大変遅くなりました。もう、今更感漂わせてますが😅😅😅‪
応天の門の感想、書いていきたいと思います。
いつもの如く長いです(笑)お暇な時に読んで下さいませ。




🌙夜の京の町(四条辺り)
オープニングのスキャット、誰の声なんだろう??和なんだけど、なんというか大陸の息吹感じるというか万葉の時代の名残を感じる声だなと思いました(伝われっっ)。

墨流しの紗幕が、妖が出そうな不気味さと朝廷の権謀術数渦巻く様なんかを表してる様で、その紗幕が飛んで見事な(びっくりするほどでかい)月が冴え冴えと照り映えるって演出がすごいワクワクしました。
この作品の最初のセリフが業平(の色っぽいの)ってのも、世界観出てて、尚且つ「道真×業平」のツートップ感出てるなって思いました。←え?穿ちすぎ?

道真の登場がめちゃくちゃかっこいい!というか原作通りで大感動!
まるで月を大羽根に見立ててる様な報道の写真を見た時、更に感動しました。
あー、ほんとに「(立場的な)今のれいこちゃん」だわって。
退場の仕方も、原作通りで...初日、吸い込まれるように落ちていったれいこちゃん観てびっくりしたけど(笑)

でも、白梅に「菅三さま」って呼ばせてるの、桂木じゃなくても気になる~。


🌙百鬼夜行
前場からこの場面に転換するの、塀(の衝立)が、盆回るタイミングに併せて散開していく様子が、本当に見ものだと思います。特に二階席座った時に見て欲しいです。一枚一枚に大道具さんがついてて、綺麗にピタッとバミリに合わせる職人技!
まるで演者の様!
初日あたりはまだ隙間空いたり、尺(時間的な)が合わなかったりしてましたけど、日を重ねる毎にスムーズになって...。本当にカッコイイ!ってなってました。

その職人技の中、町人役のヤスが、これまた職人技としか言いようのない「酔っ払い」方で出てくる。
検非違使の下級生ちゃんたち全員と絡む為に、下手二人目の子のとこまで足もつれさせて突進する芝居なんて、最初、マジかと思うくらいナチュラルな動きで、ほんと、びっくりした。
この時代、酔うほど(町人が)お酒呑めるのかとかいうツッコミはあれど(笑)
サスペンス物の定石の冒頭らしくて、大変「良いと思う」。

その酔っ払いの前に、異形のものの手によって青い光いで包まれた牛車が現れる。
おお...「桜嵐記」の牛車、再就職だねって思いつつ...インパクトのある曲調と恐ろしい「ミーターナー」のセリフと、引きずり込まれる男。
叫び声とともに落ちる照明と振り落とし幕。
マジ「ひぇ…これからどうなるの??」と引き込まれました。
うーん、ここが大橋先生の仰ってた「(田渕先生は)つかみが抜群に上手い」ってとこでしょうかね。
人の配し方、セットや音、照明のタイミング。絶妙だと思いました。あ、ここに限らず…ですがね(笑)
なんせ、その振り落とされた幕に映る京の俯瞰図から応天門までのアニメと連動して動く上下の当てものと、みとさんの厳かで、でも温かみのあるナレーションに、鳥肌を立てながら前のめりになりそうなのを、必死で抑えなくてはいけない程、引き込まれましたもの。
「つかみはOK」でしょう(笑)


🌙応天門の前~内裏
上下それぞれの花道に公達らが出て、しずしずと本舞台に向かうのも前場から一変、華やかだなと思いました。
一人ひとり下襲(と裾)の色や柄が違って、きっと薄井先生がキャラの設定で決めたんだろうなとか思った。
もうね、伴善男のるねくんが一番(原作の強面おじさんの)イメージ湧かなかったんだけど、…なんか、ちゃんと伴善男でしたわ(笑)
ま、一番目を引いたのは源融さまの尚樹くんですけどね(笑)…ほんと…灰原先生じゃないけど「あんなに融なことある?」ってなりましたもの(笑)
 
朝議の場面とかで、公家の方々の説明コーラス、使い方がいいと思います。押し付けがましくなくスッて入ってくる。何回聞いても、某先生のそれみたいに「もうええっちゅうねん💧‬」ってならない位自然(笑)

配役発表あった時、研18になろうという...というか、おじさん役も得意な芸達者のからんに...そして男役集大成の作品で、まさかの清和帝がくるとは...と、思わずにはいられませんでしたが、いやいや...さすがのからん!誰よりも純真で幼いながらも一生懸命なお上演じてましたよね。
「良いと思う」は、からんの思い出と共に、長く転用されるセリフとなりましょう🤣

その清和帝の外祖父のるうくんと、娘を入内させて実権を取りたい弟のぐっさん。
...もうね...るうくんは最上級生だからアレだけど、ぐっさんの「おじいちゃん」っぷりはどうだろう🤣や...結構やってはるけど...なんだったら若いお役よりしっくりくるけどさ(笑)
さすが職人の96期と言わざるを得ない🤣
この二人の睨み合いが、たまらなくゾクゾクします。
平たい例えで申し訳ないんだけど「狐と狸(妖怪寄りの)」っぽい🤭
基経はその良房に輪を掛けた狐っぷりだけど(笑)

その基経、出てきた時、びっくりした。
この人も芝居巧者だけどさ、ほんと「100期の顔して?」って言いたくなる...なんなの、この圧!(爆)
今まで見たことない位の無表情で、一際品の良い束帯着て立ってる姿や、圧放ちながらも出過ぎず控えてる姿は、正しく「基経」だわってなった。
そして...ごめん。今まで思った事なかったんだけど、「やだ、綺麗...」って感動した←だってやんちゃ坊主なんだもん😅

業平さまの衣冠束帯姿も、さすがお似合い。
実は一番(平安時代もの)やってるちなつちゃん。裾捌きがエレガントでした~。
検非違使の長で、お上の信任厚い少将の割に思ったより軽くあしらわれてだけど🤭

今回、見切幕(脇幕)がいい仕事してるなって思いました(だってサブセンSS席で見切れそうなんだもん)。
退場する公家さんたちが、僅かな蓄光を頼りに(スタッフさんが介錯する)見切幕に吸い込まれて行くとこ見た時は一寸感動しました(笑)

ぱるくんの常行も、ほんとイメージぴったり!このお役やって欲しかったのでうれしい🤭
一寸シスコンっぽいの、可愛い(爆)
それにしても、ちなつちゃんと軽口(てか、相手敬語)で話してるの...どれだけお稽古して平気になったか知りたいわ🤣


