花組のDC公演「For the people」を、観ました。
今月は、雪組観劇で頭の中がすっかり幕末~明治の日本なので、急に南北戦争時代のアメリカに意識が向くか…ちょっと心配だったのですが。
物凄くあっさり切り替える事が出来ました。
しかし、原田先生の舞台はセットが秀逸ですな。今回も、私好みでした。
デカい階段を3つ、上手下手は段を客席に向けて置き、センターは背面を向けて配し、中に室内のセットを仕込んでいたり。
階段を二分割して上と下で使い分けたり、大きい3つを繋げて大階段みたいに置いたり。
その場面に合わせて、多様に配置していたのが、本当良かった。
かなりシンプルなセットなのに、や、シンプルだからか。とても印象的だった。
装置の松井先生って、もしかして「アンドレア・シェニエ」の時の先生かな?
はっ!調べたら、私が大好きな舞台装置「南太平」も、松井先生だったわ!
やっぱりこの先生、好きです!あ、その先生を起用した原田先生も、私、好きですよ(笑)
で(笑)。
冒頭場面が、南部のプランテーションの奴隷たちが加虐されているとこで。
薄暗い照明の中に、何人もの黒人がいて、たった一人の白人(農場主・すみません、奴隷商人でした)に、逆らえずに鞭打たれてるの。
ゾワゾワってした。
私は、元々人が虐められてる場面って苦手で、それこそおしんとか、アニメの小公女とかも見られない位、だめなんです。
芝居ってわかってても、髪が逆立って体温が上がった感じがして、「これ、私最後まで見られるかな」みたいな不安を感じました。
それくらい、怖かった。
でも。
なんていうのかな。
演出的…や、脚本的には、時代背景だし、ここでメインキャストの柚カレー(柚香光)演じるフレデリック・ダグラスが、命からがら逃げ出して、奴隷解放運動に身を投じるきっかけになったって説明にもなってるから、そういう意味でも絶対必要だと思うんだけど、私は、この場面を見て、「理不尽だ、間違っている」と感じて、これこそがリンカーンの原動力をなんだと理解するには、効果的だったと。そう感じた。
全体を見て、やっぱり「風共」って、南部の人が自分に都合よく書いた作品なんだなって、ほとほと感心したわ。
宝塚のも、ほぼ原作踏襲してるし、それ以上に美化されてるから、奴隷は出てくるけどそんなひどい扱い受けてないものね。
「南部の人は、黒人に暴力振るったりしない」的なセリフがあったりして、いつも嘘臭いセリフだよ。って思ってたんだけどね。
それっぽいとこって、強いていうなら、スカーレットがプリシーに怖がられてる位か。
あ、でも、黒人はバカだから的な事は原作にあったな。
白人みたいに、頭を使って考えられないから自分たちが導いてやらなきゃ的な、守ったってるぞ的な、「お前ら何様?」な事が色々。
イライラしたのよね、読んでて。
話それちゃいましたが。
そんな南部(というか、この頃のアメリカ社会)に真っ向から勝負を挑んだのが、今回の主役のリンカーンで。
正直、アメリカの歴史って興味なくて
リンカーンの事も、この作品のタイトル「For The people~」の名言と、奴隷解放の父って言われてる事くらいしか知らなくて。
貧しい生まれだとか、学校行けなくて独学で勉強してたとか、弁護士やっていたとか、駆け落ち的に結婚したとか、子供が一人いて、あんまし親子関係良くなかったとか、南北戦争終わってすぐに凶弾に倒れたとか。知らなくて。
なんか…アメリカらしいなぁと…。
当時の黒人の人達も相当苦労していたけど、リンカーンも、そんな楽にやっていた訳じゃなくてというか、学歴ないとか出自がよろしくないとか、色々苦労して。それでも自分の信念貫くために戦ったのだと。
最初、弁護士をする傍ら州の下院議員をしていたリンカーンは、若くて理想に燃えてて、理不尽な差別に憤っていて。
結婚して、国政選挙に出て、時代が付いてこなくて一度敗退して。
黒人解放運動家のダグラスを知って、もう一度選挙に出て、大統領になって。
段々年とキャリア重ねて偉くなって、でも、本質は若いときのままで。
そんな「若い」リンカーンを、理事さま・トム(轟悠)は、なんの違和感もなく演じていて、もう、びっくりする(笑)
相手役のせんなちゃん(仙名彩世)との学年差を感じさせない若々しい演技が・・・さすが、トム(笑)
ほんと。巧いわぁ。
お髭、あってもなくっても、本当に格好いい。てか、男前。なんなら、男性じゃないってのが不思議(笑)
この作品、というか、「エイブラハム・リンカーン」はトムの代表作になると思うわ。
バトラーより、絶対、人間的に合っていると思う。
せんなちゃんの声が私は好きで。
今回のメアリーは、アメリカの女の子らしい・・・というか、スカーレットにキャラかぶり(笑)やなぁと思ったけど、自分の考えがちゃんとあって、正しく世の中を見れる頭の良さと勇気もある子なんだなと。夫を支えて、息子を愛して(でもあんまし思いは届かなかったみたいだけど)、リンカーンが妻として選んだ女性だけあるなぁって感じ?
史実では、「悪妻」と言われているらしいのだけど。
柚カレーは、黒人の運動家。
観る前に、「マイオリ級に黒塗り」と聞いていたのだけど。本当に真っ黒な黒人でした。
笑った時の歯の白さったら…(笑)びっくりした。
