先日、録画予約していた「天使のはしご」を、やっと昨日見た。
なんというか・・・。
言葉にならない感動を覚えた。
青年館には行けなかったけどバウで5回も観たのに、それもこの大楽は客席にいたのに、感動した。
涼紫央という男役の凄さに。
大体オペラで追っかけるから、バストアップですずみんを観ていたんだけど、テレビカメラの力てか、上下両方から撮られたベストのアングルで、すずみんの細かい表情なんかが見られたのが、改めて「すごい」と思ったのだと。
例えセリフがなくても、立っているだけでも、場の空気を変え、観ているものを引きつけ、なにかを感じさせる。
リジーと初めて会ったトコとか、ウィカムと再会したトコとか、本当にいい顔をしていて、身分の高い人なりの無表情さの中の、驚きや怒りがとてもよく出てて、カメラのアップで見ると、それがより良くわかった。
個人的に上の二つの場面も好きだけど、妹に会った時の優しい顔とか、リジーにプロポーズしてフラれて怒るトコとか、ウエディングドレス姿のリジーを見つめる嬉しそうなトコとか、本当に身体からあふれ出るその感情から、少しの動きから、表情から、まるっと凄いと思う。で、とても好きだ。
立ち居振る舞い、表情、言葉のスピードや抑揚、息の使い方、着こなしや髪型、すべてがここまで凄いって、無いと思った。
ハンパない拘りと、信念と、努力。
私は、涼紫央って男役さんが好きだけど、そうじゃなくても、絶対感動していた。てか、鳥肌モノだ。
すずみんは、役者だ。
「男役」として完成された役者だ。
舞台の上で、「ダーシー」として息づいている、その演技力に、感動する。
そして、尊敬する。
そこに行き着くまでの努力とか色々。
役をひとつ作り上げて、自分のモノにする苦労。
ある程度の学年以上の男役さんは、口を揃えて「人としての感情の流れは、男も女も大差ない」というけど、それは、今まで積み上げてきたものがあるからで、楽に演れるわけではないし。
身分とか、年齢とか、育ってきた環境とか、全てが変わると足の出し方一つ変わってくる。
それを、いとも簡単に演っているかのような、すずみん。
そう見せる、すずみんの自然さ。
気持ちいいだろうなぁとか、思う。
あそこまで表現できて、あそこまで息づけたら。
今更舞台に立ちたいとは思わないけど、一寸懐かしく感じたりして。
涼紫央という男役。
格好良いとか、上手とか、そんなだけでなく、
私のささやかな、諦めてしまった思いまでひっぱり出す、すごい役者だと・・・本当に感動した。