・・・私の初見は、あの、星組まりこちゃんVa.である。


シメさんが、演りたくて演りたくて、、やっと再演決まった途端に、アキレス腱切ってムラ全休した作品。


・・・まりこちゃんのルドルフは、結構骨太で、傾きつつあるハプスブルクを全力で支えようとして、政敵に出し抜かれて初めて恋をした少女を道連れに死を選んだって感じだった。


それもとても格好良かったんだけど、無理から復帰したシメさんのがどうしても観たくて、初めて東宝に行きましたよ。


シメさんのは、マリコちゃんのと逆で、初めて恋をした少女との想いを貫くために、他の何もかもを振り切って死を選んだって感じだった。


私は、どっちも「らしい」と思うんだけど、ま、好みとすればマリコちゃん。脚本のキャラとしては、シメさんだったと思った。


で、今回の宙組てか、テルは。

・・・中間・・・かな。


意外にどっちもに全力な、若いルドルフだった感じ。

ええと、30代だったんだよね、死ぬ時。

もっと若く見えたわ。でも、それがだめだったかと言うとそうではなくて、若さ故の「何事にも一生懸命さ」が、死を選ばざるを得なくなったって所に、ものの哀れを感じる訳で・・・。


NOW ONでテルが、「王子キャラ、苦手」って言っていたけど、繊細な皇太子って役をよく表現していたと思う。


テルって、立ち姿が本当にキレイだから、すっとしているだけで皇太子のノーブルさが出るし、なんか、「エリザベート」の方の、ルドルフみたいやなぁって思った。


色々苦悩していて、女遊びとかに現実逃避してるけど、芯の所はピュアで。


あんなに仲悪いけど、お父さんの事も好きなんだよね。


だから、一生懸命これからの事を考えていたんだよね。


わかってもらえなくて、寂しい気持ちが、あんな反抗的な行動になったんだよね。


って、思った。


マリーに対して、本当に「私の中の青い小さな花」と感じていて、初めて会った時から、とても気になっていたんだろうなぁ。

一寸ね、マリーに対しての態度は、純情ってか可愛く感じた(笑)


話しかけ方とか、抱きしめ方とか、キスの仕方とか、狼男ごっこの後の膝だっことか、拳銃の向け方とか、本当に、マリーに愛情を持っているように感じて・・・。


とても魅力的な、ルドルフになっていたと思うわ。


マイヤーリンクに兵士が沢山来て、「時間がほしい」って寝室へ行く時「(山荘は)兵で囲まれています」とか言われた後の、「逃げるつもりはない」ってセリフがとても印象的だった。

どうしても、回数見ているからまりこちゃんの、怒って怒鳴り気味で言った言い回しが印象深いんだけど、テルはなんだろう・・・すごく静かに一寸笑った(ほほえんだ?)ってニュアンスだったんだよね。

すごく、すごく、ルドルフって青年の潔さというか、覚悟を見た気がしたんだよね。

すごく、感動した。


あ、ただ、狼男のくんだりで、ドアがある書き割りの後ろをのぞいたのは、あかんと思うわ(笑)書き割りですから(笑)




みりおんはねー、出だし、私の個人的ベストオブ・マリーの、あやかちゃんと一寸印象が違ったので、どうかなーとか思ったんだけど、やっぱり、みりおんは上手・・・というか、段々違和感なく、とってもチャーミングで、キレイで純真なマリーに仕上げていたと思う。


二人でワルツ踊るとことか、お部屋で逢い引きのとことか、エリザベートに遭遇!とか、見所色々あるけど、私が一番好きなのは、ルドルフから初めて手紙をもらってはしゃいでいるとこ。

もう、可愛くて仕方ない。

てか、「恋する少女ってこんな感じよねぇ」って思える可愛さだから。

もう、あのきゃぴきゃぴしてるマリー見ていたら、こっちまでうきうきしてしまうよ。

ばあやのスカートつかみ損ねたのは、ご愛敬ね(笑)


かくれんぼの時の可愛さも、マリーだったわ。

ここのいちゃこらぶりが、幸せで楽しそうであればあるほど、後の悲劇が引き立つのよね。


寝室での「ルドルフ、目をつぶっていても眠れないの、来て」ってセリフが、ちゃんと恋人なんだなってか、その直前まで遊んでいて、なおかつ二人っきりなのに「まだですわー」「よろしゅうございますわー」とか言っていた距離感なくて、うん、恋人の声・・・えっと字面のことだけでなく、声の調子とか、そんなとこからも感じて、本気でこの子は、この人と死ぬ気なんだなって思った。


