はい。今更ながらの、月組バウ「アンナ・カレーニナ」の感想を…。
もぉ、色々思い過ぎて支離滅裂です。
これだけ時間かかってまとめきれなかった私…

一言、要約しますと、「思ったよりよかった(笑)な作品でした」←一寸辛口
元々、「アンナ・カレーニナ」という作品は「嫌い」な部類でして。
原作はまだ読んだ事ないんで←読み中、けーこちゃん(植田恵子)先生の作品の中でしか知らないのですけど、アンナやアリョーシャの、結果的に自分本位な生き方(から死に方まで)を選ぶ事に同意出来ないからです(「カルメン」とか「かめロマ」の系列)。
だから、いつも目線は自分本位の生き方をする人に振り回される側の、カレーニン氏でした。
そして、少々モヤッとした気持ちで見終わってました。
「2人のアレクセイに愛された、1人の女性の物語」
だというか…思ったよりアンナ目線で観ることが、今回は出来ました。
共感は出来ないけど、何となく分かることは出来るという感じ?
自分の本質が目覚めてしまった後、今までのように生きる事は出来ないというか、「自分」という者を素直に生きたいというか…そういう思いを貫こうとしたがために、自分を愛してくれた人を振り回してしまった…と。
1人目のアレクセイ…アレクセイ・ヴィロンスキー伯爵。みやるり(美弥るりか)、本当にさすが元星組!軍服の着こなしパねぇ!
ってなりました。
もぉ、ヴィジュアルで既にやばしでしたね。
仮にもアリョーシャは軍人だから、個人的にはともみん(夢乃聖夏)が、1番「軍人」らしい無骨さがあったと思ってたんですけど…(そして、この時のカレーニン氏のベニ(紅ゆずる)が好きだった)。
ま、「貴族将校」ですからねぇ(笑)
華やかな容姿に、チラ見えする男の色気…が、みやるりのアリョーシャからは感じられました。
どーしても、こーゆー破滅に向かって行くキャラクターが好きになれないので、たとえみやるりが演じていても、イマイチ入り込みずらかったのは仕方ない事なんですけどね。
「まて、よく考えろ」「そこでそれやったらおしまいだぞ」的な突っ込みを心の中でしながらも、止めることの出来ない激しい恋情を感じました。←さすが愛の巡礼

