一寸前から書き始めていたんですけど……アップするタイミング逃してました……ら、コマ(沙央くらま)の退団発表が出てしまって。
こりゃ仕上げろって事ねと……(笑)
そんな内容です汗




とある友人がエスコートしたビギナーさんは、
「歌が上手い人が好きだ」と、宙組推しになったらしい。
その(エスコートした)友人は、「ショーがないとがっかりする位ショーが好きだ」と言ってました。



……私は、ここにも何度か書かせていただいてますが、芝居畑の人間ですので(や、もぉ過去形)、宝塚を観る時にも、お芝居中心に観てしまいます。
ので。
歌もダンスも出来るに越したことないけど……ショーももちろん好きだけど、それ以上に求めるスキルは演技力であって。
だから、じっくり芝居に集中出来る一本物や、別箱公演が好きです。


まぁ、好みですから。
どちらとでも、楽しめるなら良いと思います。




で、ですね。
その時ふっと、私、芝居出来る人が好きだけど、一番芝居が上手いと思っている人って誰だろう……と……。
この人の芝居が好き」と言うんじゃなくて、「この人、マジで芝居上手い」って思った人……はと。

例えば、私が演出をするとして、出演して欲しい(一緒に芝居をしたい)と思う人……はと。

そんな観点で、挙げてみましたー。


……私の観劇歴の中でのお話ですので、ここ三十年位辺りからの方になります。昔の方の凄さは知りませんので、ご了承くださいませー。




最近の人なら、ゆうみちゃん(咲妃みゆ)は外せないかな。
元々憑依型の役者が好きってのもありますけど……彼女は特別。
作品によってあれだけ違うキャラクター出せるなんて……本当に凄い。
でも……だからこそ、役を超えず、主演する相手役を食うことは無い
どの作品……役も凄いけど、やっぱり上くみ(上田久美子)先生の作品(「月雲の皇子」「星逢一夜」)は、その演技力を余すこと無く使ったと思う程に素晴らしかったと思います。


同じ感じで上手いと思ったのは、ののすみ(野々すみ花)
ののすみが泣いたら世界が泣く」って言われた程に、泣きの演技が凄かった。
「ファントム」の子供時代には、本当に泣かされました。
でも一番上手いと思ったのは、「黒蜥蜴」の早苗(桜山葉子)です。
……なん役やってんの、結局?……な難しいお役を、まぁ、事も無げに研3の子が……と、舌をまいた覚えがあります。
ゆうひちゃん(大空祐飛)に気に入られて、組替えしてトップ娘役になったのには、然もありなんと言うところですね。
トップ娘役時代のでは、やっぱり「銀ちゃんの恋」の小夏役が素晴らしいと思いました。泣きがね……たまりませんでした。
あ、「カサブランカ」のイルザも秀逸でした。2階の部屋の、カーテンサッと開けて立っている姿にイルザの覚悟が見えて、息を飲んだ覚えがあります。


男役では、ちぎ(早霧せいな)
彼女は、計算してる。冷静な自分が、常に熱くなるもう1人の自分を見てるの。だから、決して独りよがりにならない。
冷静に、役を構築して役として生きて、脚本家の求めているものに的確に応える……そういう演者だと思います。
「ニジンスキー」のタイトルロールなどは、鳥肌ものだったし、「伯爵令嬢」のアラン、「ルパン三世」のルパン、「るろうに剣心」の剣心などは、「なんなん?この人?!」と驚愕したものです。



コマも、凄い。
なんだろう……この人はもぉ、天性の……かもしれない。
芸名にシェイクスピアの名前入れる位だから(笑)上手くなけりゃ……という感じだけど(笑)
ハリー(正塚晴彦先生)の求めるナチュラルな芝居も、植爺(植田紳爾先生)が求める大芝居も、イケコ(小池修一郎先生)が求めるコメディー(それも女役)も、さらっとこなしてしまう。出過ぎず引きすぎず……絶妙な塩梅のバイプレーヤーだと思います。
雪組出身なだけあって和物も強いし……。
「マリポーサの花」のイヴァン、「ロジェ」のマキシムの二役は、空気を読まない……あえて空気を変える役としてとても重要なお役だったと思うので、それをコマに当てる所にハリーの期待が見えたと思いました。
一番感動したのは、「シェイクスピア」のリチャードです。
なんというか……絶妙なんですよね、全てが。
動き出すタイミングとか、立ち姿とか、話すスピードとか、息継ぎするとことか(笑)
……それに関しては、今の「All for One」のモンパンシエも絶妙ですよね(笑)

