昨日，ずっと続いた就職戦線導入時のお手伝いが一段落した。
導入時でこれだけの労力を要する。
進学校の教員は，高校生の就活について全然分からない。実際，私も普通科の進学バリバリの学校に居るときには全く経験しなかった。
実業系の先生方の多種多様な生徒の進路に対応している姿は，本当に脱帽する。（私も今やっていますけれどもね。）
三者面談，調査書書き，その合間に補習して勉強の指導。志望動機の添削（２種類）。面接指導（礼の仕方，マナー，声の大きさ，言葉使い，etc.).
校内選考が毎週のように行われ，志望先がやっと決まり，そして・・・・履歴書書き。
どれも手を抜けない大切なもの。この子たちの将来がかかってくるのかと思えば，必然的に力が入る。そしてまた，必然的に自分の事（研修とかも含める自己研鑚の時間など皆無）は二の次だ。
校種が違えば，違った苦労があるとは思うが，きっと中学校の先生方には，経験できない緊張感がそこにはある。高等学校教育を云々言って批判するお暇があるなら，１５年ばかり色んな種類の高校で教鞭をとってからにしてほしい。大学の先生なんかはもっとそうだ。
教科が同じだから，どの校種もまとめられると思ったら大間違い。中学まで大体同じカリキュラムで同じ教科で学んでいる状態と，それから先の高校は全く違う土台で考えないと，子供達の能力をガッターンと落としてしまう可能性がある。
これに気づいていない専門家（教育や教科関係の人達）は何をしているのかしらと心底訴えたい。
ベネッセが，進学校だけでなく実業系の学校にもヤンヤン入ってきて生徒を数値化しようとしてる。全く土台が違う中で，国・数・英の普通科の科目だけで生徒を輪切りにすることが，どんなに将来性を奪ってしまうことになるかが分かっていない。
英語の単位が３のところと８～１０もある学校なら後者の方が点数が高くなるにきまっている。後の５～７単位は，その他の専門教育（工業・農業など）の時間にあてがい，専門的知識を得ているところには，全く焦点を当てないわけ。そんなことをしたら，専門高校で身につけてきていることを否定していることになるんだよね。
民間の外部の業者の結果は全くここでは役に立たないと私は思っている。
専門高校の先生方の方が，東大や京大，有名国立大学ご卒業の先生が多いことに最近になって気づく。工業，農業，家政，水産などの学校の事だ。
専門高校の生徒の方が，優秀な先生や教授法に巡り合っている可能性があるわけ。大学時代に細分化された専門知識を得られているのは，そういう優秀な大学が多いからだ。彼らは英語での教授なども出来る人がいるんだよね。これは，現場にいないと分からない。
むしろ，有名な進学校は周りが何もしなくても，生徒が自主的にするから，教授法が出鱈目で，こういう言い方は良くないかもしれないけれども，先生が愚かな人でも立派に育っていく可能性がある。ほったらかしにしても，いや，むしろほっておいて貰った方が害もなく伸びていけることもあるっていうのは，全く頭に入ってないわけなの。
介入すればするほど，締め付ければ締め付けるほど，知的レベルが下がってしまう可能性には誰も触れない。こういうのは子供たちの為で全くないのよ，これらの分野で飯を食う人たちが食いっぱくれてしまうからなんだよね。だから，偉そうに現場にズカズカと入ってくる。こういう人が私は大嫌いなんだ。
専門高校の先生なら，専門高校の子供たちの味方になって，この子たちの凄いところや立派なところを評価し，世間に広めるべきだと私は思う。世間の認識は，とても疎く，全てに振り回されているから。私たちが振り回されたら，子供を守れないのよ。今の私にとっては，進学校なんか，く○食らえよ。
本当にみんな違ってみんないい！なら，普通科の物差しで測って，未来ある人を輪切りにし，彼らの未来を奪うのは止めてほしい。そっとしておいて欲しい。あまりにも数字で何もかも表そうとしている今日のやり方に警告！
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昨日が履歴書書きの締め切りだった。
私のクラスで，一社の応募書類のために，履歴書を一番多く書いた人は１０枚。昨年は１５枚書いた人がいたそうだ。
完璧に仕上げたと思われた履歴書に駄目だしを食らい，「先生，俺，心が折れました。」と述べる生徒の気持ちは，分からないでもない。指導をありがたく受け止めて，最後までやりとおした君に拍手を送るよ。
皆，合格することを祈ってる。