……本当に……簡潔にまとめられなくてごめんなさい。
キーワードトークでは、カードが4枚ありまして、まずちぎ(早霧せいな)が1枚引きました。
お題は「和物」。
ちぎはもちろん「和物の雪組」を牽引したトップスターでしたが、ぶっちゃけ雪組に来るまではそんなに和物と縁がなかったはず……だって宙組(笑)和物と言えるのは「龍馬伝」と「殉情」だけなのよね。
事ある事に「和物やりたい!と言っていたら(組替えして)たんとやった……と」。
たくさんやって思ったのは、和物の経験は財産になると言うことだと。
そういう機会に恵まれて、和物の勉強をきっちりやってから、組替え出来た事が良かったと思っていると、れいこちゃん(月城かなと)。
「これ(和物)だけは『やったぞ』」と自信を持てるものがあるのは幸せだと。
和物は、「(言葉とか所作とかが)シンプルに削ぎ落とされたもの」。日本人だし、日本でやってるんだから共感してもらえるかなと、ちぎ。
「銀二貫も、辛抱役でしんどかったでしょ?」とちぎに聞かれて、「しんどかったです」とれいこちゃん。
和物は奥が深いと。
また機会があれば月組でもやりたいと、意気込みを語るれいこちゃん。
うん。私達も期待してる!
2枚目のカードはれいこちゃんが引いて「欲しい物」。
ちぎが「(現役中は)時間!」と言うとれいこちゃんが、「あ"~~。」と心の声を上げて(笑)
れいこちゃんは、オフになるための時間が必要で、それは時間がかかるので、果たして睡眠時間を削ってでもやるべきなのか悩んでいるらしい。
ちぎは、睡眠時間を削ってでもやってた……というか、好きなことをすると自動的に睡眠時間が削られる……という事だったらしいけど(笑)
れいこちゃんは、オフになるため(役から自分に戻るため)に、音楽を聞くらしい……それもスピーカーで、集中して。
この人の歌好きだと思ったら、アルバム買って全部聞くタイプらしい。
それって、本好きの私的に言うところの「作家買い」的な事かな?
「この曲、好きだ」とか思うことで、今の自分が現れる。と感じているそう。
ちぎは逆に、音と匂いを公演中は避けていたそうで。
ちぎ的にいうと「感覚が研ぎ澄まされていた」らしい(笑)
音や匂いが重く感じられてしまっていたそう。
これ、一寸分かるわ。気が散るというか、そっちに意識持っていかれるってのは。
以前、上くみ先生が「いい芝居は、健康な心と良い睡眠から」と言っていたそうで。
れいこちゃん、「健康な心が常に欲しい」と。
ちゃんと舞台に立って、全部を感じられる健康な心が欲しいと。
ちぎが、それには日頃から(心を)鍛える事だねと。
喜怒哀楽全てを叩き込んで、心を甘やかさないで、荒波に持っていくのが、健康の秘訣だと(笑)
ちぎ……そのスパルタ……さすがです

芝居での、役に対する取り組み方について。
2人とも、まず、作品の中で自分の役はどうあるべきかを考えるタイプだそうで。
お稽古途中で、自分の役が周りの影響で変わる事が苦ではない「受け手の芝居」が得意なのかな。
れいこちゃんが下級生の時、ちぎにどうやって役作りしているのかと聞いた時、「自分と共感出来る所がないと出来ない」と言われたそうで。
当時のれいこちゃんは、「共感」する所は「自分」なんじゃないかと思っていて、役の向こうに役者が見えるのが、疑問だったらしい。
役としての感情と、自分の感情の境目が分からないと言うことかな……。
今なら、役が(自分に)寄ってきて、自分が(役に)近付いて……自分が出すものはその役(が思う事)なんだと思えるんだけどと。
……大きくなったねぇ……(笑)
その説明を、りんごとバナナで上手く例えたちぎ。素晴らしい……。
2人して、役との共感を感じやすいのは、キャラのコンプレックスだと(笑)
辛い所や苦労している点を理解してあげると、ものすごく「あ"ーーー
」ってなるらしい(笑)

