「ドン・ジュアン」観劇後から、ここ数週間。このテーマでブログに向かっているのですが。
上手く行かなくて、何度も書いては消し、書いては消しを繰り返して。
本当に……自分の文才と語彙のなさを痛感しております。
心に感じたこの感動と、理解したつもりのもの(ストーリーとか、キャラとか)を、どう表現していいか……。
迷いまくっております。
なのに、書かずにはいられない……
難儀なやっちゃです。

「ドン・ジュアン」という作品を、雪組でやるとなって、粗筋を知った時。
正直、「あ、絶対嫌いな話だ
」と、思いました。
どれだけ大恋愛でも、周りに迷惑かけまくり、自分の事しか見えない様なキャラは、苦手です。
私のブログを読んで下さってる方々は、しょっちゅう書いているのでご存知でしょうが、「激情」や「仮面のロマネスク」は、大嫌いです。
ので。
今回の作品も、きっと嫌な思いするんじゃないかなと、貴重なチケット頂きながらガクブルしていた訳ですが。
でも。
観終わって感動している私がおりました。
主人公(ドン・ジュアン)は、やっぱりアレなキャラクターでしたが(それでも、最後には好きでしたけど)、ヒロイン(マリア)と出会ってからは、彼女一筋だったし、「真実の愛を求めてさ迷っていた」的に見えたから(蛇足ですが、ちょっと源氏の君と重なりました)。
と、それも、あるのですが。
私的に一番良かったのは、ヒロインが、普通の女の子だったって事だと思いました。
や……何を以て「普通」と言うのかというとアレなんですけど。
考え方とか生き方とかが、普通の感覚だなと。
この時代に、マリアの様な生き方が普通かはわからないですけど、観ている私達からすると、結婚に際して、相手にはやっぱり、愛してくれるのももちろん大切だけど、「自分の全てを認めてくれる」ってのが、大分重要だと思うんです。
と、ゆーか、自分を認めてくれた人に対して、自ら自分の全てを捨てても構わないと思える人というのが、重要なんだと。
では、ジュアンの何を以て彼女は「自分の全てを捨てても構わない」と感じたのか。
マリア ちるちる(彩みちる)から見て、ラファエル ひとこちゃん(永久輝せあ)と、ジュアン だいもん(望海風斗)という二人の男はどう違っていたのか。
てか、マリアにとってのジュアンの魅力って、何かと。
ジュアンにとってもそうだと思うんだけど、「自分に先入観を、持っていない」ってのがいいのかなと思う。
「ありのままの自分」をまず見て、認めてくれる。
みたいな所かなと。
ラファエルが「荒れちまって……可哀想に。」と言った手を、それを含めて「美しかった。」と言ったジュアン。
マリアにとって、彫刻は生き甲斐で、アイデンティティなんだよね。
だから、ラファエルに「結婚したら、彫刻は辞めてくれ」言われて、少しだけ不安(不満?)を感じて。
彼は自分の全てを認めてくれていないって思ったのに、でも、その時には「結婚ってこんなもんだ」と、深く考えずに承諾して。
その、「深く考えずに承諾」ってのも、この時点では、わかる気がする。
ラファエルを愛していた事は嘘じゃないから。
そして、その僅かな不安を、賛美と共に払拭してくれたのが、ジュアンで。
自分の何もかもを認めて尚且つ、「美しい」と言ってくれたジュアンに、きっと「惹かれる」って予感があったのかも。
だから、「世界が違う」と逃げたのかなと。
それなのに、次に会った時「お前の世界に来たぞ!」なんて言われたら……。
惚れるわな(笑)
