http://hiroakikoide.wordpress.com/5月25日 循環冷却の効果に疑問 小出裕章

要約

・(小出先生は従来は水棺は無理だろうから循環型の外付け冷却システムがいいのではないかと言っていた。が、ここまで悪化すると難しいのではないかと今は言う。どうすればいいのか?)炉心が溶けていると東電は言っている。炉心に全く水がなければ圧力容器に水がなく、底に穴が空いている。穴からは水だけでなく溶けたウランも落ちて、格納容器の底に落ちる。燃料のウランは2800度で溶ける。格納容器は鉄でできていて、1400~1500度で溶ける。溶けたウランが鉄と接触すれば、格納容器は簡単に溶ける。

・(2800度に近い温度で底に落ちていて、格納容器の底も溶けているだろうということ?)そうだ。どれだけの水が残っているかによって違うが、底は抜けているだろうと思う。

・(底の大部分が大きく抜けている?)水棺で大量の水を入れた。圧力容器から出た水が格納容器にたまることを東電は期待していた。でも断念した。私はもとから出来ないと思っていた。いずれにしても漏れてしまうし、損傷を拡大しかねないと言った。実際、漏れているところが大きいと思わないといけない。東電は最近、格納容器の外側、原子炉建屋の地下に4000~5000トンの水がたまっていると言い出した。格納容器から流れてきているということ。大きな損傷があると考えるしかない。

・(最後の砦の格納容器が大きく損傷して、ダダ漏れ?)そうなっている。その理由の一つの可能性は、溶けた燃料が格納容器の底に穴をあけているということだろう。さらに下に溶け落ちていっている可能性もある。

・(良かれと思って入れた水が容器を損傷させてダダ漏れの原因になった?)穴を開けたのはウラン。水を入れたこと自体で穴をあけたわけではない。が、汚染水が出ている。難題だ。

・(汚染水も満水に近付いている。どこに移せばいいか?)いま場所はない。メガフロートでは足りない。二ヶ月前から言っているが、タンカーをつれてくるのが解決の早道。それには政治の介入が必要。

・(梅雨の雨は関係してくる?)関係する。どうしたらいいか分からない。雨が降ると染みこんで汚染水の量を増やしていく。海に溢れるのは避けられない。早急に手を打たなければならないが、二ヶ月も手をこまねいていた。政治的決断が必要。早く汚染水移動を。

・(政治の出番?)田中真紀子さんと話したときも私は政治の出番だと言った。彼女も同意した。

・(従来のやり方では全くダメということ?)循環させるとしても、溶けたウランの塊は格納容器の下に落ちていっている。水を循環させても、溶けて出てしまっているウランの冷却にはほとんど効果がない。私の推測が正しければ冷やすということはできない。

・(工程表は?)もともと出来ないと言ってきた。水棺自体できないし、循環式冷却もそれを前提としていたわけだが。

・(東電は既に織り込み済みだった?)違う。水棺を踏まえた上で循環冷却に進もうとしていたが、底が抜けていれば循環に意味はない。

・(核燃料はいまどこに?)格納容器の鉄板の下は分厚いコンクリート。それを順番に溶かしながらコンクリートを突き抜けて下に落ちていっている。

・(これを止めるのは?)水をそこに到達させて冷やせればいい。だが、構造物の中に穴をあけて溶け落ちていっているため、上から水をかけるだけではだめだろう。

・(チャイナシンドローム?)チャイナシンドロームは米国の原発の事故により溶けた燃料が地球の裏側の中国に出てくるというブラックジョーク。そういうことにはならない。数メートルから10メートル。いずれにしても地下水があってそれと接触する。そうなると汚染が拡大する。その拡大を防ぐための措置が求められる。

(地上だけの話ではない?地下の奥深いところの話になる?)打てる有効な手立てはあまりない。汚染をできるだけ抑えるには地下深くまでコンクリの壁を打ち込んで、溶けた塊を壁の中から出さないようにすることくらいだろう。

・(格納容器の下に壁をもぐらせる?)格納容器の下方向に壁を作るのは難しい。原子炉建屋の大きさくらいで縦に深い壁をつくる。10メートルかそれ以上。地中深くにはりめぐらせる。

・(科学と技術の力でどうにかなる?)完璧に閉じ込めるのは無理。どこまで抑えられるかというせめぎ合いだ。


以上

東電はどこまで把握できていたのだろうか?真の専門家の助言を聞き、すぐに対応すれば、
付け焼刃の対応でここまで悪化することはなかったのではないか。。。

とにかく、地下水が汚染されると、日本国中いや世界の汚染になる由々しき事態。
汚染を食い止める手を早急に打ってほしい。
心ある政治家の皆さん、私たちの大事な土地を守ってください。