🌙大学寮(大内裏・八省院内)
道真が、下手スッポンから出てくる所の梅の花散る大学寮(の映像)もほんとにステキ!
月城かなとも、花背負って登場ですわよ🤭

ここの広相先生(空城くん)との学年逆転劇が最高に面白い!でも、ほんとに月組ってみんな芝居出来るよね。
小生意気な道真の言葉に「え...」ってなるのとか、ハケ際に「やれやれ...」って頭掻く仕草とか、いつも上手いなぁと思ってます。

原作読んでて、個人的に、道真が唐にそれほど思い入れがあると感じてなかったんですが😅←や、エピソードあるからない訳じゃないだろうけどそんなには...って思ってた。読みが浅いだけです…💦
けど、ただの「書物にしか興味のない引き籠もり」じゃない、こっそり熱量秘めてるんだって感じがいいなと思いました。
...まあ...ある意味現実逃避かもなんですけど🤣

文章生の子達が、いつも一生懸命、道真...というかれいこちゃんに絡んで、自己完結してハケる芝居を少しづつ変えてしてるのがほっこりする。
本当に月組の子たちは芝居好きだなって。
一寸気になったんだけど、この子達って冠の下、地毛だよね(笑)

宝塚のお決まりで、この時代のお衣装にはロンブー履かせる事が多いんだけど、業平と常行の狩衣姿には似合ってなかったな。業平のロンブーには布まで付いてて、なんかバランス悪く感じた。これなら袴長くして短靴でよかったんじゃないかなって思いました。
文章生たちの袍にはロンブー合ってんのにね。

そう、業平さま、日を追う事にたらしに拍車かかってた(笑)
白梅が「ひー!」って仰け反るの可愛い。
そして「やめてください💢」って割って入る道真も可愛い😆
長谷雄のあみちゃん双六で米200石負けたって言ってたけど、この時代の200石って...一体どんな高額なんだろう...(江戸時代でも二千万円以上とか...)💧‬賭け事は引き際が肝心ですよね(知らんけど)。

それにしても、白梅のちるちる(見た目から全て)と、長谷雄のあみちゃん(特に立ち姿と手の返し)が、もう、どう見ても白梅と長谷雄で笑う。
さすが、漫画原作何作か演ってきた元雪組生だわってなった。

てか、田渕くん、このキャスティングありがとう~!!

蛇足だけど、独身の白梅が沈んだ赤の袴(濃)で、後に出てくる桂木が緋の袴(多分既婚者?)ってのが、薄井先生さすがやなって思います。

道真と業平の謎解きの会話が、原作と(セリフはほぼ同じなのに)印象が違うのも面白い。てか、「イメージ(設定)違う~💢」ってならないのが凄いな。
れいこちゃんの道真は、原作通りこまっしゃくれた反抗期少年だけど、芯に熱いものを持ってて正義感が強い人だし、ちなつちゃんの業平は能吏で色男だけど、一寸おちゃめだし(笑)
いい大人相手に嫌味言うれいこちゃんも面白いし、めっちゃはぐらかそうとするちなつちゃんも面白いし、絶妙なツッコミをするぱるくんも面白い。
まさか、この作品でドッカンってウケる場面があるとは思わなかったよ(笑)

そういえば、れんこんの國道って、原作よりお役大きいよね。てか、嫌味なとこ増幅されてる(笑)
めっちゃ業平をライバル視してるやん(笑)あちこちで権力争い起きてるってことね。
それにしても、れんこんって真面目さんなのに、こういうお役めっちゃ似合うよね(笑)
道真の「完全に舐められてますね」が、回を重ねる事に同情の色を感じるようになるくらいでしたもの(笑)


🌙昭姫の店
ここまで、ヤロー共のターンだったので、衝立が払われて女の子達がなだれ込んできたら、一気に華やいだ雰囲気になりました。
唐風の髷の子と和風(下ろし髪)の子がいて、後の話だけど、昭姫って、細かいこと気にせずいいと思ったら雇ってるんだなって分かります。
さすが姐さん(笑)

とにかく、大拙のインパクトがやばい🤣
初日きっと「誰…?」ってみんなオペラ上げたと思う。
てか、ここまで忠実に再現するとは思わなかったよ、てらくん🤣
間違いなく、今作の敢闘賞ですね(笑)

双六で負けた町人から巾着(財布)を受け取った時のセリフ、ずっと「毎度…」だと思ってて、楽近くで「毎度あり」になったと思ったら、台本にも「毎度あり」ってなってた😅私の耳の問題か(笑)

ここの展開が早いというか一体何話分のエピソード詰め込んでるの?ってなるんだけど、そのせいでやたら好意的で物分りのいい道真と、(初対面の道真にも)警戒心薄めの昭姫になってた💧‬
そういえば、友人が「昭姫の登場の仕方がギャツビーでワロタ」って言ってたんだけど、もう、そうにしか見えなくて堪えるの辛い🤣

検非違使をやり込めて追い払ってくれた道真に、駆け寄ってお礼をいうフキのおはね。
その前に道真が使用人に(誤解で)敵意を顕に邪険にされて、一寸しゅんってなってたから、慌ててお礼言いに走った様に見えて、フキちゃんいい子~って思いました。
それ受けて、キョドるコミ障の道真🤣楽近くは、そのコミ障も緩和されて、「思春期の男子が女の子になんていっていいか困ってる」程度に見えました🤭
そして、すかさずしゃしゃり出てくる業平🤣回を追うごとにタイミングが早くなってた気がする(笑)
ここね、台本にも「業平がしゃしゃり出る。」って書いてて笑ってしまった。
道真は、女の子に囲まれたい訳じゃないと思うけど、トンビに油揚げされて、ムッとしてるのが可愛い。

あ、昭姫の店の燭台、とにかくめちゃくちゃ倒れる!
店の子や検非違使が下手にハケる時とか、使用人たちが出てきた時とか…衣に引っ掛けるのね。
10回強観て倒れなかった日あったかなって位(笑)
大変そうやから改良すべきかも??←もう遅い😔

昭姫の名前のくんだり、いつも「え?(歌人と謳われた)業平も知らんの?」って思ったんですけど、白梅はさすがに知ってて…今回全然その(原作の)設定ないのに…軽く感動した。

そう。初日、銅の粉持ってくる時、三好のみかこちゃん、何故かとっくり持って袖に入ったんだけど、以降はちゃんと道真が持ってましたね。
段取り間違えたのかな(どっちかが🤭)

この時の長谷雄の「あああ、もったいない…」がサイコーに好きです。

青火の松明見せるとこ、衝立に映像出すのにどんな目印してんだろうと思ってたら、桜吹雪の地模様に、大きい桜の花びら付けてましたね。近くで見たら「あ…💧‬」ってなりました(笑)

