このネタも、何度か書いているのですが、私にとって柚希礼音という人は、ロミオにぴったりな、少年キャラだ。
僕ちゃんってほどじゃないにしても、どちらかというと、年長の人に可愛がられてのびのび育った感じの子ってイメージ・・・というか、星組でそういう育ち方をしていたと感じるから(笑)
結構、ちえってトップになってからずいぶんしっかりして、「いいオトコ」の役も沢山やっているから、うっかり忘れそうになるけど(笑)
なによりも、このロミオが似合っていると思う。
ちえのロミオは、少年でも青年でもない、本当にわずかな狭間の微妙な年頃の繊細さがあって、その狭間で、もがくでもなく、流されるでもなく、漂っている。
友達と楽しくやっていて、とても友情を大切にしているけど、一寸ベールを被っているというか、紗がかかっているというか・・・。
落ち着いているようで、情熱的で、若い子にありがちな、視野の狭さが嫌みなくあふれていて。
勘違いじゃなければ、初演と比べて、ジュリエットとの出会いの場面(仮面舞踏会)のとこが少し変わっていて、初演より、二人がお互いを意識し始めたタイミングが早くて、パリスを避けてあっちこっち行くジュリエットをロミオはずっと見ていて、ジュリエットも、ロミオをチラチラ見ていて。
あの場面の中で「運命の人だ」と、思いを募らせる時間がちゃんとあって、すごく、よかった。
二人の、じわじわと気になり出す雰囲気というか、心の流れも、あのモブのなかでも手に取るように感じて(それも、二人は仮面付けているのに)、「やっぱりすごいわ」と、腕を組んでしまった(興奮したりするとしてしまう、私の癖)。
ロミオって、両親となにか会話を交わしたりする場面ってないので、「可愛がられているのだろうな」とは思うけど、よくわからない。
母は、過保護だけど・・・(笑)
もしかして、両親とはうまくいっていないのかも・・・。
ロレンス神父の所が一番落ち着けて、居心地のいい場所なのかも。
神父さんに対する甘え方が、屈託なくって、小さい子みたいだから(笑)
親友たちとのやりとりも、初演より距離というかそれこそ、紗がかかってるように感じた。
初演がはじけ飛んでたからかなぁ。
とはいえ、これはこれで良しって感じだった。
私が観たBプロでは、ベン様がべにで、マー様がみっき。
この程よい距離感が、結果的に「無頼と放蕩の果てに」殺されてしまうマー様と、何かを学び取って大人になってしまったベン様と、無垢な心のまま自ら命を絶ったロミオとの差になるんじゃなかろうかと・・・。
初演は、「みんなこんなに同じように育ってきたのに、こんなに違う生き方(死に方)を選んでしまった」悲劇って印象を受けたけどね。
ま、「演出」として細々変更していることもあるけど、「演者」として演じ方を変えて出してくるってのがすごいなと思う。
それも、基本ロミオ自身の芯は変わってないのに。だ。
ジュリエットに対する気持ちも、初演のだーっとした子犬のような勢いじゃなくて、初恋を知ったシャイな少年な感じで、可愛くて仕方なかった。
男らしいっていうより・・・可愛い感じ(笑)
結婚式とか、初夜の時や、霊廟の場面も。
この可愛さが、柚希礼音さんの真骨頂だと・・・(笑)
そう感じた訳で(笑)
ジュリエットは・・・や、正直かなり危惧していたのよねぇ。
だって、去年、あんなピチピチのちゃぴジュリエットを観てしまってたから・・・。
どんなに姫キャラでも、比べてしまうと、ねねちゃんは、「おねぇさん」だし・・・。
初演から確実に3年は学年上がっているんだし。
と、思っていたのだけど。
・・・ねねちゃん。
前回より幼く可愛くなってますけど・・・(笑)
声のトーンが高かった。・・・てか、もう少し色付けたら、キャラボイスじゃね?ってくらい可愛い声。
それに併せて、歌声も可愛くなっていた(前々から、ねねちゃんのしゃべり声と歌声の差が気になっていたのだけど)。
衣装も、淡い色がメインで、カツラもナチュラルに可愛くしていて、動きも可愛い。
ま、「おねぇさん」っていっても、全然若いんだけど、その上に、この技量でもって「少女」を体現してるんだから、「可愛くないわけがない!!」
霊廟の場面が、少し変わっていた(セリフの言い方が変わった?)のだけど、泣きながらのセリフに、もらい泣きしちゃったよ。
前回は、「ええっ?どうしてっ?」って驚きメインだったと思うんだけど。
お部屋で乳母たちときゃいきゃいやっているときとか、バルコニーの場面とか、オトコだったら絶対惚れるって可愛さだよねぇぇぇ。
恋する少女のとこだけでなく、両親や乳母とのやりとりも、「甘え方の違い」っていうのかな、そんな違いも感じた。
両親には、一寸線を引いているというか、遠慮してる感じで、乳母にはまるっきりそのままワガママも平気で言っちゃうって勢いで。
それもまた可愛いんだ(爆)
くどいけど、元々も本当に可愛いんだけど、それ以上に「ジュリエット」としての可愛さに持って行く、役者としてのスキルの高さに感動すら覚えた。
すごいわ、この二人。
どんだけ進化するんだろう。
再演の高いハードルを、軽々と飛び越える二人に、心からの拍手を送りたい。
星組は、すごいぞ。
続きはまた次回~!