本公演一度だけ観劇で新公観ましたって、今年二回目なんですけど(前は宙組の「シェイクスピア」)、見落とさない様にと、めっちゃ集中しました。

本公と新公、両方合わせた感想になっております。




ええと。こないだ書いた事と殺陣のアレなのと所作事は、とりあえず、出来るだけ脇において置いて(笑)



正直、星組に和物を持ってくるって、「なんてチャレンジャーな……」と思いましたが(それでも、宙組とかよりはマシかなと)。
まさかこんなに長いこと和物やってなくて、経験者がこんなに少ないとは思い至りませんでした。

しみじみと、和物って難しいのねと、感じました。

でも。
や……だからかな?
「幕末もの」という割に、メインは、和装もいつつ洋装もいて、(星組の得意な)軍服姿が沢山出てくる明治時代で。


びっくりする位、幕末の話はすっ飛ばされてて(笑)
1862年の島津久光の上洛から、1868年の会津戦争に飛んで……メインの1873年にって……(笑)
……びっくりしました(笑)

迫力に圧倒されて見入ってた初見(本公)ではそんなに気にならなかったんですけど、二回目(新公)では、途中何度か「?」と思ってしまいました(笑)
飛びすぎてて、脳内で補完しないと……な感じで(笑)
中途半端に知ってると気になるというか……(笑)

ま、それは私の不勉強がもたらす弊害なんでアレですが……。



桐野利秋@みっちゃん(北翔海莉)。
一人、立ち姿も和服姿も様になってましたね。
殺陣も、もちろん。逆に絡みの下級生に同情したくらい(笑)
宝塚最後の作品を、和物にしたのは正解だったかもねー。
お似合いでした。

ラストの殺陣で、片腕で刀を挟んで血糊を拭く仕草が、めちゃくちゃ格好いい!
あれは、清家先生(殺陣の先生)指示なのかな?
「刀の扱い、わかってるー!(ヒトの脂が付くと斬れなくなるから)」と思う仕草でした。
あ、刀の鞘が「朱鞘」なのが、「薩摩っぽっぽい~」と思いました。幕末引きずってる感じ~。

しかし。もっと風ちゃん(妃海風)とのいい場面(笑)見たかったな。
桐野さんの想いが、吹優だけでなく客席にもあまり届かなかったです。
ま。幕末ものなんで「男の友情」がメインだから仕方ないかもだけど……それにしても、吹優に対する思いっつーか態度が、保護者のそれに感じました苦笑
切ない……二人の退団公演なのに……。


新公の桐野利秋@ぴーすけくん(天華えま)。
和服の補正がちゃんと出来てなかった様で、めっちゃシワ寄ってた。だから、貧相に見えた。ちょっとの事で見た目も印象も変わるから、東京に向けてみっちゃんしっかり見て自分のモノにして欲しいな。
後、ちょっと役作り(話口調)が……そんな風にあえてしたのかもなんだけど、粗野な印象を受けたわ。
声はめっちゃいいし、最初の銀橋渡りのお歌はともかくとても上手だったので、お芝居、頑張って欲しいな。
あ、準太郎のお土産のパルファンを、「ええ香りじゃー」とか言いながら、頭にバシャバシャかけたのには笑いました(笑)意外に豪快な子だなと(笑)
でも、カテコでずっと半泣き状態での御挨拶を見て、可愛いなぁと思いましたきゃー

そう。桐野さんだけじゃないけど、示現流の木刀の持ち方、アレで正しいの?って……三度見位しました(笑)
(色々検索かけてみた)あー分かった。構えは間違ってないけど、木刀の持ち位置が中すぎるんだ。まるっきり真剣を想定していない持ち方だもんな。
もう。観た時「我流にも程があるがっかり」とか思いましたよ。
あっ!それ狙い?(笑)