いじらしくて・・・ホント。



まーくんのジャンは、はい。教科書通りだと思います。

親友(いとこだけど)役ってことで、赤髪の方がちらつきましたが、やっぱり距離感違っていて、ものすごく親しそうで、いい感じだった。

私の中で、このキャラだけ星Va.じゃなくてわたるのイメージなんだけどね、もちろん違うくて、それはそれでよかった。


ミリーとの関係は、そんなラブい感じじゃなかったねぇ。もう、つきあい長いしって感じでしょうか。

二人の立っている姿が何気に自然だったわ。

関係ないけど、まーくんと並んだら、れーれ、バランスいいね(笑)やっぱり、ともちんには、せーこ位身長ある方がいいのかなぁ。


まーくんってば、やっぱりダンスがすごくて、一番格好いいって思ったの、舞踏会で、マリーに近づくステファニーを阻止するために踊ったとこ。

もう!ステファニーが出てきて時から、「はっ」てなって警戒してるのが見えた。

ものすごく、エレガントに、そのくせ有無を言わせない力で妃殿下押さえてて・・・。

ぐっと腕をつかむ手が、殊の外格好良かったよ。



キタロウは・・・。

いい人も似合うけど、悪いのも似合うねぇ~(笑)

あの黒い軍服、タータンが着てなかった?ええと・・・マミさん主演の・・・キムシンの・・・。むっちゃ悪役の時に。

なんか、表情があんまし動かなくて、むーってしてるのがツボ(笑)

でも、ちゃんと女侍らせてるってか、利用してる腹黒さもウケるわ。

出番少ない・・・ってか、管理職クラスの役なのに、ちゃんとスターさんってのがさすが・・・。

ま、ともちんもそうだけど。



で、ともちん。

昨日は、興奮でとりとめの無い事しか書けなかったんだけど、さすがの「大型」男役(爆)

父としても、皇帝としても、これほどどどんと押し出しの強い人はいないねって風情だった。

あの、「生えてんじゃね?」っておひげもステキなおじ様でした。

てか、けーこちゃん相手でも、十分夫婦に見えるんだからすごいよねぇ。

ま、正直、ここ(時期の事)でこんな役回って来たら、もう番手外ってことよねと思わざるを得ないって感じだったので、幕が開くまであまりうれしくなかったんだけど。


ああ・・・幕が開いても、ダンスナンバーには入ってないし(もちろん、高貴な役だし)、大きい出番は、中盤以降だしって幕が開いても、あんまし心が浮き立たなかったんだけど(笑)


テルと、ある意味敵対する役がとても似合うというか、あの親子げんかの場面が本当に良くて。

それまでも、このすれ違い親子は、プツプツ衝突というか、火花散らしてる感じなんだけど。

マリンカと踊る(てか、これ見よがしのいちゃつき?)ルド見て、ものすごくむーってなって立ち上がっちゃうパパとか。

「ブダペストに閉じ込めとけ」って、しちゃうパパに、くっそーって思っているだろうルドとか(笑)


でも、ちゃんと息子のことは心配で愛してると思うのよねぇ。


ただね、「エリザベート」のフランツと違って、エリザがいない時、他の女性連れてるやん?

あれ見たら、大人になってる今はともかく、息子としてがっかりするだろうなぁって思うわ。

私も、がっかりした(爆)てか、初めて見た時わからなかったのよ。あのシュラット夫人だっけの事。

「いまも愛してるよ~。帰っておいで~」とか歌っていたくせに~(笑)

ま、あれだけ格好いいおじさまが、嫁不在で寂しそうにしていたら、いくらでも近づいてくるわな(笑)



宙組って、いつも思うんだけど、正副組長が、フツーにダンスナンバーに入っていたり、フツーにキャスティングされているよね。やっぱり若いからか・・・(って、それ程若くないか)。


今回は、正しく正副組長のお役だったね。

もう、おすしなんて、立ってるだけで笑いを誘う存在感で、すごかったよ。

鈴奈さんも、可愛いおばあちゃんがお似合いよ(笑)

舞踏会にバイトしてたのは笑ったけど(笑)これだけセリフ喋らせたら、慣れていない人(出番の都合で別キャラも演る事もあるってことを知らない人)は、びっくりするだろうねぇ、ま、全ツは人手が足らないから仕方ないけど。


ラストは、本当によかった。

後ろの席から、すんすんしてるのが聞こえて、「ああ、感動したんだ」って思った。


や、さすがに泣かなかった。

というか、泣きそうだったんだけど、別の意味で。

ともちんの陰ソロがステキすぎて。思ってもみなかったところで、ともちんの出番があって。



本当によかった。


・・・これだけ書きまくって、まだ書き足らない気がするのだけど。

とりあえず、ここで。


これで全国を回るってのに、とても安心感を覚える。

「是非、観てみてください」って思う。

伝統的な、正統派の、ちゃんと筋の通った(笑)、これが宝塚の作品ですって大きな声で言えると思ったわ。



ショーは・・・明日にします。


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