蓮の花は何故に泥沼を選んだのだろう




しかも美しく気高く潔い




私の心は泥沼だ




どんどん泣きながら堕ちてゆく




優しさの中に有る強さこそが




真摯で誠実で尊い




蓮の花を見ると




汚れきった私の心が浄化され




つかの間あの頃の無垢な魂がよみがえる




けれど私は夢からすぐ覚めて




現実の苦しさが私を罵倒するのだ




本当はこんな自分から抜け出したい




これは本当の自分ではないと




心の片隅で小さなかけらの水晶玉の光が




私の心を照らしてくれる




それでも私は




自分の居場所が見つからないまま




どんどん泥沼に堕ちてゆくだけ…




もう私は蓮の花を見るのさえ眩しすぎて




悪魔の囁きに負けてしまうだけ




私は蜘蛛の糸を自分だけのものにする




人間にはなりたくない




本当の自分の心を信じて大切にしたい




何故それが出来ないのか




哀しいけれど現実は容赦なく



私の心に重い石が投げ込まれる



もし



こんな私でも蜘蛛の糸を見つけられたら



みんな一緒に上ってゆきたい




蓮の花は私に勇気を教えてくれるかのよう




力を与えてくれるかのよう



本当の優しさを教えてくれるかのよう




色々な人の心に寄り添いながら




泥沼に綺麗な花を咲かせてくれているんだ




本当は誰もが無垢な魂をもっていた




だから自分次第で変われるのだ



そんな事を教える使命をもって



泥沼に凛と美しく強く



咲いていてくれているんだね



有り難うと言える小さな自分がそこにいた