風に吹かれて身を任せて君の元へ辿り着くまでの唄
それはいつまでも色褪せずに耳に残る命がくれた言葉
棚引く髪を束ねる仕種 神の道草か 新たな発芽
荒ぶる波に怯える純粋な蝙蝠たちの鳴き声が消えた
鳥の羽ばたきに命の輝きを見つける その瞬きの間
短い光は闇の中へと姿を晦ました 零れる涙
形あるものはいずれ消えて 手を振るように 雨が降るように
その場所 この場所から 一歩一歩進む 命の旅を
花よ 花よ 風に吹かれて
その言ノ葉を揺らすたび
音も届かない地で ひらりひらと
空に舞う 命の声
裏路地の迷路 流れる音色 寄り添う犬と笛を吹く男
犬が銜える缶に小銭が だが飯代にはあまりにも僅か
協会の前で祈りを捧げるそこから老婆の目には二つの闇が
そこから何が見えて 何に祈りを捧げ続けてきた
言葉を失くす この世界に 言葉にすらならない その願いに
でも それでも世界は美しく 希望は決して奪えず
今尚絶えず まだ狼狽えず 待ち侘びる雨水 鐘の音の合図
寄せては返す 破り捨てたあの海図 繋げていく
花よ 花よ 風に吹かれて
その言ノ葉を揺らすたび
音も届かない地で ひらりひらと
空に舞う 命の声
あの日 あの時に こうしていれば 少しでも早く声にしていれば
全ての意識 変えてみれば 初めての景色 忘れずいれた
すぐ見違える 世界は容易く だが疑う気持ちがまた邪魔する
いつかや明日じゃなく今すぐ 変わるならまだ間に合う気がする
きっと嫌なことばかりが目に付く日常に心を忘れてしまっただけ
ならまた思い出せる だから今は風に身を預けて
名も無き花を荒れた地に咲かそう 子供達に喜びを語ろう
一人じゃ生きていけない 貴方と共に歌を唄おう
花よ 花よ 風に吹かれて
その言ノ葉を揺らすたび
音も届かない地で ひらりひらと
空に舞う 命の声