大変遅くなってしまいました。
遅ればせながら、月組「夢現無双」新公の感想です。
長文です

直後にも書きましたが、驚愕レベルでよかったんです!
なんと言いますか…とてもわかりやすかったんですよ(笑)
ま、これを観るまでに本公演7回観てますから、理解度は上がってるはずなので、本公演の初見と同列には語れませんけど。
おだちん(風間柚乃)の宮本武蔵は、発展途上の宮本武蔵でした。めっちゃ粗野だし暴れん坊だしで、「鬼の武蔵」がぴったりでした。沢庵和尚に叱られて杉の木に括られて怒鳴ってるとこも、吉岡道場に道場破り(?)に行った時とかも、憎そい位エラソーだし態度がデカい(笑)←そりゃ叱られるわって感じ(笑)
スタートがそんなだから、武蔵から宮本武蔵への成長過程が目に見えたのが、本当に凄いと思いました。
お通・じゅりちゃん(天紫珠李)への気持ちは、本当に…抑えてるんだけど「顔に出てるよ」って感じで
「お通、綺麗になったなぁ」が、本当に本気で「綺麗」=「愛しい」と感じてるんだろうなと思いました。

凄く「強くなりたい」、父親のトラウマ(呪縛?)から逃れたいと、めちゃくちゃ頑張ってもがいて、最後まで成長しようとして。
だから、ほんとはお通と一緒に過ごしたいけど、それをぐっと堪えて旅に出る切なさ…というか…覚悟?が切なかった(笑)
殺陣も、うまかった。なんというか…たまきち(大人の武蔵)なら余裕と思えるものが、おだちん(若い武蔵)では負けるんじゃないかって思えるドキドキ感がありました(笑)←臨場感溢れるというか…そういう感じで…。
本当に風間柚乃…恐ろしい子…。です(笑)
あ、後お衣装!着流しの着付け、工夫して貰えたのかな?
たまきち(珠城りょう)のお衣装を、短めに着付けてたので、以前(「カンパニー」の浴衣場面)より良い姿でした(笑)
…こう見ると、おだちんの武蔵の魅力(持ち味)は、未熟なんだろうと思いました。
てか、たまきちの武蔵って、最初から「宮本武蔵」って人に出来上がってる感じがしました。←新公観てから思ったんですけどね。
ある意味、「新公だからこそ」(より)よく理解出来た作品…だったのかも知れませんね。
じゅりちゃんは…最初、本当に「だ…大丈夫?」って心配になるお歌だったんですけど…。
めっちゃ緊張してたんですね。すぐ持ち直して、じゅりちゃんらしい可愛くておしとやかでありつつも、芯の通ったお通を演じていたと思いました。そう、じゅりちゃんのお通はしっかりしてるんだけど(強気の所もあったけど)、武蔵に対してはいじらしかった。
なんというか…絶妙でした。
おだちんと多分、同じくらいのタッパ(身長)なのにヒールで調整出来ないから、結構大きいなとは思ったけど(頑張ってお腰落としてたね)、やー、可愛かったです。武蔵がドギマギするのわかるー。
同期のかれんちゃん(結愛かれん)とタイプが違うので、両方楽しみですね。
なおきくん(蘭尚樹)の小次郎は、めっちゃ可愛かったです(笑)本当に、「若侍」だわね。
タッパもみやるり(美弥るりか)より少し高いはずなのに(公式では1cm
)小さく見えました。長干し竿が本当に大変そうでした。

でも、落ち着いた芝居だったと思いました。長干し竿での、抜刀納刀も殺陣も上手だと感じました。
銀橋で武蔵の刀を踏むテ(殺陣)も、宍戸梅軒との殺陣で武蔵に小刀投げる時も、ドキドキしましたが完璧でしたね。
おだちんと同期よね?いい感じにその空気が出てた気がします。
登場場面のお衣装が、みやるりのと違えていたのか、丈を子供の長さに着付けていたので、それも、「武蔵とそう歳が離れていない」と見えてよかったです。←原作に近い
あっ!原作に近いといえば、朱美との絡みが!
朱美が武蔵を好きだと話した後、抱きしめましたよね?!朱美を!ひえ、本公では、欠片もなかった設定を、新公では使うんかいっ!ってびっくりしました。サイトーくん(齋藤吉正先生)、演出変えた意図、教えてください(笑)
うーちゃん(英かおと)は、結構難しい又八のお役を頑張っていました。
本公で気になっていた、お甲たちと逃げる時武蔵に手紙を託けるくんだりの間を、だいぶ詰めた演出になっていたので、更にヘタレっぷりが強調されて面白かったです。
よもぎの寮でだらだらお酒呑んでる所とか、吉岡道場一門と戦って倒れてる武蔵探しに来るとことか、いい芝居するなぁと思いました。
歌も上手いし、出来る子だなと思います。
ただ、…いや、まぁそういうものかもなんですけど…本公に比べると存在が薄かったです…。
小次郎になりすましてる時のインパクトというか面白みというか…華やかさとは違うんだけど…なんかそういうものがもう少しあったらな…と思いました。ま、キャリア(経験値)の問題かもですけど。←つまりそれって、伸びしろあるって事ですね!
1番びっくりした朱美の、りりちゃん(白河りり)。一寸!サイトーくん!めっちゃヒロインの作りやないですかっ!なに?これも原作に寄せたの?
てか、私の中の「朱美」ってキャラにイメージぴったりなんですけどっ!?子供ではないけど…清純とも一寸違うんだけど…スレてない可愛げのある娘、な、役作りだったと思います。言葉の言い方が本当に一寸違うだけでこんなに印象変わるんだ…と思いました。清十郎・あやおと(彩音星凪)に「私より?(強いのか)」と聞かれて「そうかもね」と返すところが、本役さん寄りになってたのが残念。←ごめんなさい、本役さんイメージ違いすぎなの