ここの場面、道真が子供…というか少年っぽくて、業平じゃないけど「楽しそう」って感じます。
自分の考えを大人たちが聞いてくれて面白かったかなって…。
昭姫に言う「嫌いなんでしょう?貴族。」と、業平に言う「帝の后となるはずの姫をさらって逃げたんでしょう?」って聞き方が、本当に邪推とか嫌味じゃなくて、素直に言ってる感じがすごいなって思います。
あ、このセリフの前の業平の「え?」も、「えぇ?なに?」って感じの不意打ち感がたまらなく好きです。

🌙藤原高子の屋敷
舞台奥の高い位置にセリを上げて、若き日の業平と高子が駆け落ちの道行を急いでて、少し上がったセリに今の高子がいて…。
若い二人のやり取りが(結果知ってるだけに)切なくて、今の高子の表情見て更に切なくなるって場面。
じゅりちゃんの高子も予想通りだったんですけど、本当に似合ってるなと思いました。
てか、本当に、今作品の「(大人の)Love担当」がピッタリな姿で。
青みがかった黒髪の垂髪と、長袴が殊の外似合ってましたね。
そう、じゅりちゃんの長袴、なんであんなにスムーズに動けるんだ?
以前、花組の「新源氏物語」で柚カレーが演じた六条御息所思い出しましたよ。

若き日の二人も、すごい似合ってたと思います。
蘭世くん…ほんと、これからだと思ってたのに、なんで辞めるんかなぁ…。
うーちゃんも、ちなつちゃんとタイプ違うのに、「この人の数年後がこう」って思える芝居だったと思いました。
...本当に、月組ってすごいな…。
高子の回想(物思い)が開けると、義父の良房と、実兄の基経が目の前にいて。
ここ、いつも目を皿のようにして見てるんだけど、二人のスタンバイが全然わかんない😅
黒いお衣装だからっての差っ引いても、気配の殺し方スゴすぎと思いました。

この兄妹、気位の高さというか孤高の人って感じがそっくりやなって思います。
国経、遠経の兄たちはあれかな、母違いなのかなって位キャラ違うのにね(笑)

2人が現れた途端、めっちゃ慌てて扇で顔を隠す高子。じゅりちゃんも、ほぼ書かれてない(原作の)2人との関係をここで表現してるよねって思って感動しましたよ。
基経のやりようにムッとした高子が、一寸当てつけがましく裾翻して退室しかけた時、その裾基経が踏みつけて倒すとこ!
本当の兄妹なの?本当に?!(爆)ドキドキするのよ、二人の関係が🙈
扇で高子の顎上げる仕草も、その扇をパチンと鳴らしてから振り返りもせず立ち去る姿も…冷たくてめっちゃ怖いんだけど、めっちゃかっこいい🥰
毎回、ひゃ~!ってなってました。くそう…おだのくせにかっこいいだなんて…←こら。
そう、この時、室内だから当たり前なんだけど(でもこの場面だけ)足袋はだしの基経。
袴の丈、そんなに長いってなってなくて…(笑)踵、だいぶ入れてるねってなった(笑)


🌙京の町(各居どころ)
緊張感MAXだった前場とは打って変わって、昭姫の店の面々と白梅・長谷雄、そして道真と昭姫が登場すると、場が途端に明るくなる。
テンポのいいセリフと歌が、ワクワクさせてくれるし、みんな活き活きしてて、役としても演者としてもこの場面楽しんでるんだなと感じるのもいい。

泥水の説明する道真と、リアクションする長谷雄の動きが好きです。

そういえば、ハケ際、コケた使用人の人を道真が助け起こしたのを、大拙が「後は任せろ」って顔して支えるようにして連れていくとこ見て、「もしかして、大拙の奥さん?」って思っちゃいました。役として名前なかったんで逆に喜んじゃいました(違うかもだけど)。

すごい短い場面の間に、昭姫が道真を面白がって信用するに至る過程…というか変化…をくらげったら上手く出してるなって思います。
なんというか…声のトーンが変わる気がしました。後、やっぱり面白そうにしてるのが伝わりますね。

暗転なしで盆が回って、内裏で作戦を仕掛ける業平のターン(笑)
ただの作戦遂行してる場面ってだけじゃなくて、ひとつの事柄に対して、片側の派閥(藤原一門)が異を唱えると、逆(反藤原派の伴善男)が賛成するという、朝廷の図式が見える場面で...早い流れでスルーしがちだけど...なかなかキャラたちは水面下で戦ってるんじゃないかと思った一瞬です。

そして、帝たちが退場するのと同時に町人が群がってきて、残った業平(と検非違使)が町中の府令を出す場面(やたら美人すぎる町人のかれんちゃんが気になる私)。

更に町人が散ると道真、昭姫が率いる面々が出て、さあ作戦開始!ってとこまでがひと場面(というか一曲)ってのが、忙しいんだけど面白いなと思います。
…まぁ…、どうしてもここの場面では、大拙の「完全無表情」でのダンスというにはぎくしゃくした動きに、オペラ持って行かれるんですけどね🤣
作品全体に言えることですけど、決まった時間内に必要なエピソードを入れ込むにはこのスピードが大事ですよね。
観客おいてけぼりにしないギリギリで(笑)

大盛り上がりの道真たちの後、青い鬼火を掲げた牛車が鬼たちに引かれて通り過ぎる。
この時、鬼さんたちが殊更足を高く上げて「踏みしめてるぞ」って振りが、道真の思惑通りに事が運んだというのを暗示してる気がして、いいなと思いました。
…それにしても…怖いんよ、この鬼さん達(笑)


🌙菅家の屋敷
朝帰りしてる道真を、「大人になった」と喜ぶ父と、「なにかあったんじゃ...」と心配する女房の桂木。
ヤスって…なんか、パッと見似合わなさそうなのに、年配役合うよね(笑)
父の是善のお衣装が、「百人一首の絵(の歌人)そのもの」のテロンとした感じで、生地の質や厚みの違いは、身分の差なのか役職の差なのか色々考えてしまいました。
桂木のみとさんは...そうであったら嬉しいなってキャスティングだったんで、本当に安心して見てられます。
「阿呼様」と、幼名でずっと読んでるのも、ピヨピヨの雪組時代におしり叩いて見守ってくれてた事とリンクして…泣きそうになる。

そこにちるちるの白梅と、あみちゃんの長谷雄が出てくるから、尚、雪組時代思い出す(和ものだし)。
あ、月組になにか不満があるとかそんなのじゃ決してないんです。ただただ、懐かしんでるだけなんです…😣

ここの場面も色々まとめちゃおうと詰め込んでるから仕方ないんだけど、まあまあ上位の貴族が「友達のお家お邪魔します~」って風に入ってくるのが、気になる通り越して面白い(笑)
なんかいつもちなつちゃん業平が(いい大人だし)友達のパパになんて挨拶したらいいんだってビミョーな顔してる様に見えるんだよね🤭
昭姫はしれっと大嘘ついて納得させてるし(笑)さすが海千山千のお姐さま(爆)

