すいません。
今更ながらに、「MY HERO」の感想です。

ヅカに落ちる前、戦隊モノ好きが高じて、アクションのスーツアクターの道に行きかけたワタクシ、身長が低くてヒーローにはなれず(笑)メルヘンのアクターをしておりました。
ので、ききちゃん(芹香斗亜)主演の花組別箱公演が、サイトーくん(齋藤吉正先生)脚本演出の、ヒーローものの話だと聞いた時には、そりゃビックリしました(笑)

一体どうやったら宝塚に沿うストーリーになるんだろう
と心配しましたが(笑)


あー、こう来ましたか(笑)

およそヒーローものでは、主役になり得ない(初期)キャラ設定の、主役ノア・ききちゃん(芹香斗亜)。

ヒーローものなら、絶対こっちが主役だろってキャラなテリー・ちなつちゃん(鳳月杏)。

見た目は「ヒーローもののヒロイン」だけど……や、まぁ、ヒロインですけどな、マイラ・くりすちゃん(音くり寿)。

戦隊モノとかだったら(脇役で)いてそうな、もう一人のヒロイン、クロエ・きわちゃん(朝月希和)。




で、ヒーローものでは絶対出てこないと思うけど、私的に一番ツボで、ある意味一番感情移入してしまった(笑)戦隊ヒーローのアクター(変身前)……だった、おじー、おばーたち(笑)

そして、絵に描いたような悪役(笑)スマイル・たそ(天真みちる)。


純粋な「ヒーローもの」ではなく、「ヒーローもの」を演じるスーツアクターが主役の、「バックステージもの」にしましたか!

確かに、バックステージものだったら、宝塚では定番の素材だし、大人の話にも持っていけますからね。
……とはいえ、撮影場面や、キャラショーはしっかり子供向けのテイで(笑)

これは……本当にヒーローもの好きな人でないと書けない脚本だと思いました(笑)

本気でサイトーくん好きになりましたよ(笑)

話のテンポも良いし、ただのヒーローものバックステージものではなく、親子愛(ステップファミリーのも含め)や友情や、忘れられない思い出や、主人公とヒロインの心の成長など、色んなものを上手く盛り込んで、本当に良い作品になっていたと思いました。



ヒーローものの(顔出し)アクターさんって、本当は、本当に子供向け作品の顔(主役)を一年つつがなく務められる、スキャンダル起こしそうにない人をスポンサーは選ぶ(はずな)ので(個人的に、だから新人が多いのかと思ってますけど)、どんなに事務所が揉み消していても、ノアみたいなタイプを使うとは思わないんですけど(笑)
ま、本人がアクション出来る人気俳優だと言う事と、彼のお父さん、ハル・あかちゃん(綺城ひか理)が初演のアクターで活躍していたのが、採用ポイントになったのかしらね。宣伝効果抜群だものね。

彼のスタントをするのが、(中身)スーツアクターのテリー。

本当に、役の変身後として紹介されたり、表向きキャストとしては露出(顔出し)出来ませんけど、こっそり別の役(一寸したゲストとかモブキャラとか)で顔出ししたり、わかる人にはわかる人様に、テロップに出たりしてるんですよねー。
なので、変身後のアクターさん(スーツアクター)のファンっていてるんです。
斯く言う私も、変身前の役者さんより、スーツアクターの蜂須賀兄弟とか、岡本美登さんとかのファンでした(笑)
ま、それは置いておいて(笑)

ノアが、なんだか自分もスーツアクターなのに、顔出しアクターさんより下な感じに言っていたのが、一寸引っかかったんですよねー。
テリーじゃないですけど、スーツアクターは、スーツ着て芝居する事に誇りを持っています。
一寸ね、「ノア、舐めんじゃないわよ!」と思いました(笑)
まぁ、そんな根性だから、こんな苦労するのよね(笑)


