※少々ネタバレ含みます!あ、今回は辛口です。ご注意くださいませ※

マカゼくん(真風涼帆)、まどかちゃん(星風まどか)、トップお披露目おめでとう



仰け反る程に、(私の)理想的な身長差カップルコンビ

で、本当に素晴らしい!



「天河」の原作は、その昔(多分コミック完結直後)友人に借りて一気読みした記憶がある作品です。
歴史好きの私は、「王家の紋章」より絶対面白い!と思いました。
主人公(ユーリ)が、運命に翻弄されながらも自分の意思をちゃんと持ってて、行動力がある女の子だったのも良かったかな。
ので。
これをっ!宝塚で舞台化なんて、願ったり叶ったりだわっ!と思いました。
その上、奈穂子ちゃん(小柳奈穂子)先生の脚・演だし!
ので。
楽しみにしてました



結果から言いますと。
奈穂子ちゃん先生の、苦労の跡があちらこちらに見えて……
大変だったろうなぁと思いました。

そもそも無理ですもん、28巻程のコミックを1時間半に詰め込むなんて……。
なんとか自然の流れにしようと……主人公たちに絡むキャラちゃんと出そうと……ユーリとカイルの出会いからの恋の行方をちゃんと書こうと……四苦八苦している様に感じました。
なので……なので?
至る所で、説明不足。
もしくは、説明セリフやニュアンスで処理してしまっていて。
色々すっ飛ばしているので、どうしても「え?それだけでそうなるの?」とか「いつの間にそんな事に……」というツッコミがムクムク湧いてきて……。
今まで奈穂子ちゃん先生の作品に感じた事のない感情を覚えました



導入部はともかく(仕方ない……)……ユーリが自分の立場自覚する所とか、ティト・(愛海ひかる)が死ぬ所からの後半の流れや、ネフェルティティ・あっきー(澄輝さやと)に謁見すると偽り、親書を手に入れるくんだりとか……。
最後のエジプトとの戦争の流れとか、ナキア・せーこ(純矢ちとせ)とネフェルティティ・あっきーのラストとか……。
「え……?奈穂子ちゃん先生、それ、本気……?
」と言いたくなる程、呆気ない演出だったり、唐突な脚本でした。

こんな事書きたかないけど、「植爺乗り移ったかっ?!」って思うところもママありました。
舞台セットは上手く使ってるなと思いましたが、二階席から見ると、盆が回る速度が遅いと感じました。もっと早くして、スピード感出した方が作風にあってる気がしたんですけど。
詰め込んでいる割に、飛ばさなきゃ、歌歌わせなきゃ、で、いっぱいいっぱいになってる感じがしました。
あれ。イケコ(小池修一郎先生)の「太王四神記」初演みたい。ま。あれは詰め込んでも尚、「スゲェ」って膝打ちましたけどね。
多分、一本物だったらなんとかなったと思いました。もしくは、もっと狭い範囲をピックアップすれば良かったのでは?と思いました。キャラ一寸淘汰して……。
だって……勿体無い!と思いましたから。
原作も、奈穂子ちゃん先生の技量も。←比較的無茶な条件の公演でも、当たりを出してる若い先生だから、また無茶ぶりされたな……
とも思いました


とはいえ、そこはやはり、奈穂子ちゃん先生!
これでもかという勢いで、萌えポイント突いてきます!











お衣装や……とにかくビジュアルは、目が潰れるかと思う位、完璧でした!
とってもとってもステキで。
カイルのキャラじゃないよなぁと思っていたマカゼくんも、よく良く考えたら星組では明るめな弟キャラだったから、こんな一寸奔放なのもいけるやんって感じでしたし(てか、やっぱり本質真面目って、キャラ押しやったしね)。
まどかちゃんのユーリは完璧
だと思いましたし(笑)

てか、2人が並んでるだけで胸アツです(笑)
ユーリをひょいっと抱き上げてさらって行くカイルに、ときめかない女子はいないでしょう!
ラムセス・ききちゃん(芹香斗亜)も、黒太子・愛ちゃん(愛月ひかる)もイメージぴったり♥
出番も見せ場も少なめなのに、ちゃんと魅力的に生きてて、なんと言ってもオトコマエっ(笑)
カイルよりラムセスのが私、好みかも

ウルヒ・マギー(星条海斗)も、あの、やたらめったら長い金髪のカツラをよく被りこなして……というかめっちゃお似合いで♥この一事だけでも、今回宙組に客演した意味が分かろうというもの!
たったあれだけの場面で、ナキアへの想いをあれだけ切なく表現する、マギーもせーこも、奈穂子ちゃん先生も凄いと感じました。
どこ見ても萌えポイントばかりで……本当にヤバいです





後、ゲーム音楽畑の下村陽子さんの美しくも切ないメロディーが、本当にステキです!
オープニングなんて、「All for One」並にワクワクしました!
ので。
全体の印象としては、悪くなかった……です……です……

もう一度観るのが楽しみです。
で。
ショー「シトラスの風」は。
ええと。
一言で。
「観たかったのと、違うー!」という感じでした。
あ、流石に「明日エナ」は良かったですよ?(良かったけど、乱発しててありがたみ無し)
でも、「あれ?シトラスって、こんなだったっけ?」としきりに首をひねりながら観てしまいました。
みんな一生懸命踊ってましたけど。
あんな可愛いお衣装着て、まどかちゃんの横で可愛く踊る、あおいちゃん(美風舞良)やせーこには……ごめん……びっくり通り越して切なさ感じましたけど。
場面毎のキャスティングにも色々……ゴホゴホ……。
そしてなにより、あんなに暗転多かったですっけ?
めちゃくちゃ睡魔との戦いでした……。
「クラシカル」と言えば聞こえはいいですけど、「20年前の最新(中身はもっと古かったりするし)」を、この新しい体制の組でやるのは良くなかったと、思います。
楽しくなかったのです……



20周年に……とはいえ、二代前にも(中日だけど)やってるし、生え抜きトップでもない人に、「うち(宙組)のモノ(伝統)だから」然としてさせるの、嘘くさいって(今までも)感じていたので……。
……やっぱり上演する必要性と新鮮味を、感じませんでした。
余談ですけど、20年経っても尚……出来る人は数多いたのにも関わらず、生え抜きトップを立てないって事は、それ自体も「伝統」にする気なんですかね
宙組Pは……。

待ちに待った、マカゼくんのお披露目ですが、演目的に残念感を感じる結果となりました。
本当に……「天河」一本物……で良かったんじゃなかったのかな?……。
それのが、よっぽど楽しかったろうと、思います。
残念でした。