ミュージカル Wicked | 女王様のブログ

女王様のブログ

ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

ずっと前に,
お知り合いが大阪の劇団四季劇場のウィキッドが千秋楽だからということで,わざわざ飛行機に乗って観に行っていたのだけれど,
そのとき、私は仕事でちょうど忙しい時期にさしかかり,観るチャンスを逃して悔しい思いをしていたんだよね。しかし,あれは一体なんだったのでしょう。

関東に用事があって,
東京に向かったついでに,
せっかくだからということで,
四季のホームページを観てみると,未だに劇場で上演しているのを知って,向かいました。
汐目の電通四季劇場へ。




嵐の限定グッズを売る行列が劇場の向かい側にあって,
中高生がキャーキャーしてうるさかったんだけど,
その行列を尻目に,
「嵐」だってアラサーのおじさん達なのに,どうしてこんなに人気があるのかしらん?
この中には受験生もいるんだろうなぁーって思いながら,
ながーいエスカレーターで階上に向かった。



ウィキッドのあらすじは,長いのでこちらをご覧下さい。

3000円からの座席があって,若い時分から,このような芸術に触れることの出来る東京はやっぱりいいところ。
子供達にとっては,将来を左右する職業の幅が増える機会。
夢や憧れを持つきっかけになる。
そういう意味で,
地方よりも東京は恵まれている。いわゆる,文化的資本が高い地域って事なのだろうね。


イギリスに留学していたときは,毎週末コンサートやオペラ,ミュージカルを堪能していた。
今独立するのか否かで話題のスコットランドでも,そういう芸術を楽しむ機会があった。

学生割引があって,それこそ,1300円くらいで観ることが出来たように思う。
何をしているかと聞けば,イギリスの友人達は,(たぶん自称だけれど)俳優や歌手,画家,芸術家が多かった。文化的に,自身の価値が,他人ではなく自身で決める土壌があるんだと思う。世間もそれを受け入れてる。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

Wicked とは「邪悪なもの」という意味。
主人公は,エルファバ。
彼女は,
主婦を中心に人気の,斎藤工の昼顔から始まって産まれた。

肌の色は緑色。
しかも産まれながらに不思議な力を持つ。

母は早くに亡くなり,父親からは疎まれて育つ。
足の不自由な妹の面倒を見るために,寄宿制の同じ大学にに入るのだけれども,
その容姿から,皆にいじめられ疎まれる。壮絶で過酷な日々を送る。

寄宿舎でエルファバと同室になるある女の子の名前は,グリンダ。
彼女はお金もちで,美人で気立ても良く,皆の人気者であった。

2人は学生時代同室で,お互いが持っていない物をもっている点で惹かれ,親友となるのだが,恋敵があらわれるとそれが変わってしまう。

最終的には,
エルファバは西の悪い魔女として皆に作り上げられ,
グリンダは良い魔女としてオズの国の再建に乗り出す。

いろいろと考えさせられる場面が多く。
半径5メートルの人間関係や,政治的なこと。
産まれながらに持つ能力の差や,
恋愛についても
観た後の感想を一つ一つ述べれば,何時間もの時間を費やしそうな内容だった。

もちろん,音楽やダンスも魅力的だったのだけれど,観た後で評論家のようにお酒を飲みながらおしゃべりするのが私には楽しい。

心優しい,正義感あふれるエルファバが,
悪い魔女にならざるを得ない状況に追い込まれる理不尽さにとてもやるせない気持ちになった。


真実ではなく,噂やどこでどのように生を受け,どのような見た目をもっているのかが,
世間の間違った評価や判断の元となることが描かれ,大衆の愚かさと,大衆が善人を悪者に祭り上げる行程がわかって,恐ろしかった。

世間は,自身ではコントロールできない部分で判断を下すもの。
見たままを言い,聞いたままで判断する。

確かに人気者で,容姿端麗,何でも注目を浴び,一番でないと嫌なグレンダ。
うぬぼれが強く,好きな男性を独占したい彼女は,
自ら良い魔女を演出していく。
彼女に魔法の才能があるわけでもなく,
ただ,美しいと言うだけで,
人々はついて行ってしまう。

為政者の本質をうまく表しているところも,
すごく考えさせられ,
観劇後の余韻にしばらく浸って,
おしゃべりが止まらなかった。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

帰りは,銀座界隈に立ち寄ったのだけれども,
銀座の夜は静かでさほど賑やかでない。

知り合いに,
ワインと美味しいチーズを出しているイタリアンのお店を紹介してもらい,食事をした。

マスターが気さくでとてもいいお店だった。

翌日は築地をブラブラしたんだけれど,日曜日は市場はお休みだった。
にもかかわらず,外国人観光客は多かった。


久しぶりに,東京の風にふれ,
汐目,銀座,築地を楽しんでリフレッシュした。


※追記
エメラルドタウンにいるオズの魔王は,
為政に対する民衆の意識をそらせるために,悪者をでっち上げ,大衆の意識を自分たちに向かないようにするんだよね。
エルファバを悪い魔女に仕立て上げ,
オズの魔王は自身が魔法など使えないただの人であることを隠し続け,権力を維持しようとするわけ。
エルファバは本当に魔法が使える優秀な魔女だったから,オズの魔王は利用しようとしただけなんだ。

しかし,
さんざん,エルファバを追求し窮地に立たせておいて,
命まで奪っておきながら,(あとでかかしになった恋人とともに生きていることが分かるんだけど)
オズの魔王は,
最終的にエルファバの実の父だったっていうオチがあるんだよね。

日本のウィキィドとブロードウェイのは違うらしいから,機会があれば観てみたい。