元戦隊ヒーローの五人が、揃って同じシルバーホームに住んでいるってのが、なんだか面白くて……(笑)
キャラとして(ライバル設定とかでも)仲良いのは当たり前なんだけど、プライベートででも、めっちゃ長い年数仲良しって、(戦隊モノ)ファンとして理想だなと。大好きなメンバーが、こんなじーばーになっても本当に仲良かったらいいなぁとか、思っちゃいますよ。
うーん。落下傘同士でコンビ組んだトップ2人が、めっちゃ仲良くて退団後もしょっちゅう一緒にいるみたいな……(笑)そんな感じかな(笑)

後、キャラショーの場面があったんですけど(笑)
あの「MCのお姉さん」が敵の手下に捕まってみんな(観客に)助けを呼ぶ様に頼むパターンは、関東タイプですね。
関西は、悪ボスがMCやったり、お姉さんと絡んだりするんです。
(あ、これって、30年近く前の話なんですけどね(笑)今はどうなんでしょうかね。関東関西で違いあるのかしら?)
あまりにもこりのちゃん(美花梨乃)の「MCのお姉さん」っぷりが完璧で、なんか懐かしい……と思いました(笑)

スーツも、流石のクオリティ!
テクターもの(宇宙刑事シリーズとかジライヤとか)や、ライダーもの(仮面ライダー)とかの造形に近くて、いやいや、格好いいと思いました。
「ランスロット」や「アーサー王」での甲冑からのノウハウが生きてるんだろうなぁと思いました。素晴らしい!
宝塚的に、流石にフルフェイスの面(マクスとかヘルメット状のもの)は使わないだろうなぁと思ってたんですけど、結構な覆い具合で。ま、パッと見た時「ライダーマンや苦笑」と思いました(笑)
それにしても、面ヒモ(顎紐)なしに殺陣とか……脱がなきゃいけないからだとは思うけど、殺陣中に外れたら怖いので……、かなり頭にフィットする様に作ってるのね。裏返して見せて欲しい……(笑)
視界確保のバイザーが一寸小さくて、慣れてない人には大変だろうなぁとか思ったけど、見るためにだと思うんですけど、顎を引いて立っているポーズがライダーみたいで、本当格好よかったです。特に後ろ姿ハート②

ききちゃん、ちなつちゃんが秀逸なのはもちろん、あかちゃんの後ろ姿に鼻血出そうでしたよー(笑)


そんな私的ツボを刺激してくれる、サイトーくんの脚本たら……。

親子愛もねー、無条件に泣いてしまう……すっかりおばちゃんになったイナバですので、あんなに号泣させられるなんて思ってなかったので、やられましたわ~。


敵キャラ……というか、ノア父と一緒に芝居していた悪役の俳優が、リアル悪巧みやっちゃう、一寸バカバカしい設定と、笑えるくらいしょーもない支配の仕方(ヘッドホン付けて洗脳して、カエルにするとかカラスにするとか。しょーもない面白すぎ!)とか、(劇団)新感線なめっちゃテンポのいいノリで、本当に面白かったです爆笑

まさか、こんなに笑えるドタバタ劇を宝塚で観られるとは思いませんでした(全力で褒めてます)。

サイトーくん、本領発揮しましたね(爆)




惜しむらくは……。
殺陣……。
や、足元ヒールだし、テは格好よかったですけど。
殺陣、清家(三彦)先生なのね。ある意味、意外~。

蹴りとかね、殴りとかね、ききちゃん、ちなつちゃんなら、もっと出来ると思ったので、もっとやって欲しかったです。
ふっと思い出したんですけど、ちえ(柚希礼音)とかわたる(湖月わたる)は、(殴りも蹴りも)上手かったなぁ(笑)


あ、でも、プログラムの最後のページのききちゃんの蹴り……大変アレなんですけど(足刀がしたいのか、前蹴りしたいのかわからない)、実際に観た時は、キレイな前蹴りでした(笑)


殺陣は、いつにも増して(笑)観ながら身体がぴくぴく動いてしょうがなかったです。

面白かった。1回しか観られなかったのが残念でした。


またいつかこういう話、やってくれないかなぁとか、思います。