とにかく尺がないから、ストーリーを詰め込んで走らせるために、謎解きの細かい解説や地道な調査場面は割愛して…なので、びっくりするくらい情報通な昭姫のおかげで、一晩で鬼の正体(目的)分かっちゃうのも、まあこれが最終目的ではないから仕方ないかな。
この場面でも、肝はこの後。
…事の真相が自分の仮説と合致してるか確かめたい道真と、朝廷の権力者の恐ろしさを肌身を持って知ってる業平との、意見が対立するところ。
机上の空論じゃないけど、世間を知らなさすぎの道真には、業平の、危険を回避する為に口を噤もうとするのは、日和見主義と映ったんだろうな。
そしてそれは、業平自身も自覚していて…色々ぐっと飲み込んで「手を引け」って言ったと感じました。
道真の「最後には正しいものが勝つと、本気で信じてる」若さと、時には「自分の心を欺く」大人の業平の対比が…肝なんですよね。

和物(日本物)では、どうしても気になる、「室内土足問題」。ここでもありましたね。脱ぎ履きしやすい草履の方々は足袋はだしだったけど…そうなるとブーツ組の違和感が増して…「道真、業平、長谷雄!履物を脱げ!(笑)」って心で突っ込んでました(笑)

🌙京の町~回想~銀橋
この場面は、くらげの昭姫だからこそ表現出来たんじゃないかと思ったんですけど…。
まだまだ反抗期真っ盛りのお子ちゃまな…でも、身分が高くて頭もいい少年に言葉と気持ちを尽くして諌める(その上中の人は上級生)…。声のトーンとかスピードとか技術ももちろん駆使して、一寸ほろりとしそうな場面に感じました。
まさかあんなオチとは露知らず(爆)

回想の入れ込み方も面白いなと思いました。
回想のキャラもどういう風に出すんだろうと思っていたので、素直に「そうきましたか!」って思いました。
阿呼のちのちゃんの歌が、幼くてめちゃくちゃ可愛い!てか、ほんとに幼子!大好きなお兄ちゃん(に、褒めてもらいたくて)チラチラ見ながら音読してるのも可愛すぎるし、「すごい?あこすごい?」なんて言われたら…抱きしめて頭わしゃわしゃしたくなる(笑)

その思いを引き継いで、れいこちゃん道真の「そして凡人であった…。」って言葉にすら深い愛情を感じました。
やー、吉祥丸のるおりあも、ほんと、優しいお兄ちゃん感出てました。自分より出来のいい弟に嫉妬するわけでなく、素直に認めて…でも僻まず努力続ける…ある意味強いひと。
童水干姿がよく似合ってましたね。
国経、遠経兄弟だけ子供時代もアヤオトくんと一星くんで(笑)
Wジャイアンみたいで面白かったです。分かりやすく「良家のバカボン」ですね。
自分で行かせといて、吉祥丸が唐犬に襲われたの見て腰抜かす演技がGJだったと思います(笑)

昭姫に諭された道真、本当は大人たちの思いもわかってるんだよね。
でも、認める訳には行かない。
だから「分かりません」でなく「嫌です」ってお答えなんですよね。
それにしても、ここ、二人の絶妙なタイミングで、毎回笑ってしまってました(笑)いいわあ~。

🌙内裏(朝議)
業平は、やっぱり大人の判断で「鬼の正体」がわかったことをはぐらかして、それを基経が鵜呑みにしたかはアレだけど、サクッと次の段階に進む、おだ基経。
私腹を肥やし、妹を使って地位を磐石にし、実権を握ろうと画策してる…既に、藤原の長である義父すら端に追いやる勢いで…。
人を殺めるのもなんとも思わない冷酷さ。
この場面での何となく愛想のいい言動が「恐ろしゅうてかなわぬ」です🤣

ま、まだ良房のが上かなって感じですけどね。

公卿たちの朝議でのサワサワした感じ、なんか「権謀術数」感出ててすごいなって思います。

🌙回想
基経の幼少期もキャスティングされてて、どう出すんだと思ったんですけど。
この場面見ちゃったら、基経も冷酷非道なだけじゃないのかなってなるから苦しい🤣
手古時代の基経をやってるりりちゃん。普通に少年役なんじゃが…男役のるおりあと喋ってても違和感ないんだもの。
なんだったら格好よかった(笑)
ここの、途中まで「手古」役がいて、後を、成長した「基経」役が引き継いで話す(それも別の次元で)のが最高にいい演出だなと思いました。
ずっと吉祥丸との邂逅が、基経にとって忘れられないものなんだと感じます。
上手く行けば友人にもなれたかも…的な(でも、政敵なんだろうなぁ…)。

そういえば「来週」ってセリフあるけど、この時代に「週」って概念ないよねえって思ったんだけど、それを時代考証に則って書いたとしても、私らわからんわってなって納得した。

そして、論語とか李白の漢詩にメロディー付くとこんなに沁みるんだって思った。青木先生、好きです!

🌙京の町
魂鎮の祭りが開かれると知った町の人々の賑やかな場面。
桜木先生のここの振り、歌詞と連動しててなんか印象深い。
てか、蘭世くんがイキイキしてて、とても目がいく。
…本当に…娘役に転向してすごく良くなったなと思ってたのになあ…。


🌙昭姫の店
祭りの買い出し客相手の準備で大忙しの店。
バタバタ、ワサワサしてる中で、下手の大拙と女の子に注目してしまう(笑)
衝立に布を掛けたい女の子。でも背が足らない。
見かねた大拙が、苦もなくヒョイっと掛けてしまう。
女の子たちは「ありがとう。」位なんだけど、客席は「惚れる…❤️」ってなってしまう🤣
と、上手では、フキちゃん…意外と逞しいのねってなる展開があったり、センターでは、思ったより深刻な会話が繰り広げられてたり…。
目、足んないんですけどー💢ってなる(笑)

常行は妹が可愛くて大切だから、基経が祭りに多美子を呼べと言った時に「何かある」って勘付けたと思うんだけど、道真に頼みに来る辺り…(笑)
そしてそれを業平への当てつけかと言わんばかりに受ける道真…💧‬

そういえばここの道真のセリフ(「多美子は基経に殺されてしまう」を受けて)「なんですって…?」ってセリフ、初日からしばらく「本当なのですか?」だった。
なんか違和感あったので変わってよかったなと思ったんだけど、台本「なんですって…?」って書いてた…アレ?