でも、この朱美なら、小次郎や清十郎に愛されても、又八の子供産んでも許す!←何様っ!?
楽しみな娘役ちゃんがまた増えました。
かれんちゃん(結愛かれん)の吉野太夫は、本役のくらげ(海乃美月)には及ばなくても相当色っぽかったです。
めっちゃ可愛い娘役なのに、肩の落とし方とか目線の流し方とか、手指の使い方がやたら色っぽい
掛けとかの捌きも(NOBUNAGAで)経験済みだとかで、綺麗にしてましたし…和物できる娘役ちゃんや!←(嫁候補として)ツバ付けときたい(笑)

琵琶を叩き割るくんだりで、(立ち位置から)戻るのが遅かったのか、おだちんの進みが早かったのか、めっちゃ高速でバチ掴んで割りましたね(笑)
(原作に於ける)あの場面のイメージがあーゆー演出ではなかったので、いつも太夫の意図が読めなくて…引き止めたいのか、諭したいのか…でも諭したいんだろうな的な…戸惑うんですけど、かれんちゃんの太夫は、「引き止めたかった」様に思えました。
太夫は武蔵に思いを全く寄せない設定にしてると、本公では感じてた(原作でもそう思って読んだ)ので、これは先生の演出なのか、かれんちゃんの持ち味(?)なのかわかりませんけど、まぁ、それも良しかなと思いました。
ま、出てくる女性皆に恋される男(武蔵)って設定は、男のご都合主義っぽくて嫌いなんですけどねー。
お歌はレバンガですけど…本人比でだいぶ良くなったと思いました。
あ、京都なまりは頑張ってましたよね。←くらげのも結構綺麗で好き。
後おはねちゃん(きよら羽龍)←こんな愛称だったのかっ!?
城太さん(城太郎)、やー、可愛かった!ふつーに上手かった。
てか、全然気づかなかった!ちゃんと少年として存在していた!凄いわ、この子も…。
お団子買ってもらうところのくんだりが、本公と一寸違ってて、たまきち武蔵は「おめぇ修行する気あんのか」とか言いつつも、すぐ(てか、言いながら)小銭を渡しているのに対して、おだちん武蔵はその後もう一度城太さんが「いいじゃん、お金おくれ」的なおねだりをしないと小銭出してくれない設定にしていたのが、面白かったです。
たまきちの、「結局優しいんだからー」っていうのが見えるこの場面大好きなんです。でも、おだちんの「子供相手に同レベル?!」って感じも若い(未熟な)武蔵でいいなと感じました。
あやおと(彩音星凪)の清十郎は、うん。ありちゃん(暁千星)のコピーっぽかったです。
でも、京都弁は字面は変わらないんでどうしようもないですけど、イントネーションが上手いように感じました。
後、なんか強そうでした(笑)
対峙する相手の…たまきちとおだちん…2人の差なのかも知れません(おだちん、ふてぶてしくて無鉄砲っぽかったから(笑))。
新公故の人の少なさが顕著に出た道場のメンツでしたが、整理されてよかったかも(笑)一乗下り松の場面は流石に動員されてましたけどねー(笑)
朱美に銭を投げ渡すくんだり、優しい清十郎さんでしたね。原作では私的に最悪の男だったんで、綺麗に書いてもらってよかったねぇと、この場面はいつも思うんですけど…あやおとの清十郎さんは、更に優しい人でした。朱美、可愛いからねー(笑)
らんぜくん(蘭世惠翔)も、びっくりしました!この子もなんやかやで出来る子なのね。娘役にしてもいいくらい可愛いのに、(新公では)色の濃いお役回ってくるんだから。前回のマダム・ヴォルフもびっくりしたけど、今回の祇園藤次もびっくりしました(笑)←しつこい。
ま、本役さんがまゆぽん(輝月ゆうま)だから、出てきた時「ちっさっ!」って思ったけど、芝居はよかったです。
銀橋で清十郎に「朱美をモノにして下さいよ」的な事いう場面で、お甲が「よもぎの寮で休憩しますか?」と聞いた後の「それはいい」の言い方が、好きです(笑)
沢庵和尚のつばさくん(朝陽つばさ)、柳生石舟斎のあやとくん(柊木絢斗)、日観さんのいっせいくん(一星慧)は、新公学年では難しいお役を頑張ってたと思いました。てか、ふつーに上手かったです、
特に、つばさくんはちゃんと武蔵を導いてやろうとする親心的なものを感じました。
杉の木のくんだりが、初めて腑に落ちました(笑)
武蔵と対峙して、髷を切り落とす場面も上手く出来てよかったです←そこっ?(笑)
印象に残った人はこんな感じでしょうか。
新公は、どうしても人数が減るので寂しい場面もありましたけど(カラスめっちゃ少ないとか、街の人これだけ?とか)皆裏でめっちゃ早変わりとかして最大限出てるんだろうなと思いました。
宍戸梅軒の嫁や手下、最初の場面に出てこなかったのは、前場の都合(早変わりちう)かなとか…(笑)
今回は、そういう所も楽しんで見てしまいました(笑)いつもはめっちゃ気になるか、全く気にならないかなんですけど(笑)
新公観た後に、度々言うことですけど「本当に新公?って位凄くよかった」というレベルを今回は超えてました。本当に驚愕でした。まさしく「芝居の月組」でしたね。
新公後の本公も、芝居が変わってずいぶん観やすくなりました。←何気に失礼。
これから先も、本当に楽しみな組だと思いました。
長々とお待たせした上に、長文ですみません。
ここまで読んでくださってありがとうございました。