ぼちぼち書こうと思っていたら、すっかり公演が終わってしまいました

一寸ずつ、宿題(笑)片付けていこうと思います。

雪組バウ「PR×PRince」。
本当に、ハッピーエンドってなんでこんなに人を幸せにするのでしょうねぇ。
ほのかに好きあってる男女のもだもだした恋が、ある事をきっかけに進展して、周りのみんな巻き込んで大大円なんて…。
めちゃくちゃ定石なストーリーなのに…本当に楽しい。
今回はその上、コメディーだから(笑)
心置き無く笑って観られる。
重たい話が続いたので、もお、楽しくて楽しくて(笑)
初日、本当にびっくりしながらワクワクしましたよ。
脚本・演出の町田菜花先生は、こないだも書きましたが、今作品がデビューで。
平成元年生まれですって!
←娘とそんなに変わらない…。

もうそんな方がデビューされる時代になったんですねぇ。
あー、そうか。
ヅカファンの若い女性が、宝塚のために脚本書いたらこうなるのか…。それが、全く最初の感想でした。
「若い」は、「未熟」と言う意味ではありません。「新しい事を取り入れられる柔軟さ」だと思います。
「女性」は、「(ファンとして)好みに走る」という意味ではありません。「細やかに品良く、ストーリーとセリフを紡ぎ出せる」事に繋がると思います。
実際、スマホとかSNS(という言葉)が出て来たり、イマドキ言葉を使った作品は、過去(といっても最近)にもありましたけど…ぶっちゃけ用法用量間違えてるよね?(てか、わかってますか?ってレベル)って思ってたんです。
この辺りは、当然ながらそんなものが溢れてる世代の先生ですから、間違いないですし…ヤフオクやメルカリ、インスタグラムなんて言葉が出た時には爆笑しました(笑)
言葉でいうと、私的に「ヤバい!」とか「どんまい。」とか「マジ?!」とか、今となってはそれ以外でこの感情を表現出来ないというような、短い言葉を使ってるのが、なんか…ツボです(あ、イマドキではないですけど「ちょ、待てよ」に1番ウケた私がおりました)(笑)、だからと言って、いつもそんな言葉を使う訳でなくTPOにあわせて使い分けてたり、キャラクターを考えて使っているのも、「わかってるなぁ」と思えました(笑)
後、設定やストーリーも本当に上手く考えてるなぁと感じました。
なんて事ない話なんですよ、本当に。でも、愛が溢れてるんです。
大人のドロドロした負の感情がないんです、敵役のキャラでさえ、元には「愛」があるんですから…。
そこに、環境問題(若谷(谷貴也)先生もだったけど、主役の理系男子はテッパンなの?)とか二重人格とか、財政難とか、聞いてるだけでは重たいテーマも入ってたりする訳です。
とはいえ、主軸はあくまでも恋愛なので、結構ライトに描かれてましたね。←このさじ加減が絶妙♥
今までの宝塚ではなかなか出来なかった題材だと思いました。
面白すぎるでしょ!
演出家にとっても役者にとっても、「挑戦出来る」バウ公演だからこそ、ここまでガッツリ「挑戦出来た」んだと思いました。
キャラクターといえば、これは「当て書き」なのかしら?と思う程にぴったりすぎるキャスティングで、キャストそれぞれ(こちらから見る限り)めちゃくちゃ楽しそうに芝居をしていました。というか、「キャラ、作ってます?地ですか?」って感じ(笑)や、もちろんプロですから、作ってるはずですけど…それくらい自然な芝居だと感じました。
そして、宝塚歌劇団だからこそ、あんな普通の話し方とお衣装でも、ただのお兄ちゃんでなく「王子」だという説得力が出るんですよね。
溢れ出す気品は隠しきれない(笑)
ひとこちゃん(永久輝せあ)は、本当にマジ王子!金髪碧眼似合いすぎ!
あんなに袴が似合ってたのに、なんということでしょぉ!って位(笑)
そして、あの声まで変える2つの人格!…完璧…

そう、あれだわ「るろうに剣心」の抜刀斎(@本公)と剣心(@新公)の演じ分けだ!
寝ぐせばっちり、瓶底メガネの理系+草食系王子(ヴィクトル)と、女性と見れば口説かずにはいられないキザなタラシ王子(クリストファー)。
第一人格のヴィクトルは、メガネを外した時に現れる第二人格のクリストファーをほぼ知らなくて、クリストファーは、ヴィクトルを分かってて尚且つ、自分のが優れていると思っているという…。(関係ないですけど、「創作作品に於ける多重人格者の特徴」ってとあるサイトのカテゴリに、この設定まるっと出てました(笑)さすがの王道(笑))
子供の時に「大人の事情」で、元々ひとつだった人格を分けられてしまったヴィクトル。今までは、ほぼクリストファーの出番は(人前では)なかった様で、ストーリーの発端となる「自国のPRCM」出るために(「大人」←乳母に)引き出されて、皆の知るところとなったらしく。
兄弟すら、はじめましてのクリストファーに驚いくんだけど、メガネがスイッチだと気付いて、取ったり着けたりして遊ばれて(笑)「兄さんって、こんなに面白い人だったんだ」と普通に受け入れられて(笑)
二重人格(多重人格)ものによくある暗さも重さもないのが、また面白い(笑)
全く違う2人(2つの人格)を、とんでもないスピードで演じ分けてるひとこちゃんに、本当にびっくりしました。声もだけど、目付きが1番変わる♥仰け反る位凄かったし、格好よかったです。
二人共が、ヒロインのエル・じゅんはな(潤花)を好きで。でもなかなか言い出せないヴィクトルより、自分のが選ばれると自信満々に気持ちを打ち明けるクリストファーにびっくりして、(ビンタ喰らわせて)逃げてしまうエル。
追いかけて、エルが会いたいのはヴィクトルだとわかって、「…わかった…」と、メガネをかけて人格をチェンジする所、もう…もう…格好よかったぁ
エルを呼び捨てにして、簡単に抱き寄せたり出来るクリストファーが、彼女が嫌がることはしたくないからと、気持ちを抑えて恋敵にその場を譲るのが…♥いい芝居なんですよぉ!三白眼のクリストファーの一寸寂しそうな表情ったら…たまりませぬ(笑)