で。原作のまま行くとすみれコードに抵触確定の大師さま(笑)どうやってストーリーに入れ込むのかと思ったら…こう来ましたかってなりました。その上、月娘きってのダンサーかれんちゃんだなんて、粋なキャスティングするやん~ってなりましたが、ビジュアルも、お色気も文句なしの大師さまで、尚且つ(きっとほぼ話わかってないのに)昭姫の発案に乗っかるノリの良さも面白かったです。

その発案却下しようと、絡められた二人の腕払い除ける道真が…とゆうか…れいこちゃんが面白い。
踊り手に変装する(人前で踊る)のが嫌なのか、美女二人に挟まれてるのが恥ずかしいのか…どっちにも取れるなあと…(笑)
二人を振り切って逃げ出すのが、全速力で毎回笑ってしまいます。
それを追うように走って行く二人も次場の転換とシャッター切ってて、スピーディーでつい目で追ってしまいます。


🌙京の町(祭り当日)
平安初期の祭りだからか、唐の影響を受けた装束の踊り子が華やかに舞う。
大阪の…南大阪の方ならわかって下さるかな。「四天王寺ワッソ」のパレード思い出しました。
町の人達が歌にあるように、衣装を一寸変えて(オシャレして)細かい…。ってなりました。

銀橋を渡る業平が娘達に手を振るところ、ヨユーの「微笑み無し」かなと思ってたけど、しっかり微笑んでましたね(笑)
ほんと…たらしや…(笑)


🌙神泉苑(魂鎮の祭)
唐風の装束に身を包んだ妓女が華やかに神楽を舞う。
大喜びで見ている清和帝、のんびり優雅に酒を酌み交わしつつ楽しんでる公卿たち(ここ、いつも尚樹くんの融さまに目が行きます🤭)。
対象的な藤原の兄と弟。
原作だと、参内するのは高子だけだけど、基経の陰謀で入内前の多美子も呼ばれてて。
帝の二人に対する扱いが、(悪気なく)違いすぎてて、そりゃ基経にしたら毒のひとつも盛りたくなるわなって。
良房の苦虫を噛み潰したような顔みて、上から目線な顔する良相が一寸怖い(笑)

平場では、ダンサーかれんちゃん渾身の大師さまの舞が終わり、呉王と呉女の夫婦舞が始まる。
このね、…や、何度も書いてますけど、ここね!
れいこちゃんの女装見られると思いませんでしたか?!
なんだったら、大師さまの迦楼羅が出てきた時、真っ先にオペラ上げましたよ🤣
…まあ…とても格好良いのでいいんですけどね(笑)
(ダンス上手い)くらげに(ダンス苦手な)れいこちゃんが褒められてる図に、毎回ニヤニヤが止まりません🤣

その周りで踊ってる白梅と長谷雄も面白い。
ほんと。原作では絶対ありえない設定なんだ(と思う)けど、宝塚でやるとこんな展開になるのよって感じ😅

それでも、ちゃんとキャラ(性格)は崩さずに通してるとこ、いいと思います。
現れた多美子に見とれる長谷雄の「やっぱりな…」感たら最高です。

それにしても、まのんちゃんの多美子姫も可愛すぎる!
失礼なセリフをあれだけ可愛く言えるって才能だと思う(笑)
結構あのセリフで客席クスッてなってますよね。

清和帝とお似合いという以上に相思相愛って感じが見てて微笑ましい。
ここに入っていかなければならない高子って大変だな。それも、そうありたい訳では無いのに。

この時、基経が踊り手が粗相した事を咎めたのって、主上に無礼だとか、興を削がれたからとかでなく、流れ切られたからかなって思ってしまいました😅

常行が踊りの名手ってのも、踊り手と一緒に踊らせるのも、「え?(笑)」ってなったけど、多美子まのんちゃんの「私も、お兄様の舞が見とうございます」って全兄が「頑張る!」ってなるお願いと、一寸神妙な面持ちの道真れいこちゃんとのアイコンタクトが見られただけで、「ありがとう、田渕くん!」ってなった訳です🤣

二人の舞を呑気に見てる公卿たち、なんかさわさわと口元隠して言い合ってるの...まじ気になる~!

多美子に酒を注ぐ女房の動きに違和感を感じた道真、察して止めに入る常行。
あの、結構段数ある所ドカドカと駆け上がり、持ってた檜扇で杯をたたき落とす一連の動きが…かっこよかった。
本当に、(出世の道具としてでなく)妹を大切にしてるのねって思いました。てか、この二人恋人役やったりしてたから、勝手に「重度のシスコン兄ちゃん」って見てしまいます🤣

なんせ、妹守るために毒が入ってると思われる酒、干してしまうんですからね。

素直な帝は「いい飲みっぷりじゃ」と、楽しげに舞の続きを催促するけど、計画邪魔された基経は、涼しい顔の裏でめっちゃ憤怒の炎上げてる…様に見えました。ほんま、今回のおだ、怖い、怖い(爆)

毒が回って昏倒する常行を、助け起こして自分の屋敷に運び入れる道真。

ぱるくんたら、正しく、灰原先生の仰ってた「大変な役どころ」でしたね(まだ続くけど🤭)

舞台前面の芝居は緊迫してて、踊り手たちと常行の関係もわかってるからアレだけど、後ろの方々、この状況をどう解釈したのかな?
少なくとも、帝と多美子は不安気に見てたよね。
呑気な公卿の皆さま(笑)は、一瞬「え?」ってなりつつも、「なんか酔いつぶれたらしいで」と納得してたけど...(笑)
出てきた業平に、「あなたが想像した通りの事ですよ」って(踊り手の)身分考えたらとんでもない暴言吐き捨てて出ていくし…。
少し気になるところではありました。

元々この毒を盛るエピソードって別の人(伴善男)が被害者なんだけど…。
よくストーリー端折って、エピソードだけ生かしたなって思いました。
「原作と違う」って思ったけど、怒りはなかったし。

色んなエピソードが、怒涛のように押し寄せてくるスピード感が面白いなと感じるからいいのかな。
「え?え?え?」ってなるけど、置いてけぼり感じるより、ワクワクが先に来る展開が面白いから。

🌙神泉苑の外
そんなこんなで、祭りは終わりになり、帝へ目通りする予定だった高子は一人祭りを眺めている。
ほんと、じゅりちゃん長袴の捌き素晴らしい!掛けの裾が銀橋から少し落ちてるのが、MYツボです(笑)
後、高子って、垂髪の後ろをハーフアップに紅白の組紐で結ってるのね。
若き日の高子だけかと思ってたら、じゅりちゃんも(この時)してたから、一寸「へー」って思いました。

祭りの人波に恋しいひとを見つけた瞬間の、なんとも言えない空気も良かった。そこから、兄の基経が声をかけた瞬間に凍りつく温度差も感じられて…やっぱり芝居上手いなって思いました。
兄上に問われて、しれっと誤魔化す言い方も、業平にだけ伝われって言葉もすごく気持ちが乗ってたと思いました。

