Lolita*Lempicka -2ページ目

ばいばい

さっき地元出た


火葬の前、やっぱやだったな………



あたしは泣くのを我慢した

溢れてくるのを頑張ってとめてた





だけどみんな涙を流してた




なんか泣いちゃいけない気がしたんだ





そしたら喉がつまってきて

すんごい苦しくて


苦しくて


しょうがなかった





明日からまたいつもの日常


あたしだけが



普段通りの日常………






あたしのケータイに入ってた家族みんなを録ったムービーを残してきた





おじいちゃん、心配です

「間に合わなかったね」

一昨日言われた言葉




急すぎだよ……





あたしはその頃何してたッて





考えると





どうしようもなく自分が厭になるさ





あたしだけ間に合わなかったよ

最期一緒にいられなかったね

一番可愛がってくれたのに



ごめんね



こんなどうしようもない孫でごめんね



この距離が悲しかった




「こんなこと言いたくないけど…黒いスーツ持って帰りなさい。覚悟はしといてね」



電話来たとき茫然として
急な展開についていけなかった

しばらくして


「心肺停止しちゃったんだ…明日帰れる?」






泣き崩れた






急すぎて急すぎて






もうずーーっと小さい時からいつも一緒でさ、

何かあるごとにいっつもお祝いしてくれて


怒ることなくやさしくて


すぐそこにいるのが当たり前で………………




きりがないくらい沢山の思い出があるよ






私がした最期の窓拭きを喜んでくれた

本当に喜んでくれてた




あれが最期の最期だったんね





残念だったね…間に合わなかったね
一緒に留守番してくれたときに窓拭きが上手いって誉めてたんだよ



そう話すおじいちゃんの顔が直視できなくて
声殺して下向いて涙を流さずにいられなかった

そんなあたしをはじめてみて
横で家族が泣いてた




つらかった………





本当に眠ってるようにそこに横たわったおばあちゃんを見て



一気に現実味がわいてきて



身体を洗われているとき、まるで人形のようにただされるがままだったのを見て



本当にもういないんだって
思い知らされるようだった




二度と笑顔を見ることがなく
声を聞くこともないのだと思うと


………




火葬に耐えられる自信がない…………
一番嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!




骨だけになった大好きだった人を箸で渡していくの?

やだよ
焼かないでよ


形を変えないで
そのままでいてほしい

寝ててもいいから
そのまま

お願い

どうしたら

この寂しさは埋められるのかな