ホムペ時代の観劇記を掘り起こしてアップするという、お茶濁し4つめです💦
この頃の月組はめっちゃ好きで、多分大劇は全部観てました(てか、宝塚どハマり中だったかも)。
とにかく「和物好き」「タクジー(大野拓史先生)好き」って感じですね(笑)
生徒の名前にしつこく注釈書いてるのは、当時のホムペが宝塚用ではなかったからです。
ウザイかもですけど、すみません。←なら消せよ💢

月組「夢の浮橋」観劇 月組が「宇治十帖」をやると知ってすぐ原作(現代文訳版)を読んだ。 どうも好きになれないストーリーで、大野先生がどうアレンジしてくれるか楽しみだったんたけど、見終わった後、「うーん」と唸ってしまった。 なるほど、そう来ましたか・・・(笑) 当初、薫じゃなくて匂宮が主役ってどうよって思ったけど、この解釈だったら十分成り立つなぁと思った。 浮舟の、「あっちふらふらこっちふらふら」な態度のの説明も納得いったし(まぁ、あっさりやなぁとは思ったけど)。 ああなると薫、ちょっと可哀想だな(笑) 物語が、紫の上に先立たれ、すっかり惚けてしまった源氏の君の登場から始まる。 もう、凄いお衣装!まじうっとり! 直衣とか直垂とか、当然十二単とか!凄い凝ったセレクトだと思った。色の重ねとかが・・・。 (一番気に入ったのは、第十三場のきりやんのお衣装なんだけどね、襟元に注目!) 大野先生のこだわりなのかしら。 日本物はこれが見応えあるね。 セリの使い方とかも面白くて、二階席だったから、色々楽しめた。 コメディ系の場面を入れたのも、「つかみ」的によかったかも。 出番ビミョーな娘役大量に使って、匂宮の人となりを理解させる下り。結構客席受けてたわ。 小宰相の君・あいちゃん(城咲あい・しろさきあい)の「確保ー!」には笑ってしまった。 まさか「源氏物語」で、そんなスピーディーなある意味現代的なセリフ聞くとは思わなかったから(笑) ま、とりあえずこの場面で、匂宮が光源氏の再来と呼ばれる程の女遍歴の持ち主で、光源氏の娘明石の姫(中宮)の息子だとわかるわけだ。 で、薫は、光源氏の息子・・・実際は女三の宮と柏木の子だけど・・・と。 二人は叔父と甥だけど、幼なじみでもあるから仲が良くて、薫が宴に出ないほど夢中になってる女性がいると知った匂宮が、心配してその女性覗きに行く程に(笑) いい人になってるやん(笑)匂宮。 死の直前に想いを受け入れてくれた恋人、大君(おおいきみ)を忘れられず、縁の人というだけで浮舟を迎えた薫。 あまりに大君に生き写しなあまり、行く末が同じになりはしないかとの不安感が、浮舟との距離になり、それを感じていた浮舟は、自分が、大君の形代としてしか愛されていないと不安を募らせていた。 そこへ、薫の振りをした匂宮が薫と同じ衣装で同じ様な香を焚きしめて現れる。 暗闇にもかかわらずあっさり薫ではないと見破り、好き心を起こしそうな(ここでは本気じゃないだろうけど)匂宮をはねつける浮舟。 改めて明るい元で浮舟を見た匂宮は驚いてしまう。 「大君」と呟いた匂宮に、そんなに似ているのかと苦笑じみて言う浮舟。 匂宮はそんな浮舟を哀れに思い、心惹かれていく。 浮舟もまた、不安を和らげて、ただ浮舟という自分自身を愛してくれる匂宮に気持ちがゆらいでしまう。 とうとう二人は、薫を裏切ってしまう。 しかしそれは薫の知るところとなる。 嫉妬と怒りで、匂宮を東宮に押し上げ、自分の姫(匂宮の妻)を中宮に昇らせて源氏の権威を誇りたい夕霧に、二人の関係を告げてしまう薫。 浮舟の父は、大君と同じ八の宮。皇族筋の身分である。 そんな女性がもし妻として迎えられたなら、夕霧(臣下)の娘が正妻として中宮にはなれない。 二人を引き離すため、浮舟の元へ源氏の手勢が向かう。 それを知った匂宮は浮舟を救い出す為、彼女の元へ急ぐ。 行かせまいとする夕霧、相対した薫。 一人の女をお互い真剣に愛してしまった辛さと苦しみが二人を苛む。 そこへ浮舟の入水の知らせが入る。 一命はとりとめたものの、そこまで彼女を悩ませていた事を知り、自分の命を盾に彼女を護り、望むまま出家させるよう命じる匂宮。 薫も浮舟とのすれ違いの愛を終える。 彼女の為に。 そして、皇太子立坊が行われる。