ちなつちゃんの業平も、往来から高子見つけた時の息を飲む感じ、めっちゃ伝わりました。
ほんの一瞬だけでも、恋しいひとに会えた喜びというか、ときめきと驚きが、手に取るように感じられました。

その後の業平の歌がまた切なくて…。

今回「大人の恋」担当ですもんね(笑)よかったと思います。

🌙菅家の屋敷
原作では、毒を飲んだ伴善男の屋敷で看病してますが、こちらでは道真の自宅。
色々本が手近にあって調べやすくなったんじゃないかな(笑)

すっかりちゃっかり昭姫もいるし(笑)
菅家って、随分オープンだなあ(笑)

ま、偉そうに色々出来ちゃう道真が、初めてぶち当たる壁に不安感じて弱音吐く相手は、昭姫(ヒロイン)がいいよね。
二人には全くLoveなしで、もちろんそうであるべきだし、そういうのはいらないんだけど、なんというか…本音を言える相手…なのはいいな。
そして、いちいちくらげのが上ってのも図式として好き🤭(力関係的にロマ劇再び!)

それにしても、一寸気になる(というか、灰原先生的によかったのか?と思った)所が。
白梅と長谷雄の立ち位置...。
原作見てたら、「あー、とうとう侍女とニコイチ扱いだよ、長谷雄😅」ってなるけど、知らない人が見たら、「彼、なんか馴れ馴れしいけど友人か?使用人か?」ってならないかなぁ💦
桂木は「長谷雄様」って呼んでるけど、とある日、(火鉢集めに)退場する時白梅ったら、後に中納言まで上り詰める貴族に「行こう」って言いましたよ🤣
もちろん、あみちゃんが、そう言わせるちゃう長谷雄のキャラクター(性格)を的確に作ってるからってのもあると思いますがね🤭

普段温厚なパパ是善が、常行を助けるために運び込んだ事に対して、「藤原と関わるな」と忠告する。
自身がそうした為に嫡男であった息子を死なせた後悔と、大きくなり続ける権力の闇に、才も未来もある道真を近付けたくないって、親心…なんだけど。
まあ、反抗期の…殊、息子が男親のそういう気持ち汲める訳はなく(笑)決裂してしまう。

この場面の道真が、実は一番大人っぽいなと感じてて。
父親との場面なのに…っても思ったんだけど、一番身近な「大人の男性」である父相手だからこそ、大人らしくしゃべったのかな。ええと…れいこちゃんの演技的に(笑)
話の内容の重たさもあるんだろうけど。

きっぱり「権力に興味無い」と言い捨てて去って行く息子の背中を、切なげに見送るヤスの演技もいいなと思います。


🌙基経の屋敷。
ほんま、おだが怖いんだけど🤣
一人廊で酒を呑んでるかと思いきや、黒装束の手の者と物騒な会話をしてて、先の多美子暗殺を失敗した女房を躊躇いなく始末し、尚且つ今度こそと、手を打つ。

全然怒気孕んでない「よくも粗相をしてくれたな」ってセリフとか、必死の命乞いに「そうか。では褒美を取らさねば」とか、なんだったら微笑みを称えて「そんな顔をするな」ってセリフの裏に「お前にはもったいないくらい贅沢なもので殺してやる(喜べ)」と言ってるのが聞こえて、ほんと、ゾッとした。
そしてなんやらきれい…というか色っぽさ感じたんですよね~。
こういう男敵に回しすって思ったら、そりゃ「手を引け」ってなるし「関わるな」ってなるよね。

後、吉祥丸への執着が切なくなる。

ここの女房、深雪の妃純凛ちゃん。毒飲まされるところ、演出の都合もある(尺取れないとか)と思うけど、もう一息抵抗して欲しかったな(笑)足とか手先とか動いてもよかったんじゃないかと。そしたら、基経の冷酷さがもっと引き立ったんじゃないかとか思いました。
や。個人的にね。

基経の「多美子じゃ…」ってセリフにどれだけの恨みと怒り含ませたらあんな怖い低音になるのよ、おだ。


🌙道真の悪夢
褥に横たわってる常行の傍で、胡座組んでうたた寝してる道真。
魂鎮の舞姫、大師の迦楼羅が道真を夢に誘っていく。
優しかった兄、幼い自分。
殺された兄と同じ目に合わせたくないと心配する父と女房。
百鬼夜行の鬼共を従える基経。囚われる多美子姫。
…なんというか…。
とても印象的に、道真の喜怒哀楽というか…潜在意識の中にある感情を、美しく表現したナンバーだなと思いました。
結構沢山人が出入りするけど、道真の意識ででは今ここがフォーカスされてるのねって思う様、フォーメーション(さすが桜木先生!)とか照明の使い方とかすごいいいと思いました(なんか偉そうな言い方やな💧‬)

個人的にあの高さのセリの上で阿呼抱いてクリクリ回した一星くんに感動しました。
で、回された回転そのままの勢いで階段降りるチノちゃんにも感動でした。

そういえば、迦楼羅の頭飾りの羽根、結構早い段階から毛羽立ってたのなんでかなって思ってたら、道真のお衣装に当たるのね、ここの絡みで(笑)
…身長差萌え発動するわ~💕

夢終わり、元の位置へ板付くれいこちゃんとぱるくん。
うっすら見えるの目を凝らして見ちゃう私(始まりの時も、勿論見てる)。
メイキングのね(「ミライ演出家」田渕くんの回)、ここの褥が、ぱるくん大きくて、
尺が足らなくて作り直したって話を見てからというもの、どんだけでかいの?って気になって…🤣
一間(約180cm)じゃ小さいって…2mくらいにしてるのかな(爆)
確かに、でかい気がする(笑)

悪夢のコロス達にガードになりつつ褥敷いてもらってスタンバるぱるくん。
こういうの目にすると、「生観てる」って実感するから大好き(演者は見られたくないだろうけど)。

でも、ぱるくんに気を取られては、れいこちゃんの飛び起きるとこ見られないので、要注意です🤭
この作品でベスト3に入るくらい好きな芝居なんです💕
声になるかならないかってギリギリで零す「はっ!…夢か…」ってセリフと、冷や汗が見えると錯覚させられる蒼白の表情…。
…はぁ…かっこいい😍💕なんでこの人、いちいち男らしいんでしょうね(笑)ほんと…好き💕

ま、それは置いといて(笑)

無事(?)生還する常行。
2日も生死の境をさ迷ったのに、妹が心配で飛び起きるって…体力おばけか、筋金入りのシスコンか(笑)
また身長の話なんだけど、この時ぱるくん、本当に足袋はだしだねえ。かかとなんも入ってない(笑)れいこちゃんもくらげもヒールあるの履いてるのに(笑)好きだわ(笑)
そう、ここのぱるくんの羽織ものエヴァカラーでワロタ←伝わる?
この時代のお衣装でよくある重ねなんだけど、長身のぱるくんが着てると…なんかウケる…🤣

この件で多美子が狙われてる事が確実になって、(基経が)入内までに手を打ってくるとすれば、前日が危険だと、巨大すぎる相手に手をこまねいていた業平も、また加えて欲しいと現れる。
腹立てて、ぷんすかしてるけど、大人に素直に頭下げられて居心地が悪い道真が可愛い(笑)
昭姫と一緒に「ふふっ」てなる。
そう、ずっと気になってたんだけど、「町人」のアクセント、「商人?」ってなる。あれ?町人って平板じゃないの?

