自殺を図ろうとする主人公・北は、冤罪にかけられたことをきっかけに、社会に見放されて人生に絶望した男。自殺を図ろうとした北は、「蟹を食べてから死のう」と思いつき、お金がないため偶然に出会った人妻・彩女を襲いかかるが、抵抗しない彩女に戸惑いながら、強盗した事情を明かすと、なんと彩女は「私も食べたいです。蟹。」と、彼女と一緒に北海道までに蟹を食べに行くことに。

本作の主演を務めたのは、数多くの作品で幅広い役柄を演じてきた重岡大毅。犯罪に手を染めようとした北は、心に闇を抱える難しい役どころ。そんな難役を本作で挑んだ重岡は、「今までやってきた役を思い出しながらも、色んなの答え合わせを自分の中でできている気がします。※1と北役を演じた心境を明かした。重岡が今まで培ってきた役者魂の集大成となる本作に期待が高まるばかり。

(※1 QLAPのインタビューより)

 

重岡は、テレビドラマ「ごめんね青春」(14)で思春期の男子高校生・海老沢ゆずるを演じ、ナチュラルな演技で一気に脚光を浴びた。映画においても、菅田将暉が主演を務める映画『溺れるナイフ』(16)で傷ついたヒロインに寄り添ううちに、叶わない恋心を抱くようになる真面目で優しい男子を好演。その後、2019年に5グール連続出演という快挙を達成。「節約ロック」(19)、「ストロベリーナイト・サーガ」(19)、「死役所」(19)などの話題作に出演し、存在感を放つ芝居が度々話題となっていた。

そして、「これは経費で落ちません!」(19)で営業部に期待されている好青年・山田太陽を演じ、主人公の沙名子に猛アプローチする姿が多くの視聴者をほっこりさせ、翌年「知らなくていいコト」(20)で嫉妬に狂った野中春樹役で見せたクズっぷり一躍注目を集めた。更に、「教場Ⅱ」(21)でわずかのシーンにも関わらず、繊細な演技力で爪痕を残した。脇役でありながら、彼の名演が光っていた。

 

去年、「#家族募集します」で地上波初主演を果たし、妻の死を受け止め、子育てに励むシングルファザーの役で役者としてさらなる成長を見せた。

様々な役を演じ続け、役者としての幅を広げてきた重岡が噛み砕いた北は、20代の彼が役者としての締めくくりとなるような作品になる予感。