(ここから加筆)
突然、退団の発表がありました。
びっくりです。もっと沢山コマの芝居を宝塚で観られると思っていましたのに……。
優秀なバイプレーヤーとして各組で活躍してくれると期待していましたのに……残念です。
退団作品では、思う存分集大成を見せて頂きたいと思います。
お外で女優さん、してくれると嬉しいですけど。



そして、じゅんこさん(英真なおき)!星組組長時代から、温和な印象が強いですが、じゅんこさんも、いい人も悪い人も若いのも年寄りも、男も女も何でもござれな演者さんですね。
沢山素敵なお役されてますが、本当に芝居上手いよなぁと、膝を打ったのは「コパカバーナ」のグラディス(笑)元コパガールというプライドを捨てきれずにいる、一寸痛い可哀想なオバチャンを、まぁ、なんてご陽気に演じるんだろうと。
ただの人のいいオバチャンだけではない、そんなバックボーンがちらちら見え隠れする……そんな芝居に釘付けでした(笑)

後、やっぱり「銀二貫」の善次郎。
谷(正純)先生が、れいこちゃん(月城かなと)の為に選んでくれた作品ではありますが、この作品、じゅんこさんの善次郎無くしては、絶対成立しなかったと思います。緩急とか清濁とか情とか……全てをもって、作品を引き締め、支え上げ、豊かなものにしてくれていたと思います。
なんと言っても、あの完璧な大阪弁よっ……泣
そして、昔々の「アポロンの迷宮」のルネは、そんな大きなお役ではなかったんですけど(ま、美味しかったですよね)未だに記憶に残ってます。
「シークレット・ハンター」のダグのお父さんや、「For The people」のリー将軍や、「黒豹の如く」のバンデラス侯爵や、「アイラブアインシュタイン」のヨーゼフ(レオ)とかも、本当に素晴らしかったです。
時代も立場も身分も生き様も、全然違うキャラクターを巧みに演じ分け、こっそり(?)自分色をプラスする……。素晴らしい演者さんだと思います。
ので、今いらっしゃる演者(生徒)の中ではやっぱり一番かなと感じます。



で。
色々考えていると、やっぱりヅカファンになってから一番芝居が上手いと尊敬しているのは、マヤさん(未沙のえる)ですわ。
これも何度か書いてますが、生まれて初めて生で観た宝塚作品が初演の「ME AND MY GIRL」な私。
この頃は、マヤさん月組生でした。
流石に宝塚の男役さんを「男性」と勘違いする事は無かったですけど(笑)、「女性であんなおっさん出来るんだ!」とびっくりしたものです。
マヤさんは、結構自分に役を引っ張ってくる系の役者さんかなと思いますが、どのお役も絶妙に面白いんですよね。
サクサクとした口調とか、(昨今の男役さんに比べたら)ちっちゃいのに絶対見てしまう存在感とか(あ、でもやっぱり話の邪魔はしないんですよね)、作りこんで作りこんで、舞台上でその人として生きている……のに、「マヤさんだー」ってニマニマさせる、独特の味!
一番好きだったのは、(パーチェスター除く)「秋……冬へのプレリュード」の、シュリュツ兄弟のお兄ちゃん、レオ役で。
このお役を観た時「この役者さん、マジすごい!」と思いました。
ナチスに対する反抗意識とか、兄弟に向ける思いとか、生きる為死ぬ為の覚悟とか。
めっちゃすごかった。決して二枚目なお役とかではなかったですけど、生き様が格好よかった。

後、「La Esperanza」のゴールドバーグ氏。軽妙な語り口で若い記者翻弄する、元有名映画監督。まだまだ元気なおじさん(笑)
物事を俯瞰しながら……でも愛情を持って見つめている……そんなおじさんでした。

多分、(花組時代以外)出てらっしゃった作品ほとんど見てるんですけど、宙組の「BOX MAN」のロジャーや、「マリポーサの花」のイスマヨール、「愛するには短すぎる」のブランドン、「ゼンダ城の虜」のサプト、「コパカバーナ」のサム、「カナリア」のティアロッサミ、「オーシャンズ11」のソール……おおう。挙げだしたらキリがない……(笑)
どれも凄かったですから……。

どの作品も、マヤさんがそこにいるだけで、安心して泣いたり笑ったり出来ました。
バイプレーヤーとして、主役と話を盛り上げ膨らませて、心に残る素晴らしい作品になる様、演じておられたと思います。
卒業されて、本当に悲しかったです(そして、音校講師を断られたという噂も、残念でした……)


実は、マヤさんの流れをじゅんこさんが汲んで繋げていると感じています。



その先に、コマがいると思ってたのになぁ……(笑)



それが言いたかったのか……私……(笑)