そして、その直後現れる第1人格のヴィクトル。「エルさぁん」と、さん付けで彼女を呼んで、終始敬語の優しいく穏やかな彼。
エルも観客も一寸ホッとする空気が瞬時にでて、本当に…凄い切り替わりだと息を飲みました。
途中からクリストファーの存在に気付いて、彼女と接するうちに(彼女への思いが大きくなるにつれ)、徐々に(人格の入れ替えの)コントロールが出来るようになって、自分ではなかなか言い出せない気持ちを(メガネ外して)クリストファーに言わせようとして自己嫌悪したりするヴィクトル。
その変化を辛抱強く(ドキドキしながら)見守ってるエル。
ヴィクトルとクリストファーがお互いを認めだした頃、エルによってひとつの人格にまとまるんだけど。
声のトーンはヴィクトルで、言葉遣いがクリストファーで、態度が2人のミックス
という、なんとも完璧な王子
になったヴィクトルがもぉ、素晴らしすぎて…



最後の、エルにプロポーズする時なんて…マジ、エルうらやましいっ!ってなりました(笑)
ひとこちゃんにとって、今回の主演作は全てに於いて…(和が1番得意だけど)洋も、2枚目も3枚目も(恋愛ものもコメディーも)、歌もダンスも、…バランスよく実力を発揮出来たものだったと思いました。
とにかくよかったしか出ませんね(笑)
あぁ…長文…

じゅんはな(潤花)は、本当に芝居が上手い…というか、本当に私好みです!
理系女のエルちゃん(ポスター見てふつーに「エリィ」だと思ってた)。第1王子の研究チームに入るくらいだから、頭だけでなく出自もしっかりした子なんだろうと思うけど、やっぱり大企業のご令嬢でしたね。
でも、そんなお金持ち感なんて微塵もなくて、真面目で気立ての良いお嬢さんで。
繰り返しになりますが、ヴィクトル王子の事が好きなんだけど、もちろんそんな事自分からは言えなくて、どうしようもなくモダモダしてます。研究室の仲間には周知の事実なんですけど(笑)本人達は分かってないと(笑)
ずっとそんなモダモダした優しい王子だったのに、突然「クリストファーだ」とかいって迫ってくる王子にびびりまくるエル。今までさん付けで呼んでたのにいきなり呼び捨てだし、「あんた誰?!」状態(笑)
キスされそうになって、思わず手が出るエル(笑)
特技が「パパに習った」カンフーって設定が笑えました(笑)女の子なのに…思い切りの良いお腰の落とし方で、よかったです(笑)
多分…や、絶対、エルのが腕力強そうですヴィクトルより(笑)
あ。
ひとこちゃんの、エルに叩かれた頬を、ヴィクトルに戻って自覚した時の「あぁ~、(頬が)ヒリヒリするぅ~」って情けない言い方が、めっちゃ絶妙で可愛かったです。
パパと仲良しな娘ってのも、いいなぁと思いました。電話でのやり取りに、仲の良さが出ていて…相手(パパ)がなんて言ってるか分かる芝居に…じゅんはな、芝居上手い!と1番感じた所でした。
そう、そのケータイの着メロが「ル・ポアゾン」だったのに爆笑しました。え?なんで?雪組…でもやってたけど…てか、コアじゃないですか?菜花先生お好きなのかしら←私も大好きです!
ちょいちょいクリストファーが出てきて話したりするんだけど、彼女は、なんというか…別人格として接してるんですよね。でも、クリストファーに「彼とあなたは2人で1人」的な事言ったりする。
…役者的に、難しいだろうなぁと思いました。その…相手との距離っつーか、「今、誰と話している」って意識するとこってゆーか…。
そこら辺サラッとやっちゃう、じゅんはなに感心したり。
王子達のお后選び兼ねたパーティーに、(そうとは知らず)パパの顔立てて出席するエル。
これがふつーの女の子だったら、本当にただのおとぎばなしかなって思ったと思うんですけど、現代なら(お后候補として)有り得る地位だし、距離なんですよね。
一寸だけ現実的(と言うにはアレですけど)な設定やなって、ラストのプロポーズ見て思いました。
フィナーレのデュエダンは、本当に幸せそうに大好きな王子様と踊る姿に、ニヤニヤしてしまいました。
本当に…幸せそうで、はぁ、ハッピーエンドって、観てる私達も幸せになるからいいなぁ~♥
こういう気持ち…本当に大切だと思います。受け取った幸せを、分けたくなるから。
で。
めちゃくちゃ長くなったので、続きはまた。