これはすごい小説です。
そして、やりきれない思いに
なる小説でもあります。
「日本の裁判はこれでいいのか!」と
怒りたくなる実態が圧倒的な
リアルさで描かれています。
それが『死亡推定時刻』(朔 立木著
光文社文庫)です。
ストーリーは山梨県で地元の有力者の
一人娘が誘拐される事件が起きます。
警察の指示に従った結果、身代金の
受け渡しは失敗。
少女は死体となって発見された県警は、
遺留品に付いていた指紋から、無実の
青年を逮捕することになります。
そして、執拗な揺さぶりでその青年を
自白に追い込んでしまうのです。
有罪は確定してしまうのか?
そして真犯人は?
まるでノンフィクションのような話です。
「冤罪」という罪が成立することの
恐ろしさ、人を「裁く」ということの
難しさがよくわかります。
今後、裁判員制度が始まりますが、
考えさせられる1冊です。
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