SUICIDE「SUICIDE」
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ニューウェーブ、テクノ、パンク、アヴァンギャルドなど様々なジャンルへ影響与えまくりんぐなユニットSUICIDEの77年発1stアルバム。今さらこの良さを書くのも無意味な気がするほど大名盤!マキシマムザ某バンドのボーカル・ダイスケはんは「キャーキャーうるさい方」というパートを担当してますが、SUICIDEのボーカルVegaさんは「ギャアギャアこわい方」というか。とにかく怖い。3曲目「Cheree」では「アイラヴュー…」と吐息混じりな甘い声で囁いたりもしてる。それはいいんだ。いきなり何の前触れもなく「ア゙ァ゙!」とか「ギャァァァァアア」とか叫んだりするのはどう考えても怖いと思うんだ。その半狂乱ボーカルは、ゆらゆら帝国がカバーしたことであまりにも有名な6曲目「Frankie Teardrop」で堪能できます。デス声より怖ぇ。でもSUICIDEってアングラシーン代表というイメージの割には聴きやすい方だよなあ。アングラ感満載のうねうねシンセが堪らねぇ。「Ghost Rider」はキャッチーと呼ばれる部類に入りますか?(バナナはおやつに入りますか?風に) 「Rocket USA」ではリズムマシーンの不気味さが前面に押し出されてる。でも「Cheree」が子守唄のような愛溢れる名曲だったり「Keep Your Dreams」はかわいらしかったりする。ちなみに私が1番好きな曲は「Johonny」です。被ったらマイミクお願いします(言いたいだけ)。んでこのアルバム2枚組でしてDisk2はライブ音源なんですがこれがまたすごい。Disk1よりも音に厚みがあるからこっち聴いた方がバンドの凄さが伝わりやすいかもしれない。初っ端からオカルト的な意味でスペーシー。注目すべきは唸りまくり叫びまくりな「Harlem」かなあ。あと最後のトラック「23 MINUTES OVER BRUSSELS」。観客のざわめきと歓声と荒々しいSUICIDEの演奏と。当時の空気を味わえたような気になります。

今これを書いてて気付いたのですが、個人的にはこのアルバムを聴いても感情を揺さぶられることはないです、意外にも。いい意味で純粋に音楽として楽しめてる自分がいる。絶望も希望もなく、ただただ聴いてておもしろいなーと思えるだけ。でもそういう「ただそこにある」という感覚が、居心地が良いというかまぁそのあれだ。好きです。

このバンドに少しでも興味を持ってしまったなら一度聴いてみても損はないはずです。