黒豹の如く

久しぶりの柴田作品で。
「期待と不安が私を押し流す~」って感じで席につきました。

ストーリーは、正直、二、三行であらすじ終わっちゃうくらいのものだったんだけど。

謝先生の演出らしく、まるでショー?って位ダンスナンバーが多くて、セットの転換が巧みで、「面白いなぁ」と思って観られた。

かつて恋人同士だった、男と女。
三年後、彼女を忘れられずにいた男の前に、未亡人となった彼女が現れる。
思いが甦ったふたり。紆余曲折を経て、今度こそ結ばれる。

あ、五行使っちゃった(笑)

紆余曲折の中には、大二次世界大戦の兆しとか、カテリーナに横恋慕するアラルコン公爵とかあるんだけど。

ちえのお役、アントニオは結構「受け」なキャラで。
海軍の総督なワリに、あんまし勇猛果敢なところはあまりなくて、恋人を思って悩んだり行動したりしているところが目立つので(や、それなりにある・・・けど)、なんだろう・・・ちえの最近のイメージとは違う感じかな。
私は、「違うなぁ」とは思わなかったですけどね(笑)

ねねちゃん演じるカテリーナとアントニオは、元恋人であったってほど濃い関係だし、カテリーナは結婚歴あるし、アントニオは「総督」ってえらい立場の人だから、「初めての恋」とか「運命の人にやっと会えた」とかそーゆーのじゃなくて、ぐっと大人の落ち着いた関係で。

ま、ちえねねそのままな関係性って感じが、さすがの当て書きよなあって思った。

この空気感は、一朝一夕では出ませんよ。まさしく、「ちえねねのための作品」(笑)
まさか芝居中で、リフト観られるとは思わなかったわ。
色々大変そうって思ったのは、ここだけの話苦笑

プロローグのちえが、ここぞとばかり肉食系男子な感じですよね。同じお衣装を、カーニバルの場面で着ているのが格好いいです。


ねねちゃんは、大人の可憐な女性って感じで。
色々な役を観てきて、 ブエノスアイレスの時は、まだ頑張ってる感にはらはらしたけど、 娘役最後のときにここまでよく、成長したねって(何様だ、私は)。
ま、個人的には、ねねちゃんのシルヴィアが大好きなんだけどね(笑)

ラスト、死亡フラグ立ちまくってるアントニオが心配です(笑)


べには、ベネディクト(@オーシャンズ)をもっと黒くした様な悪役で。
一応、ちゃんとした貴族なんだけど、この時代の人だからか、どちらかというと実業家って方が強く出てるかな。
決してフランスやイギリスの貴族じゃないのがいい感じ(笑)
カテリーナに対する執着と、愛人のアルヴィラに対する使い捨て感が、なんとも凄まじくて。怖かったわ。
美人が凄むと、震え上がるね(笑)


マカゼくんは、お茶会で詳しく聞いていたので「ほぅ、これか」って思いながら観たのだけど(チョー早替わりも・笑)、マカゼくんのイメージのままな、「死ぬほど真面目一徹」な副官って感じで。ああ、でも、
ちゃっかり彼女いるくらいだから、面白味がない訳ではないって感じで。
そのちゃっかり具合も、マカゼくんらしい(笑)

今、ふっと思ったんだけど、べにとマカゼくんのキャスティングを逆にしたらどうなるかしらと。
お人好し丸出しの、とても有能に見えないって感じの役作りをしたべにと、カミソリみたいに危険な男って拵えをしたマカゼくんが観てみたいって思ったわ(笑)


風ちゃん演じるアルヴィラは、アラルコン公爵の愛人で、ナイトクラブの踊り子。
公爵の事好きすぎて、ヤンデレ系(あ、デレはないか・・・)な人になっていて。
かわいそうな人なんだけど、わりと強気で。
べにと二人で、バチバチ火花散らしているところが、すごく格好よかった。
愛するがゆえに、彼を殺めてしまう所に、どうしようもなく憐れを感じた。
芝居出来るしなぁ~、本当に期待の「次期娘1」ですよ。

そして。
今回、本当に「出てくれてありがとう~」な、じゅんこさん!!

私の星坦歴では、葉山さん、ヒロさん、はっちさん、じゅんこさんと、4人目の組長さんなんだけど、こんなに長いこと在任していた方は少ないだろうと思う。
なにせ、私の星坦歴の半分近くこの方が組長だったんだから(笑)
ので、この公演にじゅんこさんがいてくれてうれしかった。
正直、全然ちえと絡まなくて、全然敵対している役でも良かったんだけど、なんということでしょう。
とんでもなく絡むし、仲いい叔父甥の関係で、一曲一緒に歌って踊っちゃうし(笑)
ラスト近くのハグなんて、ねねちゃん相手のそれより感動しちゃったわよ(爆)

ガッツ、みっき、まこっちゃんの三個イチな士官も面白かったし、ちえ演じるアントニオの親友で同期の、まさこ演じるセバスチャンは、潜入捜査中で、仲いいんだか悪いんだかな感じなんだけど。「信頼している大切な同期」って感じの、あの台詞を言わせたかったんだろうなって配役だったね。


今回退団の、どいちゃんはさすがのダンサーさんで。
Seven Seasって妖精・・・じゃないか・・・なんていうの?エリザに於ける黒天使みたいな役で、ガッツリ踊りまくっていた。
はぁぁぁぁぁ。
あなたも次にはいないんですね。
寂しいなぁ・・・。
男役さんとしては小さい方だったけど、キレのあるダンス、好きでした。



意外に、作品が気に入っている自分がいます。
さらっとしてる感じがいいのかな(笑)


なんだかすごく長く書いてしまいました。


次に見たときは、もっと色々掘り下げて観られるかなと。