このドラマは、他のドラマではなかなか見られない映像美と構図に看取られる。数多くの美しいシーンの中でいくつかをその例に挙げてみよう。

1.目立つ特徴

1話の最初、イファを助けるシーンや、釣り場でのシーンなどで、後ろで主人公が動いていることにもかかわらず、フォーカスを他の所に合わせているシーンがある。また、朝鮮時代の森のシーンや、2話の美容室の屋上シーンなどは、照明を後ろに当て、主人公の方が暗く見えるようにしている。どのような意図でそのように撮影をしたのかは分からないが、神秘的な雰囲気を感じ取れることは事実だ。

一方、部屋の中でのシーンの多くを、レールを設置してその上で撮影して、主人公が同じ場所で話しているのにも関わらず、画面を少しずつ変化を与えて、新鮮味を加えた。同じ場面だが、背景が動くのを通じて退屈さも減らし、様々な角度からそのシーンが見れる。また、カメラの前にアクリル版(と見られる版)を縦に設置して撮影したり、全体のシーンの中に3分の1近く障害物を入れて撮影された場面が多い。実は私たちが何かを見るときはいつも視野の中に障害物がある。その障害物をアクリル版やカメラの方にあるテレビや装飾品、植木鉢、ブラインドなど作り出すことで、普段の私たちの視野と同じような画面を作っているともいえる。また、普通セットは撮影装備を置く方向にオープンされているために、片方にしか部屋の姿が見えないが、このドラマでは反対側の姿もよく登場する。 それでセットの感じを与えず、見る人が主人公たちの部屋の構造を全部分かるようにして、我々が本当にその部屋に行ってみたことがあるのと同じ感じを与えた。

私たち視聴者が、普段ドラマや映画を見るときに、見れると措定している範囲があるはずだが、このドラマはこのように、私たちの想定を超えて見せることで、実際、私たちのドラマの中の場面を覗いているような気持ちを感じさせる効果を感じることができる。

 

2.ディテールさ: その中のいくつか

1話では、ミンジュンが朝鮮時代から生きてきた姿を描写するミンジュンの部屋シーンで、イファからもらった絵が古くなっていく。また、ソンイが初めて登場したすぐ後のシーンに、通り過ぎていくバスに、「環境の守護神は実践です」という文句と共に、ソンイの広告がついている。2~3秒くらいの部分だったが、その後ソンイのドキュメンタリーを撮影中のシーンで、「私、緑色地球広報大使なんですから~」というシーンがあるが、その部分の根拠(?)を1話であらかじめ見せてくれていた。

2話では、時間を止めて韓服を着て出てるミンジュンが登場するが、よくみると、当時のミンジュンが髷を結うことができなかったことがわかる。朝鮮時代の人たちは髪を切っていなかったため、男も髪が長く、その長い髪を今の女性の「おだんご」のように頭の上で一つにまとめて、その上に帽子をかぶった。しかし初めて朝鮮にきたミンジュンは髪の毛がまだ短かったため、髷を結うことができなかったのだ。(後からの朝鮮時代でのシーンでは、しっかりちょんまげのような髪型になっている)

3話では、入院したソンイの代わりに病院に受け付けをしに行ったミンジュンを見せてくれるシーンで、少しだけ映っている病院の待機室のテレビに、星が描かれているアニメが流れている。このドラマが「星から来たあなた」だからだと思われる。

また他のところでも上げたとおり、7話で、ミンジュンの書斎の砂時計が二つになる。7話はミンジュンがソンイを対する自分の気持ちを認める重要なポイントである。1話で、ミンジュンがもともと暮らしていた所に帰れることになったと言いながら砂時計を覆したことと、21話で二つの砂時計がほとんど終わっていくことから考えると、一つはこの地でミンジュンに残った時間を、もう一つは、その中でソンイと一緒にいれる時間を意味するものと考えられる。

また、11話のベランダでの告白シーンの二人の服装が「カップルルック」になっていて、シーンや内容の美しさを増すことができたと思われる。

15話での「空中浮揚キスシーン」の場面で、ミンジュンとソンイの中央に「星の王子様」がいる。ミンジュンも星から来た男であるためだ。また、この場面でカメラのジオ・ラマフィルターを使用して写真を撮ったのと似たような感じの映像で、キスシーンをさらに童話のように見えるようにしたと言える。

3.ミンジュンの部屋

ミンジュンの部屋のインテリアで、ミンジュンのキャラクターを生かした小品や品物が多い。まず居間から見ると、居間に平たい円形の電灯がいくつかついているのがわかる。これは、ufoをモチーフにしたものだという。また、ミンジュンがいつも本を読んだり音楽を聞きながら休憩を取る椅子がいるところは、よく見てみると、周辺に水が流れて島のようになっていることがわかる。監督のインタビューによれば、ミンジュンはここの人ではないため、地では安らぎを感じることができないため、空中を表現したものだという。

一方、ミンジュンの居間には、水、火、草があるが、これらは生命の始まりを意味すると見ることもできる。 特に草は、ミンジュンの健康状態と関連がある。21話で以前の草が枯れてしまって新しい草が茂っているのを見ることができるが、これはミンジュンが完全に新たな存在に生まれ変わったということを示唆しているともみることができる。

一方、寝室のインテリアもまた素晴らしい。その中にいくつかだけあげると、まずミンジュンのベッドの下にライトがついていることがわかる。浮かんでいる感じを与えることとして下のほうに火を噴くUFOを思わせるが、監督インタビューによれば、ミンジュンが寝ている空間もやはり、この地では楽に休息を取ることができないため、浮いているという感じを与えるためだという。また、イファに受けた図の位置がベッドの真ん中ではなく、少し右のほうにかかっているが、これはドラマの序盤、ミンジュンが寝る場所がない方である。以降、ソンイがミンジュンのベッドを貸し切る時にはほとんどの場合、イファの絵の方で寝ている。しかし、21話で初めて、ソンイとミンジュンのいる位置が反対になっている姿を見せてくれる。これも「イファとソンイとの関連性はもう二人の仲では関係なくなった」ことを暗示しているのかもしれない。

4.細かい演技

メイキング映像などを見ると、監督が細かく演技を注文することを知ることができる。 もちろん監督の領域から外れている部分もたくさんあるが、全体的に俳優たちの細かい演技に驚かれるところがたくさんある。ここでは、特に注目すべき部分をいくつかの例に挙げてみよう。

7話・崖で車を止めるシーン: 止めてからソンイを見るミンジュンの視線

10話・車の中、ベランダでの告白シーン: 涙こそ流してないけど、泣いていることがわかる

11話・エピローグ: 手袋を脱いでソンイの手を握るシーン

18話・旅行から戻ってきた後の、廊下で4人のシーンの4人の演技