少し前ですが、ご縁があって観させて頂きました。
あの「赤と黒」が何故にフレンチミュージカルに?ってのが最初に聞いた時の印象でした。
え💧あの作品が、フレンチミュージカルになるの?イメージわかない...(シバタ先生のそれしか知らないから※原作未読)と思いつつ、若谷先生の潤色演出ってのも気になって、観てきました。
結果から言うと「やっぱりジュリアンって男がマジ理解出来ない」というのは変わらなかったですが、「そこ以外は全部いい!」って思いました🤣
「全員歌が上手い!!」って、ほんとに感動。
ストレスなし!
星組でここまで歌で感動したのいつぶりかな(爆)
まこっちゃんとくらっちが上手いのは分かりきってる事だけど、その他のキャストも上手いんだもん。気持ちいいわ!
元の「フレンチミュージカル」版がどんな書き方をしてるか分からないけど、今まで「赤と黒」に持っていた「女性蔑視」な箇所が結構なくて(さすが海外作品)、レナール夫人にしろマチルドにしろ、自分がちゃんとあった上でジュリアンに恋してる様に感じました(伝わるかな💧)。
というか、「ジュリアンも、本気やってんな」って思いました(笑)
「野心がある」って所がシバタ作品(以外前作)より書き込みが少ない分、「女騙してのし上がろう」感が薄くて、「気持ちはあるけど、(若さ故)色々迷っちゃってる」感じに...レナール夫人に恋した様に思えたし、レナール夫人が前作よりしっかりしてる(笑)から、あんな酷い愛想尽かしも納得出来る(そしてそういう方向で彼を守ろうとしたのも)。
マチルドへの想いも、「レナール夫人を忘れようとして」ではなく、「女には騙されない」って思ってたのに好きになってしまったって過程が見えました。
...とはいえ、彼女の気を引くため(?)にほかの女性に気がある振りとかほんとサイテー野郎だなって思いますけどっ(変な事吹き込むなジェロニモ💧)。
マチルドが、彼に興味を持ったのも好きになったのも理解出来たし、「妻として」夫である彼を何とか助けようと動くって所も前作よりしっかりしてるな(笑)って思った所です。
マチルド嬢の口から「私に任せて」ってセリフが出るなんて(笑)
その彼女がまるで(恋人として)いなかった様に死を選ぶのは、観ていて、ほんとに...「ふざけんなっ!」って(いつも)思うんですけどね(笑)
もぉ、今回ほんとにマチルド可哀想だった。
前作の「ただの気の強いだけのお嬢様」だったら、しょーもない男に引っかかったねって感じですけど、今回は、しっかり考えて自分で動ける人だったから。子供まで出来てたもんね(前作はそこまでなかったですよね?)
ジュリアンの無責任さに呆れるばかりです(笑)
ジェロニモによって彼女のその後が少し語られたのが救いでした。
まこっちゃんのジュリアンがね、私「一寸病んでる」というか「(前作より更に)思い込み激しすぎ」なキャラに作ってる様に見えました。で、一寸卑屈っぽい(笑)
でも青年になったばかりの若さ故の純朴な所もチラチラ見えたりして...今までにないジュリアン像を作ってたと思います(作品違うから当たり前なんだけどさ)。
くらっちは、とにかく圧巻!
なんでこの子がトップになってないの?って位すごい。
繊細で確実な演技と、滑舌の良いセリフと伸びやかすぎる歌。
まこっちゃんと並んでるの見たら、(そこそこなヒール履いてるのに)身長差あって、それも良かった。
正直、今回この役彼女にさせたくてキャスティングされたんじゃないかと思うくらい当たってた。私の中で、「鎌足」の皇極天皇に迫る当たり役だと思います。
マチルドの詩ちゃんは、正直びっくりしました。
可憐なイメージを残して組替えして行ったので(笑)こんなにインパクトあるお役出来るだなんてって...。歌も芝居も文句なし。可愛いし強いし、「世間知らずの反抗期お嬢様」でない、「理想と思いを持って突っ張ってる女の子」になってたと思いました。ジュリアンにあんなに酷い扱いされのに、彼を愛する夫として思い続けたって所に感動しました。
そして(そして?)、狂言回しなありちゃんのジェロニモ。
前作(原作?)のええと...近々なられいこちゃんが演じた...フーケと、コラゾフ公爵(こいつがめっちゃ嫌いやった)...と、ピラール神父の役割も果たしつつ、新たなキャラとして作品に面白みを出すってお役。
なんというか...作品が重たすぎず一寸見やすいライトめの作品になる様にしてるのかな。まぁ、全体的に言えることだけど...。
ありちゃん...ほんとにいきなり伸びたなって感じました。や、月組では発揮出来なかったのかな?この実力。
星あり(星組のありちゃん)を見ると、こちらの方がありちゃんのカラーに合ってるなと感じます。ありちゃんが路線に乗った頃の月組の「キラキラ感」は、今や星組のそれですもんね(なんかごめん、ありちゃん💧)。
で、ちなちゃん!彼女も芝居も歌も上手い!ある意味1番このジャンルの歌にあってたかも。
エリザって、まぁまぁ逆恨み甚だしいキャラやなって思ってたけど、歌がね、レナール夫人との歌を聞いてたら「そりゃ怒るわな」って思いました。
パッと見愛風ゆめちゃんに似てる?って、注目してしまいました。
ひーろーと、びっくら小桜の夫婦がえげつなくて面白かったです。このお役も前作と割合違ってて大活躍でしたよね(とゆーか嫁出てこなかったよね?)。歌うますぎて...ここも(笑)あの薄い衝立が付いてる台に乗って歌うとこ、コケないか心配になりました(笑)
シモンのレナールさんは、前作に比べていい人やなって思いました。んで、フランス人らしい夫婦だなっても思いました(イメージ)。「好きすぎてなんて言っていいか分からない」的な歌、切なくて良かった。
ラ・モール公爵のじゅんこさんは、(いつもの事ながら)いてくれてありがとうだし、やっぱりお父さんって役似合うな。怒りを一旦収めて、娘の為に彼を受け入れる所がさすがだなと思いました。
後、カテコでの優しい(みんなの)パパっぷりも好きです。なにか笑わせてくれる所も(笑)
なっちゃんの元帥夫人は、ほんとになんのために出てきたんだ?ってなる可哀想な役どころ(だと思う)んですけど、...なっちゃん楽しそうでしたね。「若い子との火遊び」を軽く楽しんでる感じでした。お衣装がめちゃくちゃお似合い(実は1番好き!)で、ほんとに「大人の女」でしたね。
オンブル(影)という名のコロスちゃんたちのお衣装が素敵やなって思いました。グレーのオーガンジー(?)のふんわりした所が掴みどころのない「影」っぽいですよね。娘役ちゃんのカツラの三つ編みを這わせてアップにしてるのも凝ってるなと思いました。色んなお役しながら転換とか大変そうでしたね。実は1番忙しいキャストだったかも(笑)
そう、セットがね、アイアンの柵のバラの装飾とか、ホリに映し出す(若谷先生お得意の)花の動画とかがほんとに素敵でした。
後、見える所に照明の灯体置いてる所とか、ピンスポを舞台上で下級生ちゃんに使わせるとか、スクリーンの上げ下げとかセットの移動が生徒の人力だとか、ものすごく「小劇場」らしくて好きです。
ほんとに集中して観られました。
作品の本筋はほんとに嫌いなんですけど、もう一度観てもいいかなって思いました。