彼(ジュアン)が、自分の為にどれだけのものを犠牲にしているかわからないけど、違う世界に「来い」じゃなくて「来たぞ」だものねー。
それだけで、マリアにとっては全てを捨ててもいいって思えただろうな。
ラファエルに「やめてくれ」と言われて、それでも直ぐにはやめられない、本当はやめたくないって思いながら仕上げた、最後の彫刻を、彼に会えるようにするために、自ら壊してしまう程に。
……。
最初に普通の女の子って書いたけど、ま、普通ではないな(笑)
あのジュアンに「何を考えているんだ」って言わしめる位なんだから。
てか、ジュアンでなくても言うわな(笑)
でも、それで、お互い強く惹かれるものがあると自覚したんだと。
ラファエルには感じなかった、強い想いを感じたんだと。
ジュアンにとっても「初めて愛を知った」出会いだったけど、マリアにとってもそうで。
自分には恋人がいて、結婚を約束していて。
でも、ジュアンに出会って、ラファエルに対する思いは「本当の愛ではなかった」と理解してしまって。
初めて二人で迎えた朝。
マリアの膝に頭を載せて眠るジュアン。
愛おしそうに、その髪を撫でるマリア。
目覚めたジュアンが「ずっと側にいてくれるのか?」と縋るように(や、実際縋ってたね)問う。
もう。
仔犬の様な目で……。
母性本能くすぐられまくりです。
自立心がある(仕事をしている)女性だからね、こう……「俺に付いてこい」って男性より、「一緒に歩こう」……なんだったら「私が付いてるわ(と自分がいう)」位のこんな男性がいいんだろうな。
女として「尽くし方」の違い?
「守る」まではいかないだろうけど、私が付いてなきゃな人の為に、何もかもを捨てて尽くすってタイプ。
きっと、ラファエルに求婚された時は、自分がそんなタイプだと気付かなかったというか、世間一般の「付き従う」タイプになろうとしていたのかなと。
だから、ジュアンに出会って初めて本当の自分の愛し方がわかったというか……。
そして、ジュアンに出会った事で、「今までの何もかもを捨ててこの人と生きて行こう」と思ったんだな。
マリアにとって、二人の決闘はある意味予定外だったんじゃないかな。
ラファエルが戦地から戻ってくる前に、二人で新しい土地に行くつもりで。
ジュアンとの愛を知ったマリアにとっては、ラファエルの存在はもう、「過去のもの」で。
自分が口を噤んでいたら、そのままで行けるんじゃないか。二人を傷付けずに済むんじゃないか。
と、ちょっと都合よく考えたのかなぁ。
二人の決闘で、マリアの愛はジュアンの物だとはっきりわかったけど、ジュアンが嫉妬に狂うほど、マリアを愛していたのもわかったけど。
結果的に、ジュアンは嫉妬に狂って決闘をして、マリアの愛を永遠に自分の物にする為に自ら死んで。
マリアの愛は、確かにジュアンの物だけど。
死んでしまったジュアンへの愛を抱えて、マリアはこれからどう生きていくのだろう。
ジュアンに愛を……永遠の愛を捧げて……捧げる一方に……これからも捧げて。
元には戻れないし、強くも生きて行けないと思う。
ジュアンって、つくづく「ひどい男」だと思うわ。
自分が死んだ後、マリアがどうなるか、考えてなかったよね。
マリアの自由だったはずの人生は、マリアの愛は……。
空をさまよって、どこに着地するんだろう……。
本人(マリア)は、幸せだったからそこまで思ってないかもだけど。
えらい人に関わって、えらいことになったなぁ。
と、思わずにはいられない、ラストだと感じました。