舞台の上では似たタイプ(になりつつある?)の2人だけど、お稽古中……というか、セリフや振りを覚えるやり方は全然違ってて、ちぎは稽古場でも家でも「大暴れして」役に入っていくらしいんだけど、れいこちゃんは、家には持ち帰らなくて、稽古場で……それもキワキワまで追い詰められてやっと覚えるタイプなんだと。
私は、ずーっとその事考えるタイプだったので、ちぎと一緒だなと(AB型だから?)。
わたる(湖月わたる)が、たしかれいこちゃんと同じタイプだったと思う。だから、入りがめっちゃ早くて出がめっちゃ遅いって(笑)
家でやらないで済むように、みっちりやるんだと聞いた事があります。
れいこちゃんは、本人によると「締め切りギリギリにならないと出来ない」タイプらしいけど(笑)
芝居(特に稽古中)に自分をさらけ出しているちぎの、オフが気になった時期があったと、れいこちゃん。でも、聞かずにいたらしい。
それを聞いて、「つまらない女なのよ」とちぎ(笑)
逆に、れいこちゃんはミステリアスだから、オフは何してるか気になると。
全然ミステリアスではないと、れいこちゃん。「つまらない女なんです」と(笑)
2人して大笑い(笑)
見てる私もかなりウケましたよ(笑)
本当に、この2人面白い!ある意味、れいこちゃんが、一番自然に話している気がしました。なんというか……同期達との感じとはまた違う、自然さを感じて。
役者として本当にちぎを尊敬していて、ちぎもそんなれいこちゃんを信頼していて、年も学年も結構離れているのに、同じ板に乗る舞台人として思いを共有している感じがしました。
それはそうと、1人っ子のれいこちゃんは「絶対1人の時間は必要」で、それが休みの日だそうで。
ちぎは、ずっと1人だったらしい(笑)抜け殻みたいになる様で(笑)あれやね、舞台に全てかけてるから……その他の時は抜け殻になるのね(笑)
雪組は、みんなで何かするって事が多く、月組は、それがあまりなくて黙々と個人でやる感じらしい。ので、稽古場でも、1人で色々……舞台の事とか自分について考える時間が増えたらしい、れいこちゃん。
それはれいこちゃんにとっていい事かもね。
ちぎに「歌、芝居、ダンスで、今一番好きなのは?」と聞かれて、「最近気付いたんですが……」と前置きして、上手い歌とずっと聞いていたい歌は違うんだと。
宝塚は、もちろんライブ(生)だから歌っている姿も見られるし……なら、芝居力も、ダンス力も、必要だと……つまり、全部って事かな?
組が変わって、みんなの出すパワーとか、力配分とかの違いに気付いたらしい。
今までただガムシャラに「これだけやってます(頑張ってます)」的に、エネルギーを押してきたんだけど、それではお客さんが仰け反るというか押されて引くというか、そんな感じになると思うから、お客さんが前のめりになって見てしまうエネルギーの出し方を勉強したいらしい。
今までにないくらい、熱く語るれいこちゃん、結構聞き役になってる(そしていいタイミングで突っ込む)ちぎ。
二人の間の絆を、本当に感じました。
今まで全く知らなかった話とか出て、本当にびっくりしましたけど、正しく「さもありなん」な事でした。
で、ずっとれいこちゃんを呼び捨てでなく「れいこちゃん」と呼んでいるちぎに、何故かキュンキュンしました(笑)
最後に。
常に、何かを感じて舞台に立っているちぎを側で見ていたからこその、「何かを常に感じる」気持ちを大切にして、色んなことを感じて成長したいなと、れいこちゃん。
そんなれいこちゃんに、「何事も、自分の糧になって、舞台に表れて輝いていく過程だから、一つ一つの出来事を大切にして、思うままに歩んで言ってほしい。全力で応援するから」とエールを送るちぎ。
なんていい上級生……

その上、「月組の皆さま、宝塚ファンの皆さま。れいこちゃんをよろしくお願い致します」と〆るあたり(笑)
嬉しそうに笑っているれいこちゃんが、印象的でした。
れいこちゃん、最後にちぎを「師匠」と呼んでいました。れいこちゃんは「弟子1」だそうで……。
あー、本当にそんな関係だなと。
でも、随分(立場とか色々)降りてきてくれる師匠だなと(笑)
本当に、ちぎの空気を……確かに最近れいこちゃんから感じているかも知れない……。
そんな発見も出来た一時間でした。
本当に、長々と読んでくださってありがとうございました。
次はもっと簡潔に書けるように……頑張ります……