役的に、なかなかしんどいと思うんだけど…虐げられたり、理不尽な扱い受けたり。
でも、とっても紳士的な毅然とした態度で立っている姿が、格好良かった。
奴隷として働かされていた農場(すいません、奴隷市場でした)から逃げ出したとき、恋人も一緒だったんだけど、後に結婚して互いに支え合っている姿もよかった。
そういえば、妻アンナ役のべーちゃん(桜咲彩花)は、本当に真っ黒で、やっぱりしんどい役だからかあまり笑顔がないので、誰だかプログラム見るまでわからなかったよ(笑)どちらかというと、はにゃーんとした癒やし系笑顔のべーちゃんがこんな顔するなんてと、別の意味でもびっくりしました。
あ、実はダンスナンバーで、柚カレーに私、感動してしまったことがありまして。柚カレー、長めのコート着ていたんですよ。
ターンする度に、回りすぎるコートの裾をさりげなく手で払って、納めていたんですよ!
はい。すずみんみたい!と思いました。こういうこと見つけると、キュンとしてしまいます
番手的には、柚カレーが二番手でいいと思うんですけど、あきら(瀬戸かずや)も、美味しいお役でしたね。スティーブン・ダグラスさん。あら、柚カレーの役とファミリーネーム一緒なんだ。リンカーンとは地元の下院議員時代からのライバルで、恋敵でもあるっていう。その上、後には協力なんかしちゃって、挙げ句に我が身省みずがんばって無理がたたって死んじゃうっていうね。
おいしい…
前半の「ヤな奴」の所も、さすがあきらって感じだし、後半のいい人もあきららしくて。よかった。
昔からの弁護士仲間のウイリアムが、藤P(鳳真由)。優しいお兄ちゃんで、リンカーンが国政から撤退して、弁護士の以来もあまり来なくなって落ち込んでいる時にも、優しく励ましたりして、いい友人、良き理解者なんだなぁと。
弁護士事務所時代からの助手、エルマーがマイティ(水美舞斗)。このキャラも、輪をかけて優しくて、リンカーンの息子のお世話係もやっていて。両親より懐かれているっていう…(笑)
マイティって、ハードに男らしくも出来る男役さんだと思うんだけど、なんていうか…髪型から優しい雰囲気で、笑顔も優しくて。なんだか、観てて癒やされたよ。
でも、もの凄くリンカーンの側にいて影響受けていたからか、義勇軍組織して戦場に行って、戦死してしまう。
その…戦闘のナンバーがこれまた凄くて。
例の階段を効果的に使って、南軍の国旗を引きずり下ろして銃撃され、階段に頭から逆さに倒れて絶命するっていう…。なかなかショッキングな最期で。
「うわぁ、さすが、花組」と思いましたよ。
リンカーンも彼の死を悲しんでいたけど、リンカーンの息子ボビーの悲しみ方ったらなくて。父親のせいでエルマーは死んだんだと、責めるくらい。
なんか、親として、辛いわぁ…。とか思ってしまった場面でした。
そう、この息子のボビーをやってたのは、亜蓮くん(亜蓮冬馬)なんだけど。なかなかいい芝居する子だよね。
この芝居では、この役以外に黒人役で歌のソロあったりしたんだけど。
前々から、日本人離れした容姿だなと思っていたんだけど。まぁ、本当に黒人みたいで、めっちゃ目立っていた。
でー。
リー将軍の、じゅんこさん(英真なおき)。
本当に。お芝居締めてくれる、専科さまな専科さま(笑)
お髭、死ぬほどお似合いでした。
リー将軍ってさぁ、私の浅い知識では「風共」で名前だけ出て来た軍人ってしか知らなかったんだけど。元々北軍の人だったのねと。
この人の行動って、史実なんだろうけど「なんだかなー」な印象だったわ。正直、この人が南軍に行かなかったら、もっと早く戦争終わっていたんじゃないの?って思ったし。スティーブンじゃないけど「なんで南軍に行かせたんだ。敵に回るとやっかいな男だぞ。」だ。
理想と信条と、故郷愛に板挟まれて悩んでこんな行動してしまった将軍を、人間として納得のいくキャラ作りで見せてくれたのは、さすがのじゅんこさん!って感じ。
さおたさん(高翔みず希)が、リンカーンの上司で良き理解者で、ヒロインメアリーの従兄弟。
落ち着いたさおたさんなので、「メアリーのいとこ」って設定に一瞬「いとこ?おじさんではなく?」と思わずにはいられませんでしたけど(笑)
作品として。
とても良く出来た、宝塚作品にしては重たいテーマですが、入りやすく見やすい作りになっていたと思います。
人数が少なくて、選挙戦とか一寸寂しいし、アンサンブルの子たちが、黒人から白人にお化粧変えして出て来たのには、大変だなぁと思ったけど。
昔。花組のたまたま観た作品が「ロマノフの宝石」と「秋…冬へのプレリュード」と、重たいのが続いたので、勝手に「花組は、社会派の作品が多いんだ」と思っていたのだけど。
それをまた、思い出した。
ルパンとか、ミーマイとか、スカピンとか、深く考えずに楽しめる作品も大好きだけど、人として、避けてはいけないテーマを真っ向から扱っている作品も必要だと感じてます。
観るの、辛いけど。でも、宝塚以外でやったらもっとエグい表現の演出になっていただろうなと思うから、私的にこれがちょうど良かったかなって。
原田先生。私嫌いではないなと。や、前々から思っていたけどね。
本当。るろ剣と時期重なってなかったら、絶対リピしていたと思います。

