今回、実は観劇の予定をしていなかった。
ともちんのライブの週だし、7月は、雪組通いまくりだし。
ま、「お財布が許してくれなかった」って
のが、理由。だけど、東京で初日開けて、あまりの評判の良さにべに会の友人が、「どうしても観てほしい」と言ってくださって、私も「無理してでも観たくなってきた」と思いだし、色々手を尽くしてくださって、ありがたいことに、初日観劇と言うことになったわけです。
本当に、ありがとうございました。
で、お財布はブーブー言っていましたが、本当に観て良かったと思いました。
ちえが退団した後の星組を、見られたのも良かったし、なにより、脚本が良かった。
どこまで奈穂子ちゃん先生がいじっているかわからないけど、ただの「ドタバタコメディー」ではなく、「ハートフル」なきゅんとする作品だった。
ま、ここらへんが奈穂子ちゃん先生の手なら、DVD化の許可が下りなかった理由になるのかしらね。わからないけど。
私が一番目を見張ったのは、べにの歌唱力。
「あれ?こんなに歌えたっけ?」と。
元々、べにの歌は、ハートで歌う系だと思っているので、ショーの時より芝居の(役が入っている)時のが好きなんだけど。
今回は、なんか、すごくよかった。
きっと、キャラに合っていたんだろうな・・・。
合うと言えば、べにのお役フランクJr.。
とてもべにの持ち味を生かせるいいお役だと思った。合ってる

物語の冒頭、逮捕される時ですら21歳で、そこから始まる回想は、高校生・・・。
父親が大好きで、家族が好きな普通の少年。
母親の浮気が原因で、夫婦は離婚することになり、少年は、「自分が消えたら、両親はまた元通りになるかも」と、家出を決意して、最初の詐欺を働く。
劇中何度も「若く見えるが・・・。」と突っ込まれて、「よく言われます」と返す台詞があったんだけど、そりゃ未成年の高校生が、大手航空会社のコパイ(副操縦士)やってるとか、ドクターやってるなんて、誰も思わないものね。これが実話だってのに、ビビる(笑)
その、若いんだけど、一寸肝が座っているというか、「しれっと嘘をつく」感じ・・・ゲームみたいに楽しんでるとことか、逆に寂しい心を持て余していたり、恋心を押さえられなくなったりという、心情を「若い男の子」として、うまく表現していたなと、ほんと思った。
べには、もちろん、コミカルな芝居は大得意だし、全く安心して観ていられた(セリフをトチッた事すら、アドリブのように客を笑わせていたし)。
そして、その寂しい姿も、抱き締めたくなるような切なさで、思わず「可愛い」と思ってしまったほど。
父親に、詐欺で得た大金を、自信満々に渡しにいくところとか、クリスマスの日に、自分を追っているFBIの担当刑事に電話するところとか、ホント、可愛かった。
好きな女の子が出来て、(アシがついて)捕まる危険をわかっていながら、「家族がほしい」と言った時、彼が何を求めていたのは、それだったのかと、思い至る。
やったことは、とっても大それた事だけど、寂しい少年は、「家族のぬくもり」を欲していたのかと。
芝居事態は、コミカルだし、ショーアップされて、お色気ムンムンなおねーちゃんたちがセクシーに踊ったりとか、明るくて楽しいのだけど、主人公が、ただ面白おかしく悪事を働いて、大金を得たとかだけじゃなくて、そういう心のひだっていうか、渇望している思いっていうか、そういうのがちらちらしていて、とても心に残った作品だった。
そして、私にはどーしても相手役が、主人公フランクJr.を追い詰めて、最後には逮捕し、後に相棒になるカールに見えて仕方なかった。
てか、これ、正解でしょ?(笑)
電話ボックスの場面は、本当に切なかった。
フランクJr.が、寂しくてかけてきた電話を、切らずに相手してあげるカール。
追う者と追われる者ではあるけど、友情にも似た何かを感じたんだなって。
実は、一番感動した(笑)
あ、お父さんが死んだって、カールから知らされたところも感動した。
少年なべにが良かったって話?(笑)
どのキャラも、本当に生き生きしていて、個性的で、星組の力を感じることが出来た作品だったと思う。
派手で面白くて、一寸熱くて、ハートフルって、ホント・・・星組にぴったり(笑)
カテコも星組らしい。
二回やって、スタンディングも二回。
感動した心を伝えようと、嵐のような拍手。
ご挨拶に立ったべにへの温かい声援。
聞いてて嬉しくなってしまった。
星組一年生の海ちゃんも、すっかり馴染んで楽しそうだし。というか、「結構いいコンビかも」とか思ったし。
いっぱい話してくれたけど、星組ファンは、追い出しアナウンスが出ても名残惜しげ。
客出しの曲を最後まで聴いて、「ブラボー」とばかりに拍手を送る。ので、なかなか劇場から出ない(笑)
ファンも熱いところも、大好き。
新生・星組で、べにのポジションは、益々責任重大になってくる。
でも、安心だわ。
そう感じた。
一時期、星組からは私、卒業かなと思った時もあったのだけど、戻れる気がする。
誰がいいってわけじゃなく、星組が好きだから。
そう思えたカテコでした(笑)

蛇足ですが・・・。
実は、取っていただいたお席が、ある意味神席だったようでして・・・。
PAブースのふたつほど前のドセン。
横を見ると、関係者らしきおじさんたちの先になんと、奈穂子ちゃん先生が・・・。
ファンですから。テンション上がりましたよ~。
うれしかったー。
