昨晩は,パワフルな女性の会会員のジャズピアノも弾けるあっこ先生と,ピアノの先生,そして私で,贅沢にも羽仁さんのジャズピアノをすぐお隣の,本当に30cmくらいの距離でお聞きすることができた。
ワインも2本空けた。ほとんどがあっこ先生と私。
最初に私たちのリクエストに応じて下さり,すぐに即興してくださった。流石にプロのミュージシャン。何をリクエストされても,完璧に聴衆を魅了し満足させてしまう。
羽仁さんとたくさんお話もできた。
ジャズが好きになった理由とか練習の仕方とか諸々。
ピアノの練習法も,筋肉のつき方が皆違うように,異なっている方が上手になれると。
ジャズの奥深さ,心地よさ,そして大人の時間を演出するカッコよさを再認識。ワイン2本で実証済み。
女王様の周りには,素敵に年を重ねている方々が多い。
若いころ,年をとるのが怖くて怯えて,「~しなければならない!~であるべきだ!」みたいな強迫観念があったのだけれども,
今は,自然体で魅力的に生きる術があることを素敵な先輩方から教えてもらい,年を重ねることは怖くないことが理解できる。むしろ,様々なことを経験し,年を重ねた方々の方が面白く,安心感があり説得力がある。
順風満帆でただ年をとっている人からならそうは感じられないが,運命とか宿命とかに翻弄されず,それをうまく乗り越えている方々は魅力的だ。私もそうありたい。
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あっこ先生と女王様のピアノの先生が,ハービーハンコックのコンサートを見に行った時,あまり良くなかったというニュアンスで話をすると,ハービー絶賛の羽仁さんとしては,なんだかジャズをけなされたようで,お嫌だったのか,別のジャンルの音楽を引き合いに出して,ジャズの奥深さを語り始める。
ハービーはジャズの新しい分野を開拓している,ある意味,実験音楽を試みているのだと言われた後,
オペラは権力で支配された音楽であって,音楽家が国王にうけが良いように,作り上げられたものも多いと言う。国王を賛嘆するものや敵国を批判するもの,自分に刃向かうものを貶めるような歌があったりすると。
チャイコフスキーは,友人の手紙に,「俺,今回,(国王の顔色を窺いながら)こんな曲を作っちまったよ。嫌だよ~!」っと書いたことがあると。
しかも,そういう曲が今世間で人気があったりすると。(はっきり言って,皆よく分かりもしないのに持て囃して何してんのさって感じ。)
日本人はオペラのチケットを10万円を出して購入し,観たと自慢げに言う。一見聞こえがいいように思えるが,それは違うと言う。本当に音楽を分かって言っているのではないと。
ジャズは,型にはまらない自由な発想の下生まれたもの。時には庶民の魂の叫びであったり,励ましあいの声だったりする。これといった型がない中で,芸術の域までどうやって高められるのかという試みの音楽だと,女王様はお話を伺ってそのように感じた。常に現在進行形の音楽だと知り一段と興味が湧く。
というわけで,
羽仁さんがウキペディアにも出てくる著名な方だと知り,そんな方の演奏をお聞きしながら,おしゃべりし何時間もご一緒できたことを感謝。
本当によか晩じゃった。
これは上田正樹さんとご一緒された時のもの。
大阪のブルーノート。