トム。本当に格好良すぎて震える。

柚カレー、この前まで六条御息所やってたとは思えない(笑)

やっぱり、私、マイティの顔立ちが好きです(笑)声も優しいんだよなー
今月は、雪組観劇で頭の中がすっかり幕末~明治の日本なので、急に南北戦争時代のアメリカに意識が向くか…ちょっと心配だったのですが。
物凄くあっさり切り替える事が出来ました。
しかし、原田先生の舞台はセットが秀逸ですな。今回も、私好みでした。
デカい階段を3つ、上手下手は段を客席に向けて置き、センターは背面を向けて配し、中に室内のセットを仕込んでいたり。
階段を二分割して上と下で使い分けたり、大きい3つを繋げて大階段みたいに置いたり。
その場面に合わせて、多様に配置していたのが、本当良かった。
かなりシンプルなセットなのに、や、シンプルだからか。とても印象的だった。
装置の松井先生って、もしかして「アンドレア・シェニエ」の時の先生かな?
はっ!調べたら、私が大好きな舞台装置「南太平」も、松井先生だったわ!
やっぱりこの先生、好きです!あ、その先生を起用した原田先生も、私、好きですよ(笑)
で(笑)。
冒頭場面が、南部のプランテーションの奴隷たちが加虐されているとこで。
薄暗い照明の中に、何人もの黒人がいて、たった一人の白人(農場主・すみません、奴隷商人でした)に、逆らえずに鞭打たれてるの。
ゾワゾワってした。
私は、元々人が虐められてる場面って苦手で、それこそおしんとか、アニメの小公女とかも見られない位、だめなんです。
芝居ってわかってても、髪が逆立って体温が上がった感じがして、「これ、私最後まで見られるかな」みたいな不安を感じました。
それくらい、怖かった。
でも。
なんていうのかな。
演出的…や、脚本的には、時代背景だし、ここでメインキャストの柚カレー(柚香光)演じるフレデリック・ダグラスが、命からがら逃げ出して、奴隷解放運動に身を投じるきっかけになったって説明にもなってるから、そういう意味でも絶対必要だと思うんだけど、私は、この場面を見て、「理不尽だ、間違っている」と感じて、これこそがリンカーンの原動力をなんだと理解するには、効果的だったと。そう感じた。
全体を見て、やっぱり「風共」って、南部の人が自分に都合よく書いた作品なんだなって、ほとほと感心したわ。
宝塚のも、ほぼ原作踏襲してるし、それ以上に美化されてるから、奴隷は出てくるけどそんなひどい扱い受けてないものね。
「南部の人は、黒人に暴力振るったりしない」的なセリフがあったりして、いつも嘘臭いセリフだよ。って思ってたんだけどね。
それっぽいとこって、強いていうなら、スカーレットがプリシーに怖がられてる位か。
あ、でも、黒人はバカだから的な事は原作にあったな。
白人みたいに、頭を使って考えられないから自分たちが導いてやらなきゃ的な、守ったってるぞ的な、「お前ら何様?」な事が色々。
イライラしたのよね、読んでて。
話それちゃいましたが。
そんな南部(というか、この頃のアメリカ社会)に真っ向から勝負を挑んだのが、今回の主役のリンカーンで。
正直、アメリカの歴史って興味なくて