で。
桐野さんの、ラストのお衣装さあ。
なんで着流しなの?
あんなマジの戦争でさぁ~、お裾邪魔な着流し姿って、絶対おかしいと思うんですけどぉ~がっかり
下に着てるんだったら、尻っ端折りしなよムカムカ
と、思いました。
いやー、格好よかったけどねー。ビジュアル重視でアレだったのかなぁ?
そうだとちょっと残念。(史実に即したお衣装だった様です。Lisa様がコメント欄に書いて下さってるので、併せてお読み頂けたら嬉しいです。)

今回、モノローグ(独り言・笑)それも、やたら一言セリフが多くて、ビミョーに気が散りました。
あれは……他の手段無かったのかな?
舞台であの手を使うの、あまり好きではないです。



大谷吹優@風ちゃん。
可憐だけど、芯のしっかりした女の子やらせたら上手いなあ。さすが星組娘役トップ!
薙刀も頑張ってました~。
袴かドレスだったから、ある意味楽だったかな(笑)そんなに違和感無かったです。
とはいえ、トップ娘役の退団公演にしては、お役アレじゃない?なんかビミョー。
てか、桐野さんに想われてない印象を受けたんだけど。
恋情より、同情っぽい……。
アレで桐野さんの家に遺品届けに行って、ヒサ・あーちゃん(綺咲愛里)に「お妾さんだな」みたいなリアクションされるのは辛かろうなぁ(笑)
一瞬でも、(桐野さんと)通うものが見えたら良かったのになぁ。や、これは脚本的な事だね。

新公の大谷吹優@びっくら小桜(笑)(小桜ほのか)。
……風ちゃんも安定の歌上手なんだけど……びっくら小桜の上手さに……もう……びっくらしたよ(爆)
芝居も良く出来てて、声の通りもよくて、楽しみな娘役ちゃんだなと、素直に感じましたよ。
後、カテコの時、ぴーすけくんの背中に穴が開くんじゃね?って位一生懸命見詰めている姿が、正統派な娘役って印象に映りました。
本当に楽しみです。

しかし。あの時代の(洋装の)ヘアスタイル。「これでいいのか?日本人?!」って感じですよね(笑)
そういえば、彼女(吹優)、記憶って戻ったんでしょうかね?いい所までは思い出したけど、後はとりあえず「人から話を聞きました」ってだけだった様な……。



衣波準太郎@べに(紅ゆずる)。
「宝塚ジャポニズム」の時より遥かにお着物の着こなしも上手くなって、軍服はもちろん格好いいし、黒髪もおヒゲも大変私好みでございました(笑)
ま、刀の持ち方……というか、構え方にはまだまだレガンバ!って所が多々ありますけどねー。
短い時間の中で、怒濤の様に流れる時代を桐野さんに対する友情と、日本を良くして行きたいという情熱を持って、とても良く表現して、生きたキャラクターにしていたと感じました。
薩摩にやっと帰って、温かく迎えて貰えるかとちょっと期待してたのに、もぅ、凄い敵視されて。せっかく持って来たお土産叩き付けられるわ、好きだった女性には銃向けられるわ、肉親には罵倒されるわと、めっちゃ国の為、引いては郷の皆の為に頑張ってるのに……やるせない気持ちが、切なくて……可哀想だった。
やっぱりべにの芝居、好きです。
あ、軍靴のヒール!低めにしてて、大変私好みでした!


新公の衣波準太郎@あやなちゃん(綾凰華)。
前回の「こうもり」から、彼女の舞台姿がきんぐ(蓮城まこと)に見えて仕方ないんですけど(笑)
総髪ポニテで袴姿になると、益々そう見えてしまいます(笑)
あやなちゃんも、声はいいし立ち姿もスッとしていて、次代のスターなんだろうなぁと、感じます。
正直、泣かせるポイントや見せ場があって、かなり美味しいお役だったので、やりがいあったろうね。
その分めっちゃ難しかっただろうけど。
良かった。
ちょっと、郷士にしては品があったけど(笑)



