ベルサイユのばらって作品は、すごいって事だな。
なんども何度も書いてるけど、私は植爺の脚本と演出が嫌いです。
昭和なセンスと、会話のキャッチボールが皆無で、時々性格の変わるキャラ設定が。
たとえ、そんなとほほな脚本も、生徒の熱演と愛によって感動的なものに仕上がったとき、「ベルばらって素晴らしい」って事になるわけだ。
本当にねぇ・・・。
目の当たりにしました。
前回、期待をしすぎてガッカリしたので、今回は低めのテンションで席に着いた。
そーちゃんはじめ、みんなのビジュアルにうっとりするだけでいいやって感じで見ていたのだけど・・・。
いささか不本意なんだけど、今回初めて、あの一幕最後の王座の間で、なにかしら納得するところを見つけてしまった。
元々あの場面って、公開裁判みたいだし、せっかくメルシー伯が「フェルゼンは結婚するために帰国する」って当たり障りない嘘を考えてくれたのに、
「あそこで言ってしまったら、なんにもならんだろう!愛してる人のためとか言うなら、嘘を突き通せよぉぉぉ」ってずっと思っていた。
ま、当たり前なんだけど、今回もあっさり「嘘です」って口割っちゃって(笑)
何気に覗いてたオペラ越しのそーちゃんが、ものすごくいい顔していて・・・。
ルイに「本当のことを聞かせて」って言われて、それまで頑なに嘘を通そうと決めていたのに、自分の妻との関係を知りつつ、それでも引き留めようとしてくれるルイの懐の深さに、「この人には嘘がつけないな」ってフッて笑うっていうか、力抜いちゃうってか・・・とにかくそんないい顔をしてから、「婚約なんてしてません」って話し出した。
・・・その顔がね。
このびっくりするような(決して良い意味ではない)展開の場面を、ものすごく筋の通った場面になったような気がした。
てか、私にはすとんと納得できたのだ。
そーちゃん、すごいぞ!
そして、あゆっちの、迫真の、渾身の、牢獄の場面!
前回、正直それほど~って思ったんだけど、今回は、鳥肌が立つほど感動した。
今回の脚本ってフェルゼン編なものだからか、アントワネットの扱いがひどいなあと思うほど、出番が少ない。
なんせ、逢瀬の場面すらないのだからねぇ。
トップコンビお披露目なのに、ドレスの点数も少ないし(場面がないから仕方ないけど)可哀想な位だなと。
なんだけど、出番の少ないのも、目立たないのも、すべてこの場面で解消されたというか・・・。
美しく聡明で、気高い王妃マリー・アントワネットを、もののみごとに表現していたと思う。
それもね、豪華な輪っかドレスの場面じゃなくて、質素なドレスと下ろし髪姿で・・・。
メルシー伯との別れの場面もよかったけど、あれだけ命がけで忍んできたフェルゼン拒否るとこなんて・・・。
女として愛し愛された人を前に、自分の立場をわきまえて、そして妻として母として、その差し出された手を毅然と振り払う姿に・・・。
思わずうるっとしそうになったよ。
ビギナーさんらしき一団からは、感動して泣いている声も聞こえた。
終わった後、興奮気味に「よかったねぇぇぇ」って言ってるのも聞いた。
ま、それには色々突っ込みを入れたいと思ったけど、最後のあゆっちの演技には激しく同意できますので、ま、だまっておいた(笑)
生徒の熱演と愛によって感動的なものに仕上がったとき、「ベルばらって素晴らしい」って事になるわけだ。
本当にねぇ・・・。
すごいよ、ベルばらは・・・。
