【毎日新聞】北九州市小倉北区の中井保育園(認可外、昨年10月閉園)で昨年7月、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2 歳)の両親が25日、北村寿和元園長(31)や元職員計7人と園を指導・監督する立場の北九州市などを相手取り、約5842万円の損害賠償を求めて福岡地 裁小倉支部に提訴した。

 訴えによると、暖人ちゃんは昨年7月27日午後1時ごろ、他の園児と園外保育で出掛けた近くの公園から送迎車で 園に戻った。職員は降車時に人数確認を怠り、その後の昼寝の際にも暖人ちゃんの所在を確認しなかったため、暖人ちゃんは約4時間車内に置き去りにされた。 同4時50分ごろ職員が見つけ、同5時半ごろ病院へ搬送したが、同7時5分ごろ死亡が確認された。

 両親側は、人数や所在を確認しなかっ たことに加え(1)安全管理マニュアルを作成せず指導や訓練も一切なかった(2)炎天下に日除けがない公園に連れ出すなど不適切な園外保育だった(3)不 在に気付いた後も速やかに責任者に報告せず迅速な捜索を妨げた--などと、北村元園長らの過失を指摘。市については、定期立ち入り検査が不十分だったこと などを挙げ「認可外保育施設指導監督指針などにのっとり権限を適正かつ妥当に行使して改善勧告をしなかったのは著しく不合理で違法」と主張している。