています。
「ブッシュ王朝（2）パナマ、そして、クーデター」へつづく・・・。