川路利良@かいちゃん(七海ひろき)。
正直。印象めっちゃ薄い。
途中まで「あれ?かいちゃんそこにいたの?」ってなかなか気付かなかった位。
寡黙であまりセリフない?
でも、このお役があるから、桐野さんと新政府の狭間で揺れる準太郎の心情が、見えやすくなってるのかな?
もちろん、桐野さんの意志も。

ただ、回想シーンでいなかった(ですよね?)ので、準太郎と同じ「薩藩の郷士」って気付かなくて、「下級の武士と蔑まれた云々」のセリフが唐突に感じました。
や、私の勉強不足がいけないのだけれど水

しかし。元宙組で、今星組なんて、なんて軍服お似合いなんでしょう~きゃー
最近、かいちゃんに色気を感じるようになりました(笑)


新公の川路利良@あまじくん(天路そら)。
熊本出身?多分星組では少数派の、九州勢。
きっと思い入れあったでしょうね。実在の人物だから。
桐野さんと準太郎言い合いの所で、最後(桐野さんに)「引きたまえ」だか「戻りたまえ」だか言うところが、なんか印象的でした。



八木永輝@まこっちゃん(礼真琴)。
いい役~。堂々とした三番手!
初日映像見て、誤解してたみたいで色々びっくりしたけど(笑)
役として、だいぶしんどい設定だなと思うけど、安定の芝居と歌唱力で、しっかり組も作品も支えておりました。
藩では結構いい身分の家臣だったんでしょうね。姫にまでお目見得出来て、名前認識されてる位だから。
が、明治になって浪人ものになった時のやさぐれ感たら……。
素足に雪駄、着流しで大刀落とし刺しにして……。
やーめっちゃ様になってるーにこと、感じました。
その武士が、最期に銃を使うのが切ないねー。


新公の八木永輝@しどりゅう(紫藤りゅう)。
うんうん、頑張ってた。さすが、新公トップ経験者。
メインキャストで、唯一「あ、流石に本公のが歌上手だな」って思ったけど、比べる相手が悪いがっかりだって、あの歌上手、礼真琴さんなんだもの(笑)仕方ない。
しどりゅうが下手なわけでもないし。

慣れない殺陣も着流しも、頑張ってた。
愛奈姫の事、凄く好きなんだって感じました。切ないねー。



はっちさん(夏美よう)の大久保利通は、何度も、「山縣さんじゃない、大久保さんだ」と自分に言い聞かせないと混乱しそうでした(笑)るろ剣引きずりまくり(笑)
なんでサイトーくん(齋藤吉正先生)は、こんな近々に幕末もので印象的なお役やった人を使ったんだろう……。ややこしくて叶わない……。


新公で大久保さんやった桃堂くん(桃堂純)は、何故か外国人風味で(笑)なにがいけないのだろう?って思って観てました。



さやか(美城れん)のせごどん(西郷さん)は、もう。おかしい位凄かった。
宝塚の男役としての集大成、見せて頂きましたよ(笑)
でも、これだけ懐の大きいお役出来る人、辞めるの勿体ないなぁ。

そういえば、自決するとこ……ん?「自決」じゃなかったね?なんでだろう?
てか、まぁ、演出だからアレなんだけど、あんな高いとこに行くから狙撃されるんだよー!って突っ込んでしまいました(笑)


新公の西郷さん音咲くん(音咲いつき)は、もう……頑張ったねぇ泣
本気で誰かわかりませんでした(笑)
あの懐の深さを出すには、結構……というか、だいぶ大変だったと思うし、難しかったと思うけど……新公最上級生として、頑張ってたと思いました。
やー、カテコのご挨拶もしっかりしてて良かったですねー。



吹優パパ大谷隆敏と、岩倉具視の、みきちぐ(美稀ちぐさ)。
すっかり「星組のお父さん」になって来たなぁって思いました。
あまり、吹優と親子らしい絡みは無かったけど、ある意味、吹優と桐野さんを出会わせた人ですからね。
短い出番だけど、重要なお役だと思いました。
岩倉さんは、もう。私のイメージピッタリ(笑)死ぬ程嫌なヤツなんですよねー(笑)
ちょっと誇張して公家言葉(や、京都弁かな?)話してて、すっかり忘れてましたけど、みきちぐって、関東の人なのよね。
ま、もう、関西のが長いんだろうけど(笑)


