れいこちゃん(月城かなと)の「ラスパ」の初日をどうしても観たくて、多方面にお願いしてお手数おかけしまくったのですけど、なんと自分のが(友会で)、当たってしまうという、相当なツキを使い切ってしまった感ある事になりまして……無事、観る事ができました!
箇条書き感想だけ上げておこうかなと……。
とか言いつつ、結構書いちゃいました。
めちゃくちゃ長いです……すみません

再演とはいえ、ネタバレです。
ご了承くださいませ。


内容とか、考え方とか、色々な所で「?」な時も多い先生ですけど、やっぱり凄いと思います。
以前の「ラスパ」に比べて、全体的にマイナーチェンジした感じを受けました。
それは、先生自身がこの(初演からの)14年の間に身につけた「演出家」「脚本家」としてのスキルであったり、時代に即した(現代に合う)言葉やニュアンスや、歌詞やお衣装に変えようと考えたからなんだと思います。
本当にねぇ……某先生に見習って欲しいですよね

作家としてのスコットの所も整理されて、わかりやすくなったなと思いましたし、ゼルダとの夫婦の関係も、よりていねいに表現されてる気がしました。
本当に、一寸変わってるだけなのにねぇ……凄いわ。
一寸ズレますけど、この作品って、1度でも物書きに憧れて書いたことある人なら、ザクザク刺さる話なんですよね……。
前回のでは、「スコット・フィッツジェラルド」という人がよく理解出来なくて、そんなに……だったんですけど、今回は、本当にザクザク来ました。
スコットにも、そしてゼルダにも感情移入してしまって、だいぶ泣きました。
しんどい程に……(笑)

良くあるイメージの中のアメリカ人というと、どんなにどん底でも「なんとかなるよ」的な楽天的な性格と、破滅的な程の快楽主義なところと、派手な位の華やかさがあると思うんですけど(笑)
れいこちゃん……本質的に真面目だから……役として成立しない程ではないけど、もう少しハメを外してもよかったんじゃないかなと……。
「アメリカ人はアメリカ人でも、きっと日本人(武士)の血が流れてるわよ!(笑)」と友人と話しておりました(笑)
や、れいこちゃん的には今まで観たことない位アメリカ人でしたけどね(笑)
そして、最愛の人、ゼルダとの新婚当時のラブラブっぷり、今まで観たことない程のラブシーンあ、や、「前田慶次」の新公が1番濃厚ですけど、「和物」だから……(笑)とか、ヘベレケに酔っ払って座り込んでる姿とか、めちゃくちゃ自然にタバコ吸う仕草とか、嫉妬で嫁張り倒す所とか、娘と楽しげに踊る所とか……色んなはじめましてのれいこちゃんが見られました。
あー、本当に……2人のイチャコラ場面は、本当に……恥ずかしかったです(笑)







そう言えば、序盤で一寸セリフ噛みかけたよね?そんな姿も、レアでしたわ(笑)
ゼルダと2人、記者に囲まれて、1人の記者に批評じみた事言われて、酔っ払ってたのにすっと覚めてちゃんとした言葉で返すところが……めちゃくちゃれいこちゃんらしかったです(笑)
れいこちゃんの演じた「スコット・フィッツジェラルド」は、とても誠実で繊細で、夢見がちで愛に溢れた人でした。
ちょこちょこセリフは変わってるけど、大元は変わらないのに、本当に全然違う「ラスパ」でした。

キャスト発表があった時、正直「え?ゼルダはさくらちゃん(美園さくら)のが合ってるんでない?」って思ったんですけど、やっぱり上手かったです。ま、くらげも所謂「アメリカ女」かというとそうでもないんですけど(笑)
堅実な芝居で、華やかな世界しか知らないお嬢様が、金持ちになった彼と結婚して、贅沢三昧な生活をしながらも夫と齟齬を感じ始めて、一寸ずつおかしくなっていく……そんな様子を上手く表現していたと感じました。
やー……気持ちいいほど感情移入出来て、切なかったです。
「MITSUKI」という役者はすごいなぁと(笑)

「いぶし銀コンビ」
と付けます(笑)←あっ!最高の褒め言葉のつもりです(笑)

って、帰りがけに寄ったお店でブロガーさまと、盛り上がりました(笑)←その話は、また後日。

アーネスト・ヘミングウェイ役のありちゃん。
元々エラソーなキャラなのね(ヘミングウェイのキャラを知らないのでアレなんですけど)、もぉ、目つきからやな奴ぶりが出てて(笑)
なんというか……アーネストって、スコットの事本当に嫌いだったでしょ?って感じに見えました(笑)
れいこちゃんがカフェブレで力説していた「ありちゃんは末っ子キャラではない」が、よく分かりました(笑)
それにしても、ありちゃんたら「誰がために鐘は鳴る」の……スペイン内戦時代の、地味な色味のウールジャケットとセーターに、スラックスと編上げブーツって姿がよく似合うこと(笑)
こないだまでかぼちゃパンツ履いて、キラキラ王子やってたとは思えない……