上手く行かなくて、何度も書いては消し、書いては消しを繰り返して。
本当に……自分の文才と語彙のなさを痛感しております。
心に感じたこの感動と、理解したつもりのもの(ストーリーとか、キャラとか)を、どう表現していいか……。
迷いまくっております。
なのに、書かずにはいられない……

難儀なやっちゃです。

「ドン・ジュアン」という作品を、雪組でやるとなって、粗筋を知った時。
正直、「あ、絶対嫌いな話だ

どれだけ大恋愛でも、周りに迷惑かけまくり、自分の事しか見えない様なキャラは、苦手です。
私のブログを読んで下さってる方々は、しょっちゅう書いているのでご存知でしょうが、「激情」や「仮面のロマネスク」は、大嫌いです。
ので。
今回の作品も、きっと嫌な思いするんじゃないかなと、貴重なチケット頂きながらガクブルしていた訳ですが。
でも。
観終わって感動している私がおりました。
主人公(ドン・ジュアン)は、やっぱりアレなキャラクターでしたが(それでも、最後には好きでしたけど)、ヒロイン(マリア)と出会ってからは、彼女一筋だったし、「真実の愛を求めてさ迷っていた」的に見えたから(蛇足ですが、ちょっと源氏の君と重なりました)。
と、それも、あるのですが。
私的に一番良かったのは、ヒロインが、普通の女の子だったって事だと思いました。
や……何を以て「普通」と言うのかというとアレなんですけど。
考え方とか生き方とかが、普通の感覚だなと。
この時代に、マリアの様な生き方が普通かはわからないですけど、観ている私達からすると、結婚に際して、相手にはやっぱり、愛してくれるのももちろん大切だけど、「自分の全てを認めてくれる」ってのが、大分重要だと思うんです。
と、ゆーか、自分を認めてくれた人に対して、自ら自分の全てを捨てても構わないと思える人というのが、重要なんだと。
では、ジュアンの何を以て彼女は「自分の全てを捨てても構わない」と感じたのか。
マリア ちるちる(彩みちる)から見て、ラファエル ひとこちゃん(永久輝せあ)と、ジュアン だいもん(望海風斗)という二人の男はどう違っていたのか。
てか、マリアにとってのジュアンの魅力って、何かと。
ジュアンにとってもそうだと思うんだけど、「自分に先入観を、持っていない」ってのがいいのかなと思う。
「ありのままの自分」をまず見て、認めてくれる。
みたいな所かなと。
ラファエルが「荒れちまって……可哀想に。」と言った手を、それを含めて「美しかった。」と言ったジュアン。
マリアにとって、彫刻は生き甲斐で、アイデンティティなんだよね。
だから、ラファエルに「結婚したら、彫刻は辞めてくれ」言われて、少しだけ不安(不満?)を感じて。
彼は自分の全てを認めてくれていないって思ったのに、でも、その時には「結婚ってこんなもんだ」と、深く考えずに承諾して。
その、「深く考えずに承諾」ってのも、この時点では、わかる気がする。
ラファエルを愛していた事は嘘じゃないから。
そして、その僅かな不安を、賛美と共に払拭してくれたのが、ジュアンで。
自分の何もかもを認めて尚且つ、「美しい」と言ってくれたジュアンに、きっと「惹かれる」って予感があったのかも。
だから、「世界が違う」と逃げたのかなと。
それなのに、次に会った時「お前の世界に来たぞ!」なんて言われたら……。
惚れるわな(笑)
彼(ジュアン)が、自分の為にどれだけのものを犠牲にしているかわからないけど、違う世界に「来い」じゃなくて「来たぞ」だものねー。
それだけで、マリアにとっては全てを捨ててもいいって思えただろうな。
ラファエルに「やめてくれ」と言われて、それでも直ぐにはやめられない、本当はやめたくないって思いながら仕上げた、最後の彫刻を、彼に会えるようにするために、自ら壊してしまう程に。
……。
最初に普通の女の子って書いたけど、ま、普通ではないな(笑)
あのジュアンに「何を考えているんだ」って言わしめる位なんだから。
てか、ジュアンでなくても言うわな(笑)
でも、それで、お互い強く惹かれるものがあると自覚したんだと。
ラファエルには感じなかった、強い想いを感じたんだと。
ジュアンにとっても「初めて愛を知った」出会いだったけど、マリアにとってもそうで。
自分には恋人がいて、結婚を約束していて。
でも、ジュアンに出会って、ラファエルに対する思いは「本当の愛ではなかった」と理解してしまって。
初めて二人で迎えた朝。
マリアの膝に頭を載せて眠るジュアン。
愛おしそうに、その髪を撫でるマリア。
目覚めたジュアンが「ずっと側にいてくれるのか?」と縋るように(や、実際縋ってたね)問う。
もう。
仔犬の様な目で……。
母性本能くすぐられまくりです。
自立心がある(仕事をしている)女性だからね、こう……「俺に付いてこい」って男性より、「一緒に歩こう」……なんだったら「私が付いてるわ(と自分がいう)」位のこんな男性がいいんだろうな。
女として「尽くし方」の違い?
「守る」まではいかないだろうけど、私が付いてなきゃな人の為に、何もかもを捨てて尽くすってタイプ。
きっと、ラファエルに求婚された時は、自分がそんなタイプだと気付かなかったというか、世間一般の「付き従う」タイプになろうとしていたのかなと。
だから、ジュアンに出会って初めて本当の自分の愛し方がわかったというか……。
そして、ジュアンに出会った事で、「今までの何もかもを捨ててこの人と生きて行こう」と思ったんだな。
マリアにとって、二人の決闘はある意味予定外だったんじゃないかな。
ラファエルが戦地から戻ってくる前に、二人で新しい土地に行くつもりで。
ジュアンとの愛を知ったマリアにとっては、ラファエルの存在はもう、「過去のもの」で。
自分が口を噤んでいたら、そのままで行けるんじゃないか。二人を傷付けずに済むんじゃないか。
と、ちょっと都合よく考えたのかなぁ。
二人の決闘で、マリアの愛はジュアンの物だとはっきりわかったけど、ジュアンが嫉妬に狂うほど、マリアを愛していたのもわかったけど。
結果的に、ジュアンは嫉妬に狂って決闘をして、マリアの愛を永遠に自分の物にする為に自ら死んで。
マリアの愛は、確かにジュアンの物だけど。
死んでしまったジュアンへの愛を抱えて、マリアはこれからどう生きていくのだろう。
ジュアンに愛を……永遠の愛を捧げて……捧げる一方に……これからも捧げて。
元には戻れないし、強くも生きて行けないと思う。
ジュアンって、つくづく「ひどい男」だと思うわ。
自分が死んだ後、マリアがどうなるか、考えてなかったよね。
マリアの自由だったはずの人生は、マリアの愛は……。
空をさまよって、どこに着地するんだろう……。
本人(マリア)は、幸せだったからそこまで思ってないかもだけど。
えらい人に関わって、えらいことになったなぁ。
と、思わずにはいられない、ラストだと感じました。