リンカーンの事も、この作品のタイトル「For The people~」の名言と、奴隷解放の父って言われてる事くらいしか知らなくて。
貧しい生まれだとか、学校行けなくて独学で勉強してたとか、弁護士やっていたとか、駆け落ち的に結婚したとか、子供が一人いて、あんまし親子関係良くなかったとか、南北戦争終わってすぐに凶弾に倒れたとか。知らなくて。
なんか…アメリカらしいなぁと…。
当時の黒人の人達も相当苦労していたけど、リンカーンも、そんな楽にやっていた訳じゃなくてというか、学歴ないとか出自がよろしくないとか、色々苦労して。それでも自分の信念貫くために戦ったのだと。
最初、弁護士をする傍ら州の下院議員をしていたリンカーンは、若くて理想に燃えてて、理不尽な差別に憤っていて。
結婚して、国政選挙に出て、時代が付いてこなくて一度敗退して。
黒人解放運動家のダグラスを知って、もう一度選挙に出て、大統領になって。
段々年とキャリア重ねて偉くなって、でも、本質は若いときのままで。
そんな「若い」リンカーンを、理事さま・トム(轟悠)は、なんの違和感もなく演じていて、もう、びっくりする(笑)
相手役のせんなちゃん(仙名彩世)との学年差を感じさせない若々しい演技が・・・さすが、トム(笑)
ほんと。巧いわぁ。
お髭、あってもなくっても、本当に格好いい。てか、男前。なんなら、男性じゃないってのが不思議(笑)
この作品、というか、「エイブラハム・リンカーン」はトムの代表作になると思うわ。
バトラーより、絶対、人間的に合っていると思う。
せんなちゃんの声が私は好きで。
今回のメアリーは、アメリカの女の子らしい・・・というか、スカーレットにキャラかぶり(笑)やなぁと思ったけど、自分の考えがちゃんとあって、正しく世の中を見れる頭の良さと勇気もある子なんだなと。夫を支えて、息子を愛して(でもあんまし思いは届かなかったみたいだけど)、リンカーンが妻として選んだ女性だけあるなぁって感じ?
史実では、「悪妻」と言われているらしいのだけど。
柚カレーは、黒人の運動家。
観る前に、「マイオリ級に黒塗り」と聞いていたのだけど。本当に真っ黒な黒人でした。
笑った時の歯の白さったら…(笑)びっくりした。
役的に、なかなかしんどいと思うんだけど…虐げられたり、理不尽な扱い受けたり。
でも、とっても紳士的な毅然とした態度で立っている姿が、格好良かった。
奴隷として働かされていた農場(すいません、奴隷市場でした)から逃げ出したとき、恋人も一緒だったんだけど、後に結婚して互いに支え合っている姿もよかった。
そういえば、妻アンナ役のべーちゃん(桜咲彩花)は、本当に真っ黒で、やっぱりしんどい役だからかあまり笑顔がないので、誰だかプログラム見るまでわからなかったよ(笑)どちらかというと、はにゃーんとした癒やし系笑顔のべーちゃんがこんな顔するなんてと、別の意味でもびっくりしました。
あ、実はダンスナンバーで、柚カレーに私、感動してしまったことがありまして。柚カレー、長めのコート着ていたんですよ。
ターンする度に、回りすぎるコートの裾をさりげなく手で払って、納めていたんですよ!
はい。すずみんみたい!と思いました。こういうこと見つけると、キュンとしてしまいます