終盤、落ちぶれてしまったスコットに、めちゃくちゃ辛辣なこと言いながら、それでも目が潤んでるのを見て、「あ、やっぱりスコットの事好きなんだよね……?」と思いました。

やー、まりん(悠真倫)!流石です。
おっきくて温かくて、ちゃんと厳しくて、愛のある編集者のマックスでした。

初演では、専科の五峰(亜季)さんだったし、今回は組長のとーかちん(憧花ゆりの)だし。
絶対、10歳位上の愛人なんだと、思っていたんですけど(笑)
よく良く考えたら、スコットって44歳で死んでるから、10歳も上やとアレですけどね(笑)
調べたら8歳下でした(笑)
けーこちゃん先生は、どうしてそのお役を(だいぶ)上級生の2人に振ったのか……。
やっぱりアレかな。
シーラの母性を特に表現したかったのかな。
確かに、れいこちゃんととーかちん、「愛人」というより「母子」って感じでしたね(笑)
とはいえ、五峰さんもなんかやたら色っぽかったし、とーかちんも色っぽくて……。
れいこちゃんがとーかちんの手を握って「1番必要な人だ」みたいな事いう所、ドキドキしました(笑)

再演のゆーひちゃんの時、みりお(明日海りお)が演じていた「公園の学生」。
今回は、注目の下級生おだちん(風間柚乃)がやってました。
ボロボロのスコットの心(特に作家としてのプライド)を救ってくれる、大切な一言を言ってくれた、「一読者」。
そりゃ、脚本上でも、とてもとても重要なキャラだし、大切なセリフを言うのは分かってるんですけど……。
なんか……おだちんも、こう……心に響く芝居をするなぁと思います。
彼の言葉を聞いて、硬い表情がふっと緩むスコットの代わりに泣いてしまいました(笑)

1人一体何役やってんの?って位フル出演なキャストたち。
通し役だけって、れいこちゃん、くらげ、ありちゃん、まりん、とーかちん……だけかな?
こんなどっしりした芝居の中で、何役もやるのって本当に大変だろうなと、思いました。
と同時に、「いいなぁ。こんな芝居するの、役者冥利(に尽きる)だろうなぁ」と思いました。

ありちゃん、かおとくん(英かおと)?、おだちんのダンスから始まるフィナーレは、やっぱりお口直し的に明るくなれてよかったと思います。
れいこちゃんとくらげのデュエダンも、よかった。
れいこちゃんが、本当に愛おしそうにくらげを見つめて、めちゃくちゃ軽々とリフトする姿を見て、感動しました。
このままいけば何年後かには、大劇場で娘役ちゃんを力強くリフトするれいこちゃんを観られるのかなぁと……。
くらげのドレスがね、ものすごくパールが付いた、あの時代にとても流行ったデザインなんだろうなって奴なんですけど……。
リフト回って降りた直後に、1個落ちました
パール……。

テンテンテン……って弾んで行くのをつい、目で追ってしまいました(笑)
あの後どうなったんだろう……(笑)

とーかちんの、完璧なご挨拶の後、れいこちゃんが、色々大変な思いをして作品と向き合って作り上げて、みんなの協力あって今日幕を開けられたみたいな挨拶をして。
3度目かな?キャストを、スタンディングで迎えた客席に、「梅雨が始まってジメジメとしんどい時季ですが……」的な前振りから「(辛いことがあっても)スコットより辛いことなんてない!と思って過ごしてます」と名言出されました(笑)
場内爆笑でした。
もう一回位カテコするかなと思ったんですけど、みんな、この一言で満足したのか(笑)終わってしまいました(笑)
やっぱり月組さんは、あっさりしてはる。←悪いって言ってる訳では無いです!慣れないだけです!


開演前に、ロビー歩いてるそーちゃん見て、「あの人、そーちゃんに似てる~。めっちゃ美人~」というマヌケな感想を持ってたんですけど(笑)
私の4列程前(の多分ドセン)に、すっと座られたの見て「きゃー!」と大喜びしていましました。
れいこちゃんの主演作品を、それも初日を、そーちゃんが観るそれだけで泣けてきました(笑)
だって……やっぱりそーちゃんがいたからこそのれいこちゃんだから。
2人でやってた芝居が大好きだったから!(別箱ばっかりだけど)
本当に嬉しかったです。
その上、そーちゃん、カテコの前に客席出ないで、ちゃんとスタンディングもしてはりました!
それにも泣いた(笑)
本当に……。
初日にして、ここまで仕上げてくる月組生と、けーこちゃん先生に感服致しておりまする。
次に私が観るのは、DCの初日。
これ以上どうやって深化するんだいって思うけど、凄い深化するんだろうな



本当に楽しみです。
取り留めのない長々とした文章読んでくださってありがとうございます。
もう少し掘り下げたというか、元演劇人として見た「ラスパ」の感想を、ゆっくり書いてみたいと思います。
本当に、好きでないテーマというかストーリーなのに、語りだしたら止まらない程に、この作品に(れいこちゃん風に言うと)惹かれて
しまいました




……年取ったってことなのかしら?