新公の吹優パパ岩倉さんの、朝水くん(朝水りょう)も、頑張ってた。
全編和服苦笑吹優パパはその上戦装束だし、殺陣だし、死ぬし。色々大変。
岩倉さんは、公家言葉(京都弁?)だし、主人公側から見たら政敵のトップだし。
とってもみきちぐの岩倉さんを参考にしたなって、役作りだった。……けど……見た目がとってもキレイなんで(笑)、私のイメージの岩倉具視が……(岩倉具視って、やっぱり嫌なヤツなのですよ)逆の意味で崩れて来た(笑)
なにこれ、所謂「美形化」ってヤツですか(笑)
政治的に、むしろ、岩倉さんと大久保さんの言うことのが正しいじゃんって思っちゃいましたよ(笑)



後……そう、桐野さんの嫁になる、準太郎の元カノ(笑)竹下ヒサ
うーん。こりゃまた難しいお役だなぁ。
正直、新公のきいちゃん(真彩希帆)のが好みだなぁ。上手いし。特に歌が。
娘時代と、妻になってから。夫と敵対してしまった昔の恋人に対する態度、敗戦の将として死んだ夫を思いながら倹しい生活をして。自分の知らない場所で夫が思いを寄せていた女性が遺品を届けに来た時の対応が……。
上手い。

本公の時はそう思わなかったけど、新公観て、「あれ?ヒロインって、こっちのがよくない?」と……。
主人公と絡み少ないけど、「三角関係の頂点の1つ」を担ってるし、切ないし……。
や、もっと吹優の話膨らましたら問題無かったんだろうけど(エピソードはあるのに、ビミョーに薄かった印象)。

今回、きいちゃんが娘1にならなかったのが不思議で仕方ないんだけど、ま、次に温存か、他所に嫁にやるか(なら何故星組に?)……なのかなと、思いました。
娘1にならないのは、もったいなさ過ぎる!


きいちゃん繋がりで。
愛奈姫。
本当に、美しい!そして落ちぶれて悲しい……。
まこっちゃんとの並びが、たまらなく好きです!


新公の愛奈姫のれいらちゃん(華鳥礼良)。
やっぱり歌上手い~。きいちゃんの上手さに負けてないのが凄い!
れいらちゃんの声が、本当に可愛くて好きです。

ただ、やっぱり和服に慣れていないのか、娼婦の、胸元ガッツリ開いた着付けが……開けすぎというか、後ろをちゃんと引っ張ってないからか、ものすごく着崩れしてましたね。
ラストで、姫の拵えで出てきた時も襟の合わせがぐさぐさで……「どうしちゃったの?」って釘付けになっちゃいましたううっ...
お衣装部さん、付いてないのかなぁ?



そうだ!
篠原国幹のみっき(天寿光希)!
戦争始まってからのマント姿!なにあの破壊力?!(笑)もう……もう……鼻血ものでしたよ泣ハート②
結構あっさり死んじゃって残念でした(笑)


で。
桐野ママ中村スガのあんる(夢妃杏瑠)!ナレーションが秀逸で……。素晴らしい……。
てか、これがあるからまるで「大河ドラマ」みたいになってるんですよね。

自分(私)は母だから、こんなキャラにどうしても感情移入してしまいがちなんですけど。
薩摩に帰って来た桐野さんに「お前が生まれてきてくれた事が一番の親孝行だよ」的な事言うところが、凄く泣けてしまいました(笑)

個性的な役とか多かったけど、すっかりいい女役になったよねー、あんる。

はるこ(音波みのり)と共に、頑張って欲しいものです。



……書き出したら、えらい長さになってしまいました……苦笑

とりあえず……ここで置きます。


本当に、好みの作品で良かったです。