番手的には、柚カレーが二番手でいいと思うんですけど、あきら(瀬戸かずや)も、美味しいお役でしたね。スティーブン・ダグラスさん。あら、柚カレーの役とファミリーネーム一緒なんだ。リンカーンとは地元の下院議員時代からのライバルで、恋敵でもあるっていう。その上、後には協力なんかしちゃって、挙げ句に我が身省みずがんばって無理がたたって死んじゃうっていうね。
おいしい…

前半の「ヤな奴」の所も、さすがあきらって感じだし、後半のいい人もあきららしくて。よかった。
昔からの弁護士仲間のウイリアムが、藤P(鳳真由)。優しいお兄ちゃんで、リンカーンが国政から撤退して、弁護士の以来もあまり来なくなって落ち込んでいる時にも、優しく励ましたりして、いい友人、良き理解者なんだなぁと。
弁護士事務所時代からの助手、エルマーがマイティ(水美舞斗)。このキャラも、輪をかけて優しくて、リンカーンの息子のお世話係もやっていて。両親より懐かれているっていう…(笑)
マイティって、ハードに男らしくも出来る男役さんだと思うんだけど、なんていうか…髪型から優しい雰囲気で、笑顔も優しくて。なんだか、観てて癒やされたよ。
でも、もの凄くリンカーンの側にいて影響受けていたからか、義勇軍組織して戦場に行って、戦死してしまう。
その…戦闘のナンバーがこれまた凄くて。
例の階段を効果的に使って、南軍の国旗を引きずり下ろして銃撃され、階段に頭から逆さに倒れて絶命するっていう…。なかなかショッキングな最期で。
「うわぁ、さすが、花組」と思いましたよ。
リンカーンも彼の死を悲しんでいたけど、リンカーンの息子ボビーの悲しみ方ったらなくて。父親のせいでエルマーは死んだんだと、責めるくらい。
なんか、親として、辛いわぁ…。とか思ってしまった場面でした。
そう、この息子のボビーをやってたのは、亜蓮くん(亜蓮冬馬)なんだけど。なかなかいい芝居する子だよね。
この芝居では、この役以外に黒人役で歌のソロあったりしたんだけど。
前々から、日本人離れした容姿だなと思っていたんだけど。まぁ、本当に黒人みたいで、めっちゃ目立っていた。
でー。
リー将軍の、じゅんこさん(英真なおき)。
本当に。お芝居締めてくれる、専科さまな専科さま(笑)
お髭、死ぬほどお似合いでした。
リー将軍ってさぁ、私の浅い知識では「風共」で名前だけ出て来た軍人ってしか知らなかったんだけど。元々北軍の人だったのねと。
この人の行動って、史実なんだろうけど「なんだかなー」な印象だったわ。正直、この人が南軍に行かなかったら、もっと早く戦争終わっていたんじゃないの?って思ったし。スティーブンじゃないけど「なんで南軍に行かせたんだ。敵に回るとやっかいな男だぞ。」だ。
理想と信条と、故郷愛に板挟まれて悩んでこんな行動してしまった将軍を、人間として納得のいくキャラ作りで見せてくれたのは、さすがのじゅんこさん!って感じ。
さおたさん(高翔みず希)が、リンカーンの上司で良き理解者で、ヒロインメアリーの従兄弟。
落ち着いたさおたさんなので、「メアリーのいとこ」って設定に一瞬「いとこ?おじさんではなく?」と思わずにはいられませんでしたけど(笑)
作品として。
とても良く出来た、宝塚作品にしては重たいテーマですが、入りやすく見やすい作りになっていたと思います。
人数が少なくて、選挙戦とか一寸寂しいし、アンサンブルの子たちが、黒人から白人にお化粧変えして出て来たのには、大変だなぁと思ったけど。
昔。花組のたまたま観た作品が「ロマノフの宝石」と「秋…冬へのプレリュード」と、重たいのが続いたので、勝手に「花組は、社会派の作品が多いんだ」と思っていたのだけど。
それをまた、思い出した。
ルパンとか、ミーマイとか、スカピンとか、深く考えずに楽しめる作品も大好きだけど、人として、避けてはいけないテーマを真っ向から扱っている作品も必要だと感じてます。
観るの、辛いけど。でも、宝塚以外でやったらもっとエグい表現の演出になっていただろうなと思うから、私的にこれがちょうど良かったかなって。
原田先生。私嫌いではないなと。や、前々から思っていたけどね。
本当。るろ剣と時期重なってなかったら、絶対リピしていたと思います。

トム。本当に格好良すぎて震える。

柚カレー、この前まで六条御息所やってたとは思えない(笑)

やっぱり、私、マイティの顔立ちが好きです(笑)声も優しいんだよなー
