前編の続き
警察署に着き、取調べ室まで向かう途中、私は道ゆく人に丁寧に挨拶をした。行動で身の潔白を示すのだ。
待合室みたいな椅子に座り、看護師さんから採血をされた。そしてすぐに案内され、今度は美容室みたいな椅子に座り、フルフェイスのヘルメット装置を被った。なるほど、うそ発見装置みたいなやつか。
部屋には知らないご婦人がいた。「君の態度に感心されて、見にこられたそうだ。」と山本耕史は言った。
女性警官が色々質問するが、全然事件とは無関係なものだった。
「最近胃もたれは感じますか?」
「お前も酒呑みだから感じるだろー」
「そうですねー、たまに飲みすぎたときは抱腹感がありこの辺が苦しいです。それが胃もたれなんですかねー」
「ヘルメットを被って画面の文字見えてますか?」カラオケ画面みたいなのが映ってた。
「はい、鼻の頭が息で曇りますが、問題ないです」
「じゃあ問題です、このキャベツはどれくらいで育つでしょうか?」
「1時間くらいですか?」
「10分です!」
「10分!?」
「そんなわけないだろー、なあ?」なぜか山本耕史も私の横について参戦している。
「では、この大きさになるにはどれくらいかかるでしょうか?10秒単位で答えてください!」
「さっきの(7分の6)+(10分の1)のサイズなんですね!ということは、70分の67…あれ、あまり変わってないぞ?そもそも画像のキャベツは半分くらいなのに、どうしようんーと9分…30秒!」
「…正解です!」
「やるなあ!」
「やった!」
最初から本当にわけのわからない会話だったが、次第に山本耕史にも好感が芽生え、この空間が楽しくてもっと続いてほしかった。
しかし、あいにくここで目覚めてしまった。
結局私は白だと証明できたのか、それとも冤罪で牢屋に入れられるのか、はたまた私の知らない私が本当に殺人を犯したのか真相はまだ眠っている。