こんにちは。ひよりです。

今日は、会社でちょっと不思議なことを教わりました。

「ひより、風の通り道ってわかるかい?」

私は、首をかしげました。

風って、どこにでも吹いているものだと思っていました。

でも、100年の森では違うそうです。

木が大きく育って、葉っぱが重なりすぎると、下の方まで風が届きにくくなるのです。

英太郎さんは、大きなパキラの枝を少し切って、風の通り道をつくりました。

私は、森の前にしゃがみ込みました。

大きな葉っぱ。

小さな花。

トトロの隠れ場所。

でも、風は見えません。

「見えないのに、どうしてわかるんでしょう?」

私がそう尋ねると、トリニティさんが言いました。

「葉の動きを見てごらん」

すると、小さな葉っぱが、ふわりと動きました。

「あっ!」

私はうれしくなりました。

そこへソラさんがやってきました。

「ひよりちゃん。人とのお付き合いも、少し似ているかもしれないわね」

「どういうことですか?」

「近づきすぎず、離れすぎず。お互いに心地よい距離があるでしょう?」

私は少し考えました。

お仕事でも、相手のことをちゃんと聞く。

自分の考えだけを押しつけない。

そして、時々は相手が自由に考える時間も大切にする。

なるほど。

私はノートに書きました。

『見えない風にも、通り道がある。人と人の間にも、きっとある。』

そのとき、森の奥で、ニジちゃんの小さな飾りが揺れたように見えました。

あれ?

今のは風かな。

それとも、森からのご挨拶かな。

ふふふ。

🌱 新入社員ひより

FIRST LIGHT COMMUNITY|森の小さな創作物語

――第四話へつづく。