「百鬼夜行」の鬼が、誰の手の者かわかってるのに、その日はだめだとか、祭りで祓われたとか話してるのが、や、理解はできるんだけど、なんか引っかかるのよね。
原作でこのくんだり、宝塚版では出てこないキャラとか出てきて複雑だから、シンプルにした分こういう事になったんだと思うんだけど。
本物の鬼でない奴らに「魂鎮」の祈りが効くのか?って。


🌙内裏
で、帝や参議たちに作戦を奏上する業平に「ええっ?!手の内話しちゃうの?」って思ったんだけど、良相・常行親子を出仕させず、常行がまだ重篤だと思わせといて、(基経を)油断させ、おびき出す作戦…なのね。と。
鬼たちは、基経が仕切った「魂鎮の祭り」で祓われたって事になってるから、「百鬼夜行」が出ても出なくても、基経はリスク負うよね。
どちらを選ぶか…でも、多美子暗殺を取るだろうって思ってるのね。
なるほど…。

義父に念押されて、やる気というか怒りに近い感情が吹き出してる基経の決意のワンフレーズが怖い、怖い(笑)
頭下げたままキッて睨んで歌い出すのが…呪詛でも孕んでそうよ(笑)


🌙夜の京の町
多美子姫が乗ってると思われる荷車を襲う鬼たち。
人が乗ってるって知らない是則たちは、荷をさっさと放って逃げるよね。そりゃそうだ。
てか、テイとしては「荷物」だけど、仮にも入内する人の荷なんだから、一人くらい警護付けてもいいんじゃないの?…え?是則が警備要員?や、ただの家司だから…それは可哀想(笑)

是則達がいなくなった瞬間、鬼から人に戻る黒炎たちの動きが、ツボです(笑)
地味にかっこいい兄ちゃん'sやんって(笑)
やってる事酷いけど、言葉丁寧だし(笑)

初日、ここも予想と違ってって騙された(笑)
原作では身代わり、長谷雄だったから(笑)あの「きゃっ」て声、あみちゃんかと思って喜んだよ(爆)
次の瞬間、違うってわかったけどさ(笑)
鬼に対峙する、業平率いる検非違使たちと、道真、長谷雄と白梅に、大拙。
多美子姫の身代わりの昭姫を人質に取られての大立ち回り!
栗原先生の賑やかな(笑)テが最高です。
大拙なんて、昭姫がいるからメンバーに入ってると見せかけて、その実、荷車押すために入れられたのねってなる。
その車の上で、必死の形相で松明振るう長谷雄が面白い。
業平は仮にも近衛少将(左近衛権少将)だけあって、強いしかっこいい。
道真は…💧‬...そうなのよ…だって引きこもりさんなんだもの、立ち回れる訳ない…舞台前面で、白梅と気持ちだけ先行した(笑)大あばれをしている…😅(刀持って突き飛ばされるちるちるに既視感...あ、るろ剣の弥彦か...)
えーん。誰より和物の殺陣上手いれいこちゃんが後塵を拝するだなんて😣
思い返せば、「夢現無双」の又八は全くダメダメで、「桜嵐記」の正儀は、太刀でなく薙刀みたいな長巻を使ってたし、「川霧の橋」は論外の町人だったし。
月組に来て和物は(思いの外)やってるけど、「刀の殺陣をやってない!!!」のよおおおお😭
面白くてウケたし、キャラ設定なんだから仕方ないんだけど…やはりこれもかってしょぼんってなったわ。

気を取り直して、ある意味一番好きな、「昭姫を庇って斬られる」道真ですよ!😆
引きこもりさんだから、袈裟懸けに当たった刀の衝撃だけで、気絶しちゃうくせに(や、ごめん。打ち所悪ければ骨折ものですね)、みんなが悲しんでるの「勝手に殺すな」って文句いうとこ😂それも緊迫感ゼロで(笑)
やーもう、めっちゃ面白かった。
昭姫のぽかんって顔が一番(笑)
ムラの楽で、みんなを二度見した道真にもう一度笑ったよ。

懐から出した書の切れたとこ、何日か目から「こうなったのね」って感じで白梅と長谷雄が説明的な動き始めましたね(笑)二人で「なるほど~」って納得してるの可愛くて好きです。
あ、で、めっちゃ得意げな道真も可愛い(笑)ピノキオ並に高々と伸びた鼻、見えるようでしたよ。
そして、こまっしゃくれた子供に一杯食わされて苦笑する大人ふたり。ここの二人の雰囲気からその「こまっしゃくれた子供」に親しみと信頼寄せてるんだなって感じ取れて…すごく好きです。
本当に、いい芝居するよね。みんな。


🌙藤原高子の屋敷
多美子姫入内の知らせを受ける高子。
表向きには(良房、基経的には)入内を出し抜かれてしまった形だけど、…あわよくば自由になれるチャンスのあるこちらにいたい高子は一寸安堵して、気軽に会えなくなった可愛い従姉妹を懐かしく思う。
「それはあちらも同じでしょう」と返して、別件の「使いの者が…」って、手紙を渡す山路。
高子の誤解を正さず緩く笑って退室する…。
なんて良くできた女房だ!
さすが、高子姫の側近中の側近!
本当に高子の事思って心を砕いて仕えてる人なんだなって思いました。
山路の向こうにさち花ねーさんの人柄も透けて見える様で…感動です。

果たして手紙の主は、唯ひとりの人…業平で。
高子が歌を詠み始めると、若き日の業平の舞う姿が浮かび上がる。
御簾には、業平がしたためた様に歌が投影され、業平の声が意訳を歌う。

出世の道具にされ、想う人と添う事が出来ないと知りつつ、「いつか」を「必ず」と誓い合う。
ううう…大人の秘めた恋…。
ちなつちゃん、じゅりちゃん、ありがとう。

この場面の業平の歌が影ソロ(生)って聞いた時、なんて贅沢な!って思いました(笑)