匂宮は、以前と変わらず薫を伴う。薫も変わらず匂宮に寄り添い立つ。 二人のそれぞれの恋は終わった。 薫がちょっと邪魔しいみたいになってるな、ま、仕方ないんだけど。 原作だったら女好きの匂宮が、真面目系の薫の恋人に興味を持って二人の間をいいだけ引っ掻き回して、 浮舟が「薫に恩あるから出られない、でも宮さまが迎えにくるし」ってノイローゼになって、思いあまって自殺未遂するってカンジだったんだけど。 だから、薫も匂宮も浮舟が助かって出家したのをギリギリまで知らないって設定だった(浮舟が連絡を拒んだから)。 だものだから、「あんな常春男が主役ってやだ」って思ったんだよね、キャスト発表の時、正直。 なのにこの展開でしょ?びっくりした。 いい人やん。 ちょっと自分に正直で、(源氏の君と同じだけど)真実の愛を・・・誠の恋人を求めてさすらっている、みたいな、本当は寂しい人になってて。 浮舟に同情して、それが恋心に変わっていく過程も良かったし。 皇太子がどうのってのもなかったと思うんだけど、それなりに膨らみ出てよかったかな。 傀儡とか、田楽とか時代の厚みも見せる場面があって、良かったと思う。 ちょっと「MAHOROBA?(笑)」って思っちゃったけど。 恋愛沙汰ばっかだったら本当に「なにやってんの、こいつら(怒)」って感じだものね。 二宮・あひちゃん(遼河はるひ・りょうがはるひ)との関係も、出番少ないのに上手いことしているなぁと思った。 二宮って、夕霧怒らせて廃太子になったのね。 夕霧恐っ!(笑) どうしてもイライラした、浮舟のどっちつかずの態度(その時々に口説いてくる男にぽーっとなって言われるままに流されていた感じ。その上「私に何が出来るでしょう」ってしか言わないの。自分がないって感じになっていた。)も、 「薫の愛に不安を抱いていた」→「自分自身を見つめてくれる匂宮に惹かれた」→「それを知った薫から自分への真実の気持ちを聞いて後悔した」→「どっちも選べなくて自殺しようとした」 という納得いく流れになってああ、よかったと思った。 薫も、本当に大君への愛のウエイトが重くて、浮舟を何やと思ってるねんって感じだったけど、そこも「初めの恋が哀しい終わり方をしたために臆病になっている」と言うのが出てて。 だからこそ、きっと本気じゃない(と思っている)匂宮に心を移されて・・・、兄弟並みに大切にしていた匂宮に裏切られたことが許せなくて、あんな行動を取ったのだと納得がいく。 専科のおねーさま方の演技も目を引いた。 光君・ばんさん(萬あきら・ばんあきら)の傀儡、光君。怖いくらいだった。 ソルーナさん(磯野千尋・いそのちひろ)の夕霧にはびびった。あのピュアだった(私の印象はかなめちゃん(涼風真世・すずかぜまよ)だし)あんな大人になるなんてっ!って(笑) で明石の中宮の梨花ますみさん(りかますみ)。貫禄~ってカンジ。 でも、原作じゃあ、源氏の君死んだ後だったと思うんだけど。 やっぱりあれかな、わが世の春的に頂点に上り詰めても、愛がないと生きていけないとか、閉じ込められて操り人形になってしまうとかで、ラストで浮舟への愛を断ち切って皇太子になった匂宮の行く末を暗示してるとか・・・。 そういうとこを表現するみたいな役所だったのかな。 結構面白いホンになってたと思った。 オリジナル設定のあいちゃんの役もインパクトあったし、面白かった。 ただ、市井の人としてなんだろうけど、あの姐さん口調やめてほしい。 京都で標準語ってのでもアレなのに、江戸弁やん。 浮きまくりでびっくりするから。 しずくちゃん(羽桜しずく・はざくらしずく)はアレやな。「もう少しがんばりましょう」やな(急に大阪弁・笑) 正直もう少し出来る子かと思ったんだけど、歌がやばいな。 見た目と演技は申し分ない感じだっただけに・・・。残念。 ま、まだ初日から1週間だから良くなることを期待しよう。 きりやん、あさこちゃんは申し分なし!言うことなし!美しい!男前! しかし、主演娘役不在ってこうなるのか・・・って色々しみじみした。 ま、月組はしばらく男の友情全面に押し出して頑張って下さい。 ショーの方の感想は後ほど。 (2008年11月13日付) |