先日、中村獅童主演の、「新作歌舞伎 あらしのよるに」を、観に京都南座に行ってきました~。


朗読劇でこの作品をよくやっている、うちの劇団の代表に誘ってもらっての観劇だったんですが、実は私、「あらしのよるに」を未読!全く知らない状態での観劇となりました。


いやー、面白かった。

ストーリーも面白かったけど、演出も「これは確実に歌舞伎仕様だな」ってのがふんだんに散りばめられていて。


まさか、狼表現するのに、あんな隈取りするとは思わなかったけど、ちゃんと「狼」に見えるあたり。

お衣装も、カツラも歌舞伎仕様なのに、ちゃんと動物に見える。

テレビで見た、毛並みと爪も、ものすごく素晴らしい効果を出していて・・・。

山羊のこしらえも、真っ白のお衣装にフリンジみたいなのを付けて、毛並みを表現して、みずらに結った髪が角になってて。


リスとかウサギとかも出てきたんだけど、なんか可愛くて(笑)

すごかった。


なにより驚いたのは、義太夫と獅童さんの掛け合い(笑)

こんなの初めて見たって位、面白かった。


初めてと言えば、歌舞伎の舞台で、お三味線の「メリーさんの羊」を聴くなんて…爆笑しました。

ああ、もうひとつ。

歌舞伎の舞台で床が緑なのも、初めて見た(笑)


ずーっと「盆、使わないのかしら」って思っていたんだけど、大立ち回りでやっと回って、何故か大喜びしてしまいました。あれだけの人数の男性が演る殺陣って、迫力ですわ。

はぁ、よかった。




後、気になったこと。
これは、原作も含めなんだけど。
メイってさぁ、オスなの?メスなの?
フツーに「男(オス)同士の熱い友情もの」と思っていたのだけど、なんか・・・ビミョーなモノを感じてしまって・・・。
メイを演じた松也くんは、白塗りで二枚目優男ともたおやかな女性とも取れる、お化粧で。
あー、でも、みずらに結ってたな。
メスの山羊さんたちは、花簪していたし。
やっぱオスかな。
うーん、そうなると、あのお互いを求め信頼する姿は、一寸するとBL的にもみえるわけで(笑)手繋いで歩くとかさぁ~苦笑
なんか、全然違うところでドキドキしてしまいましたよ(笑)

ああ、でも、ラスト近くの雪崩の場面はなかなか好きな演出でした。私、やっぱり布を使った演出がすごく好きみたいです。
その後の、くんだりは、結構うるっと来ました。
捕食関係にあるモノ同士が、かけがえのない友情で結び付くなんて、絶対的に難しい事だと思う。
てか、あり得ない事だと。
人間で置き換えたらどーゆーカンジだろ?
想像も付かないけど、そんな究極に難しい相手と、相手の為なら自分の命を捨ててもいいって思えるくらいの友情を育んだ二人に感動した。
きっと努力して、お互いが歩み寄れば、トアルお国の方とも仲良くなれると思うのよ。だって、人間同士だもの。狼と山羊よか容易いと思うもの。

そんなことを感じて、なんだかものすごく、ものすごくしみじみと「良かったー」と感じた作品でした。

あ、そうそう。
かしげちゃんの旦那様、月乃助くんが、むっちゃ悪役で出てた。
こんなお役するんだーって、びっくりした。
背が高くてやっぱり格好いいわ。




三階席。急勾配に高い段差の階段、おまけに激狭なお席で、4千円は取りすぎって思わなくもない環境でしたが、客席降りの一くんだり以外は、集中出来ました。
昔の大劇の三階席思い出すわ~(笑)


お向かいのお蕎麦屋さんで頂いた、「湯葉(あんかけ)蕎麦」美味しかったーにこハート②
またゆっくり京都に行きたいです。