東大の英語外部試験導入と推薦入試について | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

3月に東大が外部試験導入しないと公言した後,4月末の急な方向転換に驚きと落胆で一杯な日々を送っている。東大がそんなに簡単に180度発表を変えるなんて普通でない。現場が外部試験に向けた対策を講じていくことは,はっきり言えば公教育の破壊だ。

外部試験は本当に必要を感じている受験生のみが受ければ良いもので,全員強制となれば様々な問題が起こるのは容易に推測されうることである。とある東北大学の先生が新聞で述べていたように,現場の先生方は8%しか賛成していない。 現場の声は完全に無視だ。

なんと言っても,東京大学が導入を決めたのは今後の大きな流れになるのは間違いない。本当に残念なことである。検定料は高額で,様々な家庭の事情を抱えた生徒達が平等に受験できるとは思えない。お金のある自治体のみが得をしたり,さらなる格差が生まれ,生まれた地域・境遇で不利益を被るような政策を国自ら進めているのはどう考えてもおかしいことで怒りすら覚える。

全員が一日で4技能が測れる試験など無理な話で,たとえば離島に住む生徒はどうするのかとか,障害を持つ生徒達はどうするのかなど何も問題が解決されていない。全て都会の子供達の論理でことが進んでいるように思うのは私だけでない。たとえば目が不自由な生徒でも,優秀であれば東大に入学できたのに,ハードルを上げてそういう生徒達がもう入学できないようにしているとしか思えない。

「ユニバーサルデザインの英語教育を!」と叫ばれているにも関わらず, 国の設計はいろいろな意味で弱者を排除する方向にしか向いていない。本当に残念なことである。(2度目)

 

東大の推薦入試も,本当は商業科とか農業,工業といった,専門高校の生徒達も優秀であれば東大で学べる機会が与えられるという方向で進んでいるかと思いきや,地方の普通科進学校の2番手校の椅子取りゲーム先取となっているに過ぎず,普通にまっとうに受験勉強をして入ることの出来た状況の方がまだましであった。とにかく推薦のネタとなるパフォーマンス合戦みたいなのが横行していることに,当の東大の先生方も気付いておられない。もう,なんなのだろうか。様々な学生を受け入れるというにはほど遠い。私からすれば全然ダメ。以前の学校の僕たちの中の優秀な誰かが入学できたら,Good job!と言いましょう。どうか良心的な東大の先生方には是非頑張っていただきたい。

 

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おんにゃの子軍団のいる現職場で,最初に送り出した生徒達の中に,スペインからの留学生がいたことをこのブログをお読みになっている方々はご存じだと思うが,4年の歳月を経て,その留学生のオリビアがこちらの国立大学に4月から学部生として入学した。私は彼女が日本嫌いになったのではないかと心配していたのだが(いろいろな事情で)そうではなかったのだ。日本語検定1級の資格を得て心理学の勉強をしに地元国立大学を受験し見事合格した。高校時代留学したこの地を選んで来てくれたことは最近の私にとって嬉しいことの一つである。

それと,4月から社会人になった人達や就活で忙しい人達,僕たちの結婚式へのお誘いや子供が生まれたとの報告を受けること。人生の節目にあえることに感謝している。

生徒達の活躍や成長が一番の楽しみで,この子達が幸せに暮らしていけるように尽力したいし,そうしないとならないと思っている。先生になるということは大変な使命があるとともに,楽しみも数倍である。ありがたいこと。