🌙内裏内(廊下)
無事入内を果たした多美子。
一人唐風のお衣装なのだけど、めっちゃ可愛い(原作の衣装)。
原作通り、純真無垢で、自分が兄(叔父)弟(父)の代理戦争の渦中に投げ込まれただなんて全く思ってなくて、ただただ、優しく気の合う主上のお傍に行きたい、大好きな高子お姉様と一緒にいたいって、思ってるだけ。
ま、きっとこの物語から十何年経ったら違うことになってるかもですけど…散々権謀術数な腹黒鬼さんたち見てたから、一服の清涼剤な感じよね。

高子との対比がえぐい…💧‬

でも、神泉苑で多美子を暗殺しようとしたんだから、当然、内裏の中にも手の者忍ばせてる基経。
フツーに通りすぎる女官に混じってその女が懐に入れてた藁人形と木槌振りかざした時には「ひえぇぇ💦」て思いました。
と、同時に「え?次回への伏線?」って(笑)
ラスト近くで、こういうエピソードぶち込んで来るの、すごいな…と。
このくんだりが次場の道真の言葉「鬼はまだ、都の至る所に潜んでおります」に掛かってくるのよね。

そういえば、この場面の吉野のセリフ。私、楽日まで勘違いしてました💦
「主上が姫様の『琴』を聞きたい」っていってたのね。
ずっと『事』だと思ってたよ🤭
ここもアクセントの問題ね💧‬

しかし、主上が多美子を見初めた時には「琵琶」を奏でてたんだから、琵琶でよかったんじゃないかなってこっそり思いました🤭


🌙内裏(朝議)
この場面が…最初もやっとしたんですがね…。
道真が帝に目通りするってくんだりがね…こういうことでわざわざ参内するかなって。
道真的に、帝に直接「人の皮を被った鬼には気をつけろ」ってよっぽど直で言いたかったのかな。
か、基経に釘刺したかったのかな。
ストーリー上、オチとしているのは分かるし、演出的に、多分そこ「私利私欲にまみれた人間こそ鬼」ってとこを言わせたかったのは分かるんだけど…。
なーんかなあ...。

ま、道真と基経のガンの飛ばしあい(笑)が、「次回への伏線?!」再びで、面白いんですけど🤭

あ、めっちゃ蛇足だけど、お目通りして立ち上がるとき、れいこちゃん裾踏んでちょっとあってなった時あって(初日近く・笑)よく考えたら、後ろだけ長い袍、この時だけなのよね🤭(呉王は全体的に長かったし)


🌙応天門の前~エピローグ
結局、帝へ道真が奏上するって話は、業平発案だったのかしら?
自分が話すより納得してもらえると判断して。
めっちゃ睨まれて矢面に立ちましたけど…道真(笑)

で、前場の続きみたいな話なんですけど、帝へのお目通りが叶ってよかった。出世への足掛かりが出来た。みたいな会話がありますけど…長谷雄はともかく、道真がそれを望んでいるのか...望むのかって疑問でした。
興味ないんですもんね、権力...。

...長谷雄って後に左右大臣までは行かないけど、中納言まで出世するんですってね。道真のおかげかは知りませんけど(笑)

色々あったにも関わらず、しっかり請求するとこはする商売人の昭姫に、請求書突きつけられた長谷雄から丸投げされて、白梅に押し付けて逃げた業平(笑)
ま、なんやかんやで後で払うんだろうけど(笑)、…大人気ない🤣
けど、すっかりこのメンバーに馴染んだというか…そんな感じを受けて(業平ってキャラとしてはどうなん?と思いつつ)、楽しかったです。
なんの躊躇いもなく白梅の手を取って請求書握らせるし(笑)

原作では、白梅、業平に憧れてるってエピソードあるから余計に面白いですね(笑)

バタバタと三人がいなくなって、昭姫と二人になる道真。
フツーの宝塚の作品ならここで告白したり…ってなるんですが、全くない。
ぶちゃけ、今回のセリフ、読み方次第でLove入れ込めるものもあるんですよね。
でも、全く感じない。
すごいと思います。観てる私たちって、二人が「トップコンビ」って知ってるじゃないですか。だから一寸感情を予測変換してしまいそうになるのに(笑)
この二人ったら、言葉の意味以上の感情はなくて。
すごいな、と思いました。
そうであって欲しいって思ってるんで。

「人使いの荒い坊ちゃんですこと」って、カラカラ笑って出ていく昭姫カッコイイって思いました。

その昭姫を見送った道真の顔が、少し大人になった気がしました。
今回の事件を通して、「引きこもって書物ばかり読んでる」だけでは、理想の国にする事は出来ない。共に生きる人の心を知ろうとするには、表に出て経験を積まなければいけない。と、覚悟という悟りを得たのかなって。
だから、帝にも目通り願って進言したのかな。ってここでやっと納得(笑)

最初にも書きましたが、紗幕の墨流しのデザインがキレイ。川霧の時のより主張強くなくて。
ラスト、その紗幕に映った梅と、奥の月がいい具合に遠近感出してて、めちゃくちゃ綺麗でした。

優しげな風に揺れる梅。
ほのかに香る梅の香。
胸に吸い込んでさっぱりとした顔になる道真の歌。

道真の、その覚悟が優しいけどキッパリと出てる歌だと思いました。

ほんとにほんとに大好き!歌詞もいいし、メロディーラインがほんとに感動ものなんですけど!青木先生ほんとに素敵です!

紗幕いっぱいに映し出していた梅の花と月が消え、幕が飛ぶと、「鬼の牙城」に立つ、道真の(政)敵になる藤原の面々が鬼を従えて居並ぶ。
銀橋下手側でパッと客席に視線飛ばす道真れいこちゃん。
そしてアクセント強く終わる曲。
思い切りの良いカットアウトの照明!

この...to be continued感!!!🤣

最後の最後でまた「続きお願いします!」って盛り上がる期待(笑)

田渕くーん!
見誤ってたわ。
すごい!面白い!まじありがとう!

こんなにワクワクするの、ほんとに久しぶり(笑)


原作、読み返して続きも読んで、BDもくり返り見る位、作品にハマりました。

もう(書いてるうちに)終わってしまいましたけど、ほんとに面白かったです。

本気で後100回観たいです(笑)

ほんとに良い作品をありがとう。
産み出してくださった灰原薬先生、れいこちゃんの月組にと脚本書いて下さった田渕大輔先生。
そして、生き生きと演じきってくれた月組の皆さん、オーケストラの皆さん、様々なポジションのスタッフの方々、ほんとにありがとうございました。


そしてそして...ここまで読んでくださった皆様にも心から感謝を!
いつもありがとうございます。