演者
れいこちゃん。
れいこちゃんの前髪、結局ポスターと同じ分け目になってましたね(笑)
れいこちゃんのジェイは、「自己犠牲」「尽くす男」が全面に出てて、それが、別に耐えてる訳じゃなくて、自ら望んでそうしてるって所が...なんというか...虚栄心すら涙ぐましい努力に見えるキャラになってますよね(笑)
少年時代の「真面目な向上心」はそのままに、愛した人のために、ある意味手段を選ばずのし上がって行って...。
今までで1番、同情出来るキャラになってる気がします(笑)
なんだか、清々しい。やっぱりこの人(れいこちゃん)、武士だわ(笑)というか...いい意味で、すごく和のニュアンス?感じます。←伝わって~!

ずっと思い続けていた彼女との再会。同じ言葉を繰り返す二人。
人目を気にせず(デイジーは気にしつつ)踊ったタンゴ。
やっとこの腕に抱いた永遠の恋人。
助手席に飛び込んできた彼女。
二人で歩む道を選んでくれた彼女。
でも、一緒に行けないと泣いた彼女。

ジェイにとって、デイジーがどの様な状況であろうと、「永遠の恋人」で、「欲して」「尽くす相手なんだと。
彼女の為なら死をも厭わない強い愛(死ぬとは思ってなかったかもだけど)。
それがほんとに「すごい」って思ってしまう。「すごい、羨ましい」(笑)
そこやな、と...。
月城かなとのジェイ・ギャツビーが「グレート」な所以は、「誰にも真似出来ないほどに、愛しい人しか見ていない生き方を貫いた人生」の凄さなんだと思います。


くらげ。
デイジーも、なんかやたら強いというか、感情がくっきりはっきりしていて、挫折しても「私が決めて挫折したのよ!」みたいなひたすら気の強い(悪い意味でなく)キャラに作っている様に感じました。「おバカさん」にあえて「なってやった」から、夫と元恋人との間で揺れてるのも、流されてフラフラしてる感じには見えなかったのが良かったです。

添うのは無理と分かりつつ、ジェイを求める気持ちが切ない。

ゴルフの場面の最後、ジェイの素性を衝撃的に知って、「やっぱり無理よ」となる所...。
モラルとか規範意識とかそういうんじゃなくて、ひたすら現実的に「(安全ではない)裏の世界に私はついていけない、娘を連れて行けない」と考えたんだと、「愛だけでは生きていけない」と考えたんだと...そう感じて、初めて「なるほどな」と、腑に落ちたんです。

見ている私の年齢が上がったせいもあるかもですが、1番共感出来る「デイジー」でした。
ジェイがデイジーにこれほどまでに惹かれるのも、わかる気がしたくらい...。

ギャツビーのお墓にバラを捧げに来た時の、能面の様な顔に彼への愛と懺悔と決別を感じました。差し出されたニックの手を拒絶したのもよかった。


ちなつちゃん。
死ぬ程嫌い、こんな男。って思うのに、ちなつちゃんが演じるとびっくりする位嫌味がない(笑)「あー、おるおる、こんな奴(友達にはなれんけどな)」って納得してしまう(笑)こんな生き方しか知らないんだなって。
お金は降ってくるもので、使い続ける事に意味が有るって位で。自分たちがいるから世界が回ってると思ってて、人に指示して用を済ませる事は当たり前で、女は寄ってくるもので、なんだったらアクセサリー位に思ってて、「妻」は所有物で。
...だから取られそうになったら慌てて阻止しようとする。
「俺のものは俺のものお前のものも俺のもの」的思考(笑)

でも、きっとジェイという「妻の昔の男」が現れて、妻の為に罪を被って(浮気もある意味精算してくれて)死んだという事実に、男として負けを認めて、最期の別れをさせてあげたのかな...とか。
まぁ、夫婦関係は修復出来ないだろうけど、ジェイが来た以前よりは、夫として父としてもう少しマシな人になっていくかも...な...って想像します。
きっとでも、もう、デイジーには届かないんだよ💧

デイジーがジェイのお墓に花を手向けた時に、車の側でタバコに火をつける仕草が、なんかリアルで好きです。


おだちん。
ニック!ニック! 
古き良き時代の「お育ちの良い(けど常識的な)お坊ちゃん」。
よくよく考えたら、一番世間を知ってる人なんじゃないかとも思うんだけど。この作中では、ひとり異質な時あるのね(笑)
演出的にも「ストーリーテラー」だから当たり前っちゃ当たり前なんだけど、作中、一番マトモで、観客に近い回路の持ち主(笑)

とにかく「風間柚乃」はコワイ!オソロシイ!(笑)
誰よりもリアル…というかフツーの人をサラッとそれこそフツーに演じている。
観客が彼の目を通してこの物語を、ジェイとデイジーの愛の行方を見守る。
めちゃくちゃ重要なお役なのに…なんだ、あの落ち着きは…ほんとに安心だわよ(笑)

ジェイとの出会いの場面、突堤の所のね、こう…慇懃無礼…とまではいかないけど、ビミョーに取り付く島がない感じのジェイに話しかける時、息の使い方というか間のとり方が絶妙だと思ったんです!字面にするの難しいんですけど「フフ」とか「ア八」とか…そんな感じ?その「緩衝材」が功を奏して、会話が続き、きっとお互い生涯最高の友人になって、ジェイは永遠の恋人との絆を得たんですよね。絶妙過ぎる!
…ほんとに…凄い役者だなと思います。
2人の最後のやり取りは、かなりグッと来ました。

後、今回「おおー!おだやるやん!」と思ったのは、ちるちる演じるジョーダンとのキスシーンです(笑)
今までそんな場面(キスシーンとか)自体がなかった…?事もあるんでしょうけど(笑)実は前作(ブエノスアイレスの風)の時、私は初めておだちんに「男」を感じたんですよねぇ(笑)だから、今回ちょっと「はう❤」ってなりました(笑)相手がちるちるってのもあって、ロマ劇の記憶も新しいので(笑)だいぶきゅんきゅんしますね。
2人の別れが、再演の時やたら突然に感じたんですけど、今回は「だろうねぇ…」って思えたのも凄いことだと思いました。

この物語の後のニックがやたら気になるのは、おだちんの芝居がリアルだったからと思います。

続きます~💦