日本小児科学会は、チャイルドシートの選び方や正しい装着法を示した初の基本指針を作成した。

 チャイルドシートは装着率が低いうえに誤使用が多く、指針の徹底で死傷率の低減を目指す。

 指針は、年齢や体格に応じたシートの使い分けを推奨している。具体的には、1歳を過ぎて体重が10キロ・グラムを超えるまでは、進行方向と逆向きに設置し、背中の角度が45度になる「セミ・リクライニング」タイプ。この後、体重18キロ・グラムまでは、前を向き体を起こした状態で使用。6歳を過ぎても車のシートベルトが首にかからない身長になるまで、座高を調節できるシートを使う。

 助手席には原則として装着せず、基本的に後部座席に座らせる。座席が3列ある場合は2列目を選ぶ。体を固定するため、薄着のまま装着し、毛布などははさまない。なるべく新品を使い、2003年の新安全基準以前の物は、販売・使用とも自粛するよう求めている。

 
チャイルドシート
チャイルドシートは、2000年4月に6歳未満の子供に装着が義務づけられた。しかし、警察庁と日本自動車連盟(JAF)の今年4月の全国調査によると、使用率はわずか50・2%。取り付け方法を誤っているケースも全体の約7割を占める。法制化後も、自動車事故による幼児の死亡率、重軽傷率はほとんど変わっていないという研究報告がある【読売新聞】。