最初の、沢山アピールしてるのにアンナが自分の方を向いてくれなくて、モダモダしてる所とか、自分で攫って行って、でも自分ではどうする事も出来なくなって戻したのに、一寸良くなったらまた攫って行っちゃう 厚かましさ 盲目っぷりとか、激しいなと感じます。
と、言いながら、今際の際のアンナを恋敵の旦那(カレーニン氏)に託すところ、めっちゃ格好悪くて、人間的で…大好きです←
後、ラストの汽車の中での場面、切なくて切なくて…涙無しには見られませんでした。なんで2人はこんな出会いをしてしまったんだろうと。
出逢うのが遅すぎたのよですね。
最初のアプローチは、アンナが普通の女性だったら、…迷惑レベルやなぁと思います(笑)
でも、彼の激しさに負けない激しさを、アンナは(本質として)持っていたから…ま、だからこそ惹かれあってしまったんでしょうけど…。
冒頭に出てくる、駅での飛び込み自殺。
帰ってこない恋人を待ち続けた、悲しい女性の最期。
普通の人達は、「うわ、エラいとこに遭遇してしまったよ」とか「可哀想な人やなぁ」とか思う訳ですよ。
そこを「あんな激しい恋が出来るだなんて」と思っちゃうのがアンナ・カレーニナって人の本質で…。
多分、ここでアリョーシャと合わなければ、そう思っただけで終わってたのかもしれませんけど。
出会っちゃったんですよね。
そのまま「貞淑な妻」でいられたはずの人生を、そっくりなしにしてしまう程の出会いを…。
くらげ(海乃美月)は、さすがの演技巧者、原作を(きっと)端折りまくって若干オイオイな(キャラになった)ヒロインを、しっかり1人の人間として生きて死んでいたと思います。
死の間際に、彼氏の前で旦那を褒めちぎるとことか、彼氏との間に子供出来たのに、旦那との子供の話ばかりするとか(笑)
世間体があるからと、外に出してくれないアリョーシャの心変わりを心配して薬に頼ったりとか…
結構アレな性格やなぁと思っちゃったりしましたけど、泣けましたからねぇ。
正直、かなり難しいお役だなぁと思います。それにしても、メンタルやられるお役を本当に上手に演じるよね、くらげは。
それにしても、上品で、聡明で、美しくて、貞淑で…でも、激しくて…そんなアンナにぴったりだったと思います。
そう。
アンナは、カレーニン氏との結婚は「愛を知らずに」したと言ってたけど。
もう1人のアレクセイ…アレクセイ・カレーニン氏は、そうでなかったと思います。
れいこちゃん(月城かなと)のカレーニン氏は、ちゃんと「妻として」アンナを愛していたと思います。
ただね…女の立場から言いますとね。
カレーニン氏の唯一最大の残念だった所は、「妻に愛情を見えるようにアピールしてなかった」事だと思います。
そして、それって照れ隠し(と言って良いのかアレですけど)が強すぎたんだと思うんです(笑)
彼は彼なりの愛し方で彼女を愛していたんですよ。
わかったれよ!アンナ!とチラチラ思いましたよ(と、同時に「ムリ!」とも(笑))
結婚して20年も30年も経ってるならともかく、10年経つかたたないかの時期に、あの扱いはあかんでしょう(笑)
「男は釣った魚に餌をやらない」を地で行く人に見えますよ(笑)
「言わずとも分かる」とか「私の妻なのだから同じ意見で当然」的なのは…あかんでしょぉ(笑)←でも、 れいこちゃん カレーニン氏になら「あれ」呼ばわりされてみたい♥
ロシアのあの時代の女性が、どんな考え方をしてるか分かりませんけど、そりゃ寂しいですよねぇ。
浮気までは行かない迄も、冷めちゃうのは分かります。
でも、元々カレーニン氏だって熱い気持ちがあったと思うんです(特に結婚前とか~)。
世間体でなく、本当にアンナを愛してるから嫉妬してるし怒りもするんだよって、思います。
しばらく家を空けていた妻を、仕事途中に迎えに行くとことか、他の男と会っている妻を取り返しに行くところとか、競馬場で一生懸命アリョーシャを目で追うアンナを切なく見つめる所(ここで泣けないなんて選択肢ないです)とか…。
アリョーシャとのことが発覚してからは、すっごい、すっごい嫉妬して、怒鳴っちゃうとことかありましたけど、「あんた、本当に嫁の事好きならそんな言い方したらあかんやん」とか、ありましたけど、やっぱりすごく本当にアンナを愛していて、最後には、例え彼女(の心)が戻って来なくても、生涯愛し続けると決めている様な…そんな覚悟が見えました。
あぁ…本当は結婚した時からそう思っていたのかも。
でも、「世間体」とか「私の立場」とかってワード入れて照れ隠しするから、伝わらないんですよ(笑)
ま、きっとそんなカレーニン氏だからこそ、 破天荒 情熱的なアンナの本質をわからなかったんでしょうけど。
てか、その「情熱的な」彼女は、カレーニン氏の愛したアンナではなかったんですから、仕方ないですかね。
それにしても、なんて大人で格好いいんだ!ラストまで!あんな深い愛し方ある?って本当に思いました。
スキャンダルを起こした妻と別れるのは簡単だけど(被害者だし)、彼女がこのまま上手くいかなかったら、困るだろうから…帰る場所を作るために離婚しないと決めて。
きっと周りからも「あんな女とはさっさと別れれば?」とか言われただろうに…。
アンナを亡くして、戦場に向かうアリョーシャに、妻の大切な形見…というか…日記にしたためた、アンナの心…も渡して。
演じ方次第では「浮気する妻を絶対許さない!自分から別れてなんてやるもんか」的な意地悪にも取れるし、相手の男との日々を綴った日記なんておぞましいって思っただけとも取れるんだけど。
れいこちゃんのカレーニン氏には、愛しかなかった!
アンナにも、アリョーシャにも。
そのおかげで、アンナは1度死にかけた時にカレーニン氏の所に帰れたし、死んだ後に(アリョーシャとの間の)子供も、カレーニン氏が引き取れたんだし。
「アンナの愛を勝ち得られなかった」と潔く自身の負けを認めたんだとも感じました。
そして、彼女の忘れ形見の子供たちに、彼女に注ぐ以上の愛情をもって育てようと決めていて。
大きいな…と感じました。
でも、アンナは情熱的な女性だから…カレーニン氏が求めていた「穏やかな結婚生活」では、耐えられなかったんでしょう。遅かれ早かれこういう事になったんでしょうね。
2人のアレクセイとの出会いが逆だったら…きっとこんな事にはなってなかっただろうなぁと、言っても仕方ない事を考えてしまったラストでした。
そんな、3人の愛のパワーバランス(三角関係)がちゃんと見えた事によって、めちゃくちゃ切ない恋の物語として受け取れました。
2人のアレクセイに愛された、アンナ…
アンナは、絶対幸せに生きて死んだと思うんです。だって自分に素直に生きたから。
そして、そのアンナという女性を愛した2人のアレクセイは、その想いを心に留めて一生終えるんだろうなぁと思いました。
切ない…
あぁ…ダメだ…上手くまとまらない…。
あぁ、この作品の一服の清涼剤、コスチャとキティーのカップルなんですけど…びっくりしました。
きよら羽龍ちゃん、上手いわ!可愛いし、歌えるし、何せ声が好みです(笑)これから益々楽しみですね。
るねくん(夢奈瑠音)はもぉ、なんだろう…ぴったりすぎてめちゃくちゃ可愛かったです(笑)
パッと見た時「あー、振られるなー」って思えちゃう空気出してるが絶妙に上手い(笑)
2人の結婚式の所が本当にホッとして好きです(笑)
本当に「幸せになってねぇ」って思いますね。
贅沢だとは思うんですけど、やっぱりもう少し初日近くのが見たかったです(笑)
楽日ダブルは、観てる方も演じている方も気持ちが入りすぎて…しんどかったです(笑)
特にこんな作品ですからね(笑)
挙句にこんな感想しか書けないという…ね…

ごめんなさい。