前回の更新から3ヶ月も間があいた。当時中学~高校生だった自分も、今では妻のいる会社員となってしまっているものだから、キーボードに向かって逡巡している時間があまり無い。

 

月美 左雨之(つきみそうし、と読む)さんの運営する「FF9緊急対策本部」で、僕はチャットに入り浸っていた。そこでの会話が何よりも楽しくて他の遊びが目に入らない程だった。そんな中、そのチャットで多くの知り合いが出来た。その中の一人に健二君という男の子がいた。彼は自分より1個か2個年下で、恐らく当時13,4歳だっただろうか。とにかく活発な印象だった。

 

そんな彼が同じくFF9の攻略サイトを立ち上げた、とある日チャットで言うのだった。URLを貼られるがままに導かれ、そのサイトを閲覧した。確かビルダーで構成されていたそのサイトには、トップページにチャットが設置されていた。その時はそのチャットに参加するでもなく、儀礼的に掲示板に挨拶の書き込みをしつつFF9緊急対策本部のチャットへ戻っていた。

 

しかしある日、たまたま健二君のサイトを見た時、チャットが荒らしのような人物のログで埋まっているのを確認した。「あらら」と思いながら、特に何の意味もなく自分も入室することにした。荒らしに関わるのはあまり良い事ではなかったけれども、うっすら触ってみたくなってしまったのだ。

 

その時何となくいつも使っていたハンドルネームを使うのは気が引けて、思いつきでハンドルネームをでっちあげた。「D」から始まる2文字。まさかこの時は、ここから4,5年使うハンドルネームになるとは思わなかった。

 

それ以降、たまに僕は健二君のサイトでもチャットをするようになった。そこでもまた知り合いがたくさん出来た。そして、ここでまたここから数年続く人間関係のキーマンに出会う。

 

それがX-coveryのマスター、牙さんだ。

 

つづく。

 

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余談だけれども、「FF9緊急対策本部」で検索すると当時を思い返してる人のブログなんかがひっかかったりする。やはりあそこのサイトは特別楽しかったように思う。

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中学生だった自分は友達の家でインターネットというものに触れて以来、HTMLをいじっているか、自分のパソコンでゲームの攻略サイトばかり見ていた。攻略サイトではもちろん攻略記事も読んでいたけれども、掲示板が何より好きだった。「自分と同じゲームを好きな人がこんなにいて、しかもお話ができるなんて!」と、感動なんて言葉では到底言い表すことのできないレベルで衝撃を受けていた。

 

最初は「サガフロンティア2を語ろう!」というサイトをひどく気にいって、毎日毎日訪れていた。パステル調の緑色の背景はいまだに印象に残っている。ただ、そこではあまり掲示板でのコミュニケーションというのは取ることはしなかった。たまにゲームで詰まったところの質問をして、やたら丁寧にお礼をしたりとかそういったレベルだった。

 

その少しあと、FF9が発売された。「原点回帰」をテーマに、純ファンタジー風の世界観で展開されるゲームだ。余談にはなるけど、ぶっちゃけこの原点回帰は当時も今もしっくり来ていない。ジタンとガーネットの二人のキャラがもうFFっぽくない。スタイナーの鎧を着た剣士のデフォルメの仕方も、FFというよりは童話に寄っている気がする。それでもビビがいるせいでパーティにFF感が出てきているだけなのでは、と思う。いや、FF9自体はとてもいいゲームだし好きですよ。

 

閑話休題。なんだかんだFF9を始めた自分は、やっぱりFF9の攻略サイトを探し求めた。そこで見つけたのが月美 左雨之さんが運営していた「FF9緊急対策本部」であり、自分のネットでの数年間に渡る交友関係の起点だった。

あの人は今何をしているんだろう、とふと思う事がある。SNSが定着して、本名を惜しげもなく登録するような人たちならまだしも、00年代初頭、まだインターネットが辛うじてGeekのモノだった時代にインターネットで知り合った人たちというのは、大抵その疑問に対する答えとなるような痕跡をあまりweb上に残さない。

 

しかしそれでも何となく、当時のサイトの名前とかを検索して、あんな人いたな、今何してるのかなと考えてしまう。そんな非生産的な物思いをしているのは自分だけではないと信じて、自分という人間に限っては答えを用意しておこうと思う。

 

何も現状や素性を全て書き記すわけではなくて、少なくとも君が僕の事を思い出して「アイツ今何してるんだろうな」と思った時、「そう思った君のためにこんなブログを立ち上げたりはしているよ」という返事をする奇特な人間でいる、という答えになればいい。

 

とんでもなく限られた人間に対する書置きをしていく。