私はインド人の長男である人の妻。
長男の妻って本当はすごく大変なのだ。
それでも、私の場合は全然大変ではない。
うちの主人の家族はインドではとても自由で進歩的な所謂liberalな家族だ。
それには2つの要因がある。
(1)義両親は信仰する宗教が違うにも関わらず、恋愛結婚をした。
インドでは今でもそうだが、両親の年代では見合い結婚が主流なので、
宗教も違って恋愛結婚って言うのは随分珍しかったし、いろいろと大変だったらしい。そして、いろいろと今でも大変なことはある。義父の親戚の人がなにかの儀式の時にキリスト教徒の義母になにか嫌味を言ったりするのを聞いたことがある。
普通インドでは宗教の違いは大きな問題だが、それはこの家庭では問題にならなかったので、私達の場合も問題にならずに済んだ。
そして、義両親は「違い=悪い」という考えを持っていないのだ。
私ってインド人の外国人妻のなかではかなりLucky!
(2)義父はインドの空軍の将官(officer)だったので、家族は皆空軍のャンプなどで生活をした。空軍のキャンプの文化は所謂インドの文化とは全く違う。キャンプ内では地域差を防ぐために英語を主に使う。そして、給料はそんなに高くないらしいが、軍にいる間はすばらしい家をもてるし、とてもハイクラスの生活を送ることが出来る。
皆とてもおしゃれ。
初めて会ったとき本当に驚いたのだが、今60歳か70歳代の現役を引退している将校のおじさまたちは皆素敵な背広にネッカチーフなどをして、胸のポケットからハンカチをだし、素敵な靴を履いている。英語も堪能で、あまりインドじんぽい訛りがない。とにかく洗礼している感じ。
普通の人たちとは文化が違う。
そんな中で育った主人はインド人らしくないインド人だ。でも、彼の父が命をかけて守ってきた国だから、インド人としての誇りは高い。
主人の両親に対する気持ちは強い。
そして彼は長男としての自分の立場をわかっている。それは、経済的に両親の世話をし、もし2人の姉達の家族が困っているときは彼が全て経済的に養っていくという義務があること。そういうことを全て受け止めている彼の態度はとても尊敬すべきことだ。
でも私は・・・・・・・。
3月になってから暗い内容のブログは書くまいと決めた。
でもちょっと自分が寂しく感じてしまったことを書きたい。
昨晩、主人が電話で義両親と話をしているのを聞いた。仕送りの金額についてだった。かなりの高額だった。私は仕送りのことは知っているが、いつも言っていた額の20倍くらい。「え?????」って思ったけれど、話を勝手に聞いても悪いので、その場を去った。
私にSKが生まれるまで私は給料があった。
そして私達には3つの銀行口座があった。1つは私の、1つは彼の、そして共通の口座。こうすることによってお互いに自分の好きなように自分のお金を使うことが出来た。
しかし、この街に越してきてからそれを全部一つまとめた。私は現在収入がないので、ちょっと外でコーヒーを飲んだりするのも
考えてしまうことがある。主人は別に私がどのようにお金を使っても信用しているといって何も言わないが、やはりアパートを買ったりしたので、結構家計も大変だ。だから買い物をする前には許可を取っている。
私は今は収入がないと言っても、口座を一つにしたとき私の貯金の方がはるかに多かった。だから、今あるお金は2人のお金なのだ。
うじうじしてしまうといけないので、主人に「いくら送るの?」と聞いた。
「2人の口座から送るんだから、私にも言ってくれてもいいのにね。」と。主人は額を教えてくれたが、私の聞き間違いではなく、びっくりする額だった。自己承諾ではちょっと嫌な額だったので、そういうと謝ってくれた。でも、私はなんだか寂しくなってしまって、1人で泣いた。
こんなのインド人の長男の妻だったら当たり前のことで受け入れる。
泣くことじゃない。
私は恵まれているほうだ。
両親に意地悪されないし。
でもね、私が頑張ってためたお金も入っている貯金から本当に驚くような多額を仕送りすることを主人が私に一言もちゃんと言ってくれなかったことはやっぱりちょっとショックだったな。
でも、全てのものは考えよう。