まさか、ムラ公演がこんなに短い公演期間になるとは思ってなかったので、どう書いていいやら考えあぐねていたのですけど...。

ムラ楽も済み、東京は順調な滑り出しの様ですので、ぼちぼちまとめたいと思います。


いつもの様に、めちゃくちゃ長文です💦
気長にお付き合いくださいませ🙇‍♀️



初演時、ギャツビーの「経歴詐称」が見栄っ張りとしか映らなくて、そしてそこが気になりすぎてどーしても好きになれなかったのですけど。
やー...今回は、その向上心と、一途な愛の深さに、じわじわ感動しました。

結局数回しか観てないんですけど、感動するポイントが沢山あってまとまらないので(笑)
ポイント毎に書き出したいと思います。


脚本
外部の公演を観ていないので、再演のあさこちゃん版に(外部のエピソード)追加したのか、全くの新しい場面なのかは分からないのですが、なんというか…豪華になったなと感じました。
禁酒法や戦後の好景気、ゴールデンエイジ、アメリカの富裕層の生活、マフィアや貧困層、ジーグフェルドフォリーズやゴルフといったトレンドなど、場面的に、よりしっかりインパクトを受けられたと思います(元々あった場面も更に深くなったと感じました)。
だからこそ「ジェイ・ギャツビー」という人間の(貧困層からなりふり構わずのし上がる気骨的な)芯の部分がしっかり見えて、観ていて「なんやコイツ」とならなかったのかと...(笑)


演出
イケコなので最早当たり前だと思うんですけど、構成力というか...2時間半、全く観ている者を飽きさせないですよね。
セリフにしろ音楽にしろ、場面転換やそのスピーディーさにしろ...裏は大変なんだろうなぁ...って観終わってからしみじみする位集中してしまいました。
そしてそれ以上に、やっぱりイケコの「宝塚」への愛と拘りをひしひしと感じました。
「宝塚版の」とわざわざ言った今回のグレート・ギャツビー。
この月組で、月城かなとが主役で...「宝塚歌劇団」だからこそのこの「グレート・ギャツビー」なのだと。
れいこちゃんもすごい。月組生もすごい。
イケコも、すごい(笑)

1幕終わりがキャスト全員の大合唱じゃない!って一寸びっくりしたのは、秘密です(笑)

あ、後、「デイジー」を「ディズィー」って発音させる拘りが、結構好きです(爆)


装置(大小道具含む)
色々新しくなったなぁと思いつつ、「大劇場」って凄いなぁと感じました。
昔なら書割多様した所を、スクリーンの画像(映像含む)で効果的演出をしたり、大掛かりな...だけど、どの様にも変化出来るセット使ったり、...でもちゃんと書割も使って視覚的に奥行とリアリティを出したり...。
やっぱり松井るみ先生の装置(セット)は凄いなぁって思います(途中までいつもの大橋泰弘先生だと思ってたけど(笑))。

トム邸(その他)の柱が、ひっくり返すとギャツビー邸の緑いっぱいの柱になったり、三面台みたいに開けるとライトが仕込まれててジーグフェルドフォリーズのセットになるのが...斬新ってほどではない手法なのに、上手いなぁと思ったり、トム邸の大きな窓から風が入っているのをカーテン(と送風機)で表現した後、「使用人達が(わざわざ)閉める」という芝居をさせたり、セリを効果的に使ったスムーズな展開(特にウィルソンが復讐を誓った場面からトム邸に変わるところ)や、ギャツビー邸の高さのある部屋と、あえてあそこに置いたクローゼットとか(笑)
とにかくとにかくインパクトの強いメガネの看板の画像、そして、結構普通に走る2台の車(笑)など、大劇場の設備と広さを余すことなく使い切っている気がしました。

あ、ギャツビーのお墓!土入れてましたね、マイムでなく。びっくりしました。くらげが投げ入れたバラが上手く土の上に乗ると音がしなくて、やたらリアルに感じました。
セリが使えたら、下げて深さ出せてんだろうけど、次場の兼ね合いで使えないからこれが最良の演出だったんだなと思いました。

小道具で気になったのは、やっぱり(笑)クローゼットのシャツですよね(笑)毎回毎回、あるだけ全部撒いて(笑)「畳む為のスタッフ」いるんじゃないかと心配してしまいます(笑)舞台稽古の時は、袖にいたスタッフ総出だったようですけど(笑)

後、お酒たち。
パーティーでボトルのコルクが飛ぶ仕掛けがあったり、うっすら黄金色のシャンパングラスだったり、ティーカップで飲むウイスキーに砂糖ツボの氷とか(ま、これは新たな演出じゃないですけど)
特におおってなったのは、「アイス・キャッスル」でジェイが最後に呑んだ「ファルコン・レア」ってバーボン。...大ぶりのグラスに2フィンガー位入ってて、飲兵衛的に、美味しそうでした(笑)れいこちゃんの呑み方も上手いんですよねぇ❤
ちなみに「イーグル・レア」というバーボンが実際にあるそうで...イケコがもじって使ったのかなとニヤニヤしてしまいました。

衣装
とにかくヤロー共のスーツ祭りに、テンション上がります(笑)
れいこちゃんはかっちりしたシングルのスーツが似合ってて、ちなつちゃんは、ピンストライプのダブルが似合うという(ほぼダブル着てないけどさ)...タイプ違う2人に眼福感じます(笑)

それにしても、「え!?月城かなとにピンクのスーツ着せたの?!(変えてくると思ってた)」と、初日観た人から聞いてめちゃくちゃびっくりしたのですが...似合ってましたね。
この時のくらげのお衣装の所々に薄いピンクが入ってて、「示し合わせた訳では無いのにリンクした」的な暗示に見えて、きゅんとしました(笑)

あ、れいこちゃんが、スーツの上からトレンチ羽織ってる時、襟の所辺りにマグネット(すんごい強力なの)が付いてますね(落ちない処理)最初、スナップボタンかマジックテープでも付いてるのかと、必死で探してしまいました(笑)。
イケコってお衣装にマグネット仕込むの好きだなぁ(笑)

女の子達のスカート丈は前回のがいいな。膝上丈はちょっと短すぎる気がしました。
初めて見た時...だと思うんですけど「長い髪とスカート切って モラルも捨てたのよ」って歌詞のインパクトが何よりも残ってたんですよね。なぜだか分かりませんけど...。この時代を象徴する言葉のひとつだったかなって感じました。
ので、この場面結構好きです。上流階級とそれ以外の対比がくっきり出てて。

娘時代のデイジーの衣装(森の場面)、あいっこちゃんが着てたのそのままかも(や、デザインだけ?)。

デイジーとの「情事」の後、ネクタイ締めながら、ネックレス留めるの苦戦してる彼女をごく自然に手伝ってあげる所の「俺の女」感と、幸福感に包まれながらベストのボタン留めるれいこちゃんの背中にドキドキしました(笑)
ここだけ「早変わり仕様」のベストではなく、ちゃんとした(ボタンホールある)ベストなのが、またきゅんってします(笑)
あ、ここのデイジーのファーコート、リアルファーなんですってね(レンタル?)!一体いくらするんだろう?
こないだも書いたんですけど、デイジーのパールのネックレス色違いで持ってるって拘りが好きです。てか、これはお衣装の先生の提案なんでしょうかね?

今回初めてのジーグフェルドフォリーズの場面。
ショーのお衣装が、初見ほんとにびっくりしました。頭飾りを「手で支えるもの」として作ってるの初めてな気がします。ピースフルプラネット地球の女王さまの冠とどっちが重いだろうって、仲間内で議論になりました(笑)

ジョーダンのゴルフウェアが可愛くて好き。ちるちるのスタイルによく似合ってると思いました。

奥様なデイジー、独身貴族なジョーダン、ひたすら派手なもの求めるマートル、それぞれの個性が出てるデザインでとても楽しいです。


音楽
今回、「朝日の昇る前に」の名曲っぷりを改めて感じました。やーーーーーー、ほんとに名曲。凄い感動しました。
れいこちゃんも話してましたけど、劇中3度歌って、その事ごとの感情で全く違う印象を受けました。
個人的に、1幕ラストの「朝日の昇る前に」(決別)が好きです。
この桁外れの金持ちになれた仕事を降りて(下ろされて)、シビアな話だとデイジー迎えても、贅沢させてあげられない(屋敷や車だって維持出来なくなる)だろうに、逆に「彼女を迎える為に過去のしがらみを断ち切った」みたいな、清々しい程の前向きさがたまらない。
「この人の頭にはネガティブなワード入ってないんだ。物事は成功するんじゃなくて成功させる人なんだ。」って...感動すら覚えます。
だからこそ、その後の流れが切ないんですけど...。
れいこちゃん個人の話ではあるんですけど、精一杯歌ってるんだなとわかる、ブレスの音(息を吐いたり吸ったりする音)をマイクが拾ってる事に感動します。

後、デイジーが「馬鹿な女の子になってやる」って歌う所、メロディーが変わって、より強く彼女の意思として感じられました。
くらげの気迫に圧倒されます。

新曲はすごいステキ‼️
制作発表会で歌った「入江がひとつだけ」は2人が最高に幸せな時を過ごしてる...その多幸感にうっとりします。
「アイス・キャッスルに別れを」は、初演再演で少し弱めだった(と感じた)「デイジーと別れてからの空白の5年間」を補填する内容だなと思って。ま、歌1曲で説明するのはちょっとしんどいとは思うんですけど、れいこちゃんの演技力上乗せされた歌唱力と、1幕ラストのウルフシェイムとのやり取りを合わせると、あぁ、そういう事か…となるなと。この場面も、ジェイはひたすら